
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
相続に関する気になるトピックや情報を配信しています。ご興味のある記事がございましたら、ご参考にしてみて下さい。
相続放棄は3か月、相続税は10か月、そして相続登記は3年。まずは全体のタイムラインを押さえましょう。
ご家族が亡くなられた直後は、葬儀や法要、関係先への連絡に追われ、相続の手続きまで頭が回らないのが普通です。しかし、相続に関する手続きの中には法律で期限が定められているものがあり、期限を過ぎると「借金を相続放棄できない」「税金の特例が使えない」「過料を科される」といった不利益が現実に起こり得ます。
特に注意していただきたいのが不動産です。かつて相続登記(不動産の名義変更)には期限がなく、「急がなくてもよい手続き」と思われてきました。しかし2024年4月1日から相続登記は義務化され、正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象になります。「昔の知識」のままでいると、いちばん大きな財産である不動産で足をすくわれかねません。
そこで今回は、名古屋のごとう司法書士事務所が、相続開始後に期限のある手続きの全体像と、相続登記を申請するまでに必要な手続きの流れを、実務の目線でわかりやすく解説いたします。
「期限なし」は過去の話。今は「3年以内・怠れば過料」が原則です。
不動産を相続したときに行うのが、亡くなった方から相続人へ名義を変える所有権移転登記、いわゆる相続登記です。
以前は、この相続登記に期限はなく、登記をするかどうかも所有者の自由とされていました。しかし、名義変更されないまま放置された「所有者不明土地」が全国で社会問題となったことを受けて法律が改正され、2024年4月1日から相続登記は法律上の義務になりました。現在のルールは次のとおりです。
まず、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。遺産分割協議がまとまった場合は、協議成立の日から3年以内にその内容を登記する必要があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。さらにこの義務は義務化前に発生した相続にもさかのぼって適用され、こちらは原則として2027年(令和9年)3月31日までが申請の期限です。「祖父名義のまま」「亡くなった夫の名義のまま」という不動産をお持ちの方は、まさに今が対応のタイミングと言えます。
なお、遺産分割協議がすぐにまとまらず3年以内の登記が難しい場合には、「相続人申告登記」という簡易な申出をしておくことで、ひとまず義務を果たしたことにできる制度も用意されています。ただしこれはあくまで応急措置で、名義変更そのものが済むわけではありません。売却や担保設定をするには、結局は正式な相続登記が必要になります。
また、相続では登記以外にも期限のある手続きが数多くあります。代表的なものを時系列で挙げると、死亡届の提出が7日以内、健康保険や年金関係の届出がおおむね14日以内、相続放棄・限定承認の申述が相続開始を知ったときから3か月以内、亡くなった方の所得税の準確定申告が4か月以内、相続税の申告・納付が10か月以内、遺留分侵害額請求が侵害を知ったときから1年以内、という流れです。
とりわけ重要なのが3か月と10か月の2つの期限です。借金など債務のほうが多い場合の相続放棄は、家庭裁判所への申述が3か月以内に必要で、これを過ぎると原則として借金ごと相続したことになってしまいます。相続税の申告・納付は10か月以内で、納税は原則現金一括です。遺産の大半が不動産で現金が乏しい場合は、納税資金の準備が課題になります。相続不動産の売却によって納税資金を作る方法もありますが、その売却の前提としても相続登記が必要です。期限から逆算すると、不動産の手続きは早く動くほど選択肢が広がるのです。
書類集めから申請まで、一般的なご家庭でも1〜2か月。順を追って見ていきましょう。
相続登記は、申請書を1枚書けば終わるものではありません。前提となる届出や調査、書類収集がいくつも必要で、実際にはこの準備に最も時間がかかります。ここでは、相続発生から相続登記の申請までの流れを4つのステップに分けてご説明します。
すべての相続手続きの出発点。7日以内に市区町村役場へ。
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。提出先は、亡くなった方の死亡地・本籍地、または届出人の所在地のいずれかの市区町村役場です。医師が作成する死亡診断書(または死体検案書)と一体の用紙になっており、実務上は葬儀社が提出を代行してくれることがほとんどです。
死亡届が受理されると火葬許可証が交付され、戸籍に死亡の記載がされます。この「死亡の記載がある戸籍」が、その後の相続登記や預貯金の解約など、あらゆる相続手続きの基礎資料になります。なお、死亡診断書は生命保険金の請求や遺族年金の手続きでも使いますので、提出前にコピーを数部取っておくことをおすすめします。
遺言の有無で、その後の手続きと必要書類が大きく変わります。
次に、亡くなった方が遺言書を残していないかを必ず確認してください。遺言書の有無によって、誰が不動産を取得するのか、どの書類が必要になるのかが大きく変わるからです。
公正証書遺言については、相続人であれば全国の公証役場で「遺言検索システム」により有無を調査できます。また、2020年7月に始まった法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた可能性もあるため、法務局への照会もあわせて行うと確実です。
自宅の金庫や仏壇などから自筆の遺言書が見つかった場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所の検認手続きを受ける必要があります(法務局保管の自筆証書遺言と公正証書遺言は検認不要です)。検認はあくまで遺言書の状態を確認・保存するための手続きであり、遺言の有効・無効を判断する場ではありません。内容に納得できず無効を主張したい場合は、別途訴訟等で争うことになります。
いちばん時間がかかる工程。戸籍集めは「広域交付」で負担が軽くなりました。
相続登記で必ず使うのが戸籍謄本と住民票です。遺言書がある場合は、亡くなった方の死亡の記載がある戸籍と、不動産を取得する方の戸籍・住民票を中心に、比較的少ない書類で足ります。一方、遺言書がなく遺産分割協議で決める場合は、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍一式と、相続人全員の現在戸籍が必要になり、収集の手間が一気に増えます。
この戸籍集めについては、2024年3月から「広域交付制度」が始まり、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村窓口で戸籍をまとめて請求できるようになりました。転籍を繰り返した方の相続でも、以前のように各地の役所へ郵送請求を繰り返す負担はかなり軽減されています。集めた戸籍をもとに法務局で「法定相続情報一覧図」の認証を受けておくと、その後の銀行手続きなどでも戸籍の束の代わりに使えて便利です。
遺言書がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行い、その結果をまとめた遺産分割協議書を作成します(法定相続分どおりに登記する場合は不要です)。協議書には相続人全員の署名と実印の押印が必要で、印鑑証明書も添付します。このほか、不動産を取得する方の住民票、固定資産評価証明書(または課税明細書)なども必要です。必要書類は相続の内容によって細かく異なりますので、ご自身のケースで何が必要かは、司法書士や法務局に確認しながら進めると安心です。
申請先は不動産の所在地を管轄する法務局。登録免許税と原本還付がポイントです。
書類が揃ったら、登記申請書を作成し、不動産の所在地を管轄する法務局に申請します。窓口への持参のほか、郵送やオンラインでの申請も可能です。申請から完了までは、おおむね1〜2週間が目安です。
申請の際には、登録免許税として原則「固定資産評価額×0.4%」を納めます。例えば評価額2,000万円の不動産なら8万円です。なお、評価額100万円以下の土地については登録免許税を免除する措置が設けられています(2027年3月31日までの時限措置)。名義変更が放置されがちな山林や私道持分などは、この免税を使えるケースが少なくありません。
提出書類は原本が原則ですが、登記完了後に返却を受けたい書類は「原本還付」の手続きをしておきましょう。特に遺産分割協議書や戸籍一式は、預貯金の解約や相続税申告など登記以外の手続きでも使いますので、必ず還付を受けておくことをおすすめします。
戸籍の読み解き、協議書の作成、申請書の記載――これらを法的手続きに不慣れな方がすべてご自身で行うのは、想像以上に大変な作業です。書類の不備で法務局から補正を求められ、3年の期限を意識しながら何度も足を運ぶことになる方も少なくありません。お仕事やご家庭で忙しい方、相続関係が複雑な方は、司法書士に依頼することで正確かつスムーズに手続きを終えることができます。
3か月・10か月・3年。迷ったら、まず全体のスケジュールを専門家と整理しましょう。
今回は、相続開始後に期限のある手続きの全体像と、相続登記までに必要な手続きの流れを解説いたしました。
相続放棄は3か月、相続税は10か月、そして相続登記は3年(義務化前の相続は原則2027年3月31日まで)。それぞれの期限は独立しているようで、実際には「登記をしないと売却できず、納税資金が作れない」というように互いにつながっています。だからこそ、個別の手続きを場当たり的にこなすのではなく、最初に全体のスケジュールを描いてから動くことが、相続をスムーズに終える一番の近道です。
名古屋市中区丸の内のごとう司法書士事務所は、不動産事務所(宅地建物取引士)を併設しており、相続登記から相続不動産の売却・活用のご相談までワンストップでお手伝いしています。お客さま一人ひとりの状況に合わせて期限の一覧表とやるべきことを整理いたしますので、「何から手をつければよいかわからない」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年7月時点の法令・情報をもとに作成しています。相続登記の義務化や登録免許税の免税措置などの制度は改正される場合がありますので、実際のお手続きの際は最新の運用を司法書士・税理士等の専門家にご確認ください。
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号 TCF丸の内ビル6階
名古屋市地下鉄桜通線又は名城線「久屋大通駅」:桜通線側の1番出口から徒歩5分
名古屋市地下鉄桜通線又は鶴舞線「丸の内駅」 :桜通線側の4番出口から徒歩6分
9:00~19:00
土・日・祝(ただし、事前予約により相談可能)
※フォームからのお問合せは24時間受付しております。