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実家を危険な空き家にしないために|相談先と対策を名古屋の司法書士が解説

相続に関する気になるトピックや情報を配信しています。ご興味のある記事がございましたら、ご参考にしてみて下さい。

空き家を相続する方へ|「危険な空き家」への転落は、早めの一手で防げます

なぜ空き家が問題になるのか、どう活かすか、そして誰に相談すべきか。この1ページで整理します。

親御さまが老人ホームに入居して実家に誰も住まなくなった。相続した家に住む予定がない。空き家はこうした身近なきっかけから生まれ、全国で約900万戸と過去最多を更新し続けています。高齢化が進む名古屋圏でも、住宅街の一角で手入れされないまま傷んでいく家は、確実に増えています。

怖いのは、空き家が「ある日突然」危険になるのではなく、静かに、しかし確実に危険へ近づいていくことです。そして、傷みが進んでからでは打てる手が限られます。逆にいえば、早い段階で正しい相手に相談し、方針を決めてしまえば、実家が危険な空き家になる事態はほぼ防げます。

 

このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、空き家がなぜ社会問題になるのかという基本から、活用の考え方、そして「これは専門家に相談すべき」という場面の見極め方まで、実家の空き家化に直面した方に向けて解説します。

1 空き家がどうして社会問題になるのか|損害賠償と税負担。他人事では済まない理由

空き家の危険は「建物の劣化」と「所有者の責任」のかけ算で膨らみます。

人が住まなくなった家は、換気も通水もされず、驚くほどの速さで傷みます。湿気で柱や土台が腐り、外壁や瓦は風雨で少しずつ緩み、台風や地震のたびに落下・飛散の危険が高まり、大雪の重みで倒壊した例もあります。数年の放置で「リフォームでは戻せない状態」まで進んでしまうことも珍しくありません。さらに、庭の草木が生い茂れば害虫や悪臭の発生源となり、人の気配のない家は不審者の侵入や放火、不法投棄の標的にもなります。ご近所にとって、放置空き家は景観の問題では済まない、安全の問題なのです。

所有者にとって重いのは、法律上の責任です。民法717条の工作物責任により、建物の瑕疵(欠陥)が原因で他人に損害を与えた場合、所有者は最終的に無過失でも賠償責任を負うとされています。瓦が落ちて通行人にけがをさせれば、「遠方に住んでいて知らなかった」では免れられません。行政の対応も年々厳しくなっており、空家対策特別措置法にもとづき、危険な空き家は特定空家に、その予備軍は管理不全空家に指定され、勧告を受ければ固定資産税の住宅用地特例が外れて土地の税負担が最大6倍程度に。命令に従わなければ行政代執行で解体され、費用を請求されることもあります。

経済面の損失も見逃せません。空き家には毎年の固定資産税・都市計画税に加え、保険料や草刈り・見回りの費用がかかり、収益ゼロのまま年間数十万円が出ていくご家庭も珍しくありません。しかも、傷んだ家は買い手・借り手からの評価がどんどん下がり、「いざ売ろうとしたら値が付かない」という悪循環に陥ります。空き家の放置は「現状維持」ではなく、資産と安全を同時に目減りさせる選択なのです。

 

そして空き家が生まれる二大ルートが、相続と、親御さまの施設入居です。相続で取得した家は、2024年4月から義務化された相続登記(3年以内・10万円以下の過料)を済ませることが対策の第一歩。施設入居で空き家になった家は、後述する「所有者の判断能力」の問題が絡む前に方針を決めることが肝心です。

2 空き家の活用方法|「住む・貸す・手放す」を、危険化する前に決める

どの道を選ぶかより、「決めずに放置しない」ことが最大の空き家対策です。

空き家にしない方法は、大きく3つに整理できます。第一に、ご自身やご家族が住むこと。人が暮らせば換気も通水も自然に行われ、不具合にもすぐ気づけるため、建物の寿命は目に見えて延びます。手続きの負担も最も軽い方法です。通勤圏なら住み替えやセカンドハウス、週末のリモートワーク拠点としての利用も検討できますが、生活拠点との距離や立地との相性が現実的なハードルになります。「住めるかどうか」を判断する材料として、水回りを中心としたリフォーム費用(200〜400万円程度が目安)の見積もりを早めに取っておくと、次の検討に進みやすくなります。

第二に、賃貸に出すこと。庭付き・駐車場付きの戸建て賃貸はファミリー層に一定の需要があり、家賃収入が得られる一方、貸す前のリフォーム費用、入居後の修繕費、仲介手数料や管理委託料といった支出も伴います。収支は満室前提ではなく、空室期間や将来の修繕を織り込んだ控えめな数字で試算するのが鉄則です。特に注意したいのが、「土地活用」としてのアパート・マンション建築です。数千万円単位の融資を返済しながら、人口減少時代に入居者を確保し続けるのは簡単ではなく、建築会社の収支プランを鵜呑みにせず、空室や家賃下落を織り込んだ厳しめの試算で判断する必要があります。借入を伴う活用は、撤退も簡単ではありません。

第三に、売却などで手放すこと。住む予定も貸す当てもないなら、無理に持ち続けるより健全な選択です。相続した空き家の売却には譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があり、相続開始から3年前後という期限の目安があるため、迷っている間に節税のチャンスが過ぎてしまう点にはご注意ください。「古い家だから売れない」と思い込む前に、一度査定を取ってみること。買い手が付きにくい立地でも、隣地の方への売却や自治体の空き家バンクなど、探せる出口は意外とあります。

 

どの道を選ぶにしても、方針が決まるまでの間の管理は欠かせません。月1回程度の換気・通水・郵便物の整理・外回りの見回りが理想ですが、遠方にお住まいなら、月数千円から依頼できる空き家管理サービスやシルバー人材センターの活用という手もあります。また、住宅は空き家になると火災保険の契約条件から外れたり、住宅用より割高な保険への切り替えが必要になったりすることがあるため、保険の見直しも忘れずに行いましょう。管理と保険は、方針決定までの「つなぎ」を安全に過ごすための必須装備です。

3 司法書士、弁護士等の専門家の支援が必要な場合|名義・認知症・争い。この3つが出たら相談どき

「自分たちだけで進められない場面」には、はっきりした共通点があります。

空き家対策の多くはご家族の判断で進められますが、次の3つの場面では、専門家の支援が必要になります。

第一に、名義・権利関係の整理が必要な場合。亡くなった方の名義のままでは売却も賃貸もできませんから、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成、相続登記が出発点になります。祖父母の代から名義が放置されている、相続人が多く面識のない方もいる、古い書類がそろわない。こうした事情があるほど手続きの難易度は上がり、ご自身で進めるのは現実的でなくなっていきます。登記の専門家である司法書士なら、戸籍の収集から法務局への申請までまとめて代行でき、義務化された相続登記の3年の期限にも計画的に対応できます。

第二に、所有者の判断能力に不安がある場合。実はこれが、施設入居型の空き家で最も深刻な問題です。よくあるのは、こんなご相談です。「母が老人ホームに入って実家が空き家になった。施設の費用がかさむので実家を売って充てたいが、母は認知症が進んで契約の意味が分からない」。認知症などで判断能力を失うと、ご本人は売買契約も賃貸借契約も有効に結べなくなり、ご家族であっても代わりに実家を売ることはできません。実家が「使えないのに手放せない」凍結状態になってしまうのです。この状態で動かすには家庭裁判所で成年後見人を選任する必要がありますが、現行制度は原則としてご本人が亡くなるまで続き、専門職後見人の報酬負担も生じます(2026年6月に制度を見直す改正法が成立しましたが、施行は先で、今申し立てれば現行制度によります)。だからこそ、親御さまがお元気なうちに、「実家を動かせる備え」をしておくことが、最も効果的な空き家対策になるのです。備えの代表が、将来の後見人を自分で選んで任せる内容も決めておく任意後見契約と、実家の管理・売却の権限を信頼できるご家族に託す家族信託です。どちらもご本人に判断能力があるうちにしか結べない契約ですから、「まだ早い」と感じるくらいのタイミングが、実はちょうどよい始めどきです。

第三に、相続人の間で意見が対立している場合。「実家を売りたい弟と残したい姉」「管理費用を負担しない共有者」など、空き家は親族間の火種になりやすい財産です。話し合いがこじれて紛争に発展した局面では、代理人として交渉や調停・訴訟を担える弁護士への相談が適しています。逆にいえば、対立が表面化する前の段階なら、中立の立場で手続きを整える司法書士への相談で十分に間に合います。

 

では司法書士の持ち味はどこにあるのか。それは、紛争を「解決する」のではなく「予防する」視点と、登記という手続きの専門性です。遺産分割協議書ひとつでも、後の登記や売却までスムーズに進む書き方があります。出口の手続きを見通したうえで今やるべきことを逆算する。この手続き目線の法的助言こそ、司法書士に相談する価値だといえます。

まとめ|「ひと味違う相続対策」は、出口まで見通せる専門家と

空き家問題は、早く・正しい相手に相談した人から解決していきます。

空き家は、放置すれば損害賠償や税負担のリスクを膨らませる社会問題ですが、住む・貸す・手放すの方針を早めに決め、名義と権利関係を整えておけば、危険な空き家への転落は防げます。国や自治体も空き家の有効活用を後押ししており、「決めずに置いておく」ことだけが唯一の悪手です。そして、親御さまがお元気なうちの任意後見や家族信託といった備えは、空き家を「生まれる前に防ぐ」最も確実な一手でもあります。

そして、名義の整理・認知症への備え・紛争の芽といった場面では、迷わず専門家を頼ってください。相談のタイミングは「困ってから」ではなく「困りそうだと気づいたとき」。それだけで、選べる打ち手の数がまったく変わります。ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、相続登記や遺産分割協議書の作成といった手続きの専門性に、宅地建物取引士として培った不動産売却・活用の知見を掛け合わせ、紛争予防と出口戦略まで見通した「ひと味違う相続対策・空き家対策」をご提案しています。任意後見や家族信託といった生前の備えのご相談も、女性やご高齢の方、外国籍の方にも丁寧に対応いたします。

 

▶「実家が空き家になりそう」という段階のご相談が、いちばん打ち手が多いタイミングです。

名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)までお気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。法改正や自治体の制度・裁判所の運用は変更される場合がありますので、実際のお手続きにあたっては司法書士などの専門家に最新の取扱いをご確認ください。

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