
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
自宅に住み続けたい。でも生活費も必要。その両方を叶えるために生まれた権利です。
ご主人を亡くされた奥さまが、遺産分割の場面で突きつけられてきた、つらい二択があります。「自宅を相続すれば、預貯金はほとんど受け取れない。預貯金を受け取れば、住み慣れた自宅を手放すことになる」。自宅の価値が遺産の大半を占めるご家庭では、住まいと生活費が天秤にかけられてしまう。この積年の問題を解決するために、約40年ぶりの相続法の大改正で創設され、2020年4月から始まったのが配偶者居住権です。人生100年時代、配偶者を亡くした後の暮らしは20年、30年と続きます。その長い老後の「住まい」と「お金」を両立させることが、この制度の使命です。
自宅の権利を「住む権利」と「所有権」に分け、配偶者は住む権利を取得して自宅に一生住み続けながら、浮いた取り分で預貯金も確保する。制度の考え方はシンプルですが、評価・登記・将来設計と、使いこなしには専門的な判断がいくつも絡みます。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、配偶者居住権の仕組みと計算例、取得と登記の実務、そして使う前に知るべき注意点をご説明します。
「家まるごと」ではなく「住む権利だけ」を取る。だから取り分に余白が生まれます。
配偶者居住権とは、亡くなった方の建物に相続開始のとき住んでいた配偶者が、原則として亡くなるまで一生、無償でその建物に住み続けられる権利です。ポイントは、自宅の所有権そのものを取得するのではない、というところ。自宅の権利を、配偶者が持つ「住む権利(配偶者居住権)」と、お子さまなどが持つ「配偶者居住権という負担の付いた所有権」の二階建てに分けるのです。住む権利だけを取るので、その評価額は所有権まるごとよりも小さくなり、配偶者の相続分に余白が生まれる。この余白で、預貯金を確保できるという仕組みです。
数字で見てみましょう。遺産が自宅2,000万円と預貯金3,000万円の合計5,000万円、相続人は奥さまとお子さま1人で、法定相続分どおり2,500万円ずつ分けるとします。従来の方法で奥さまが自宅の所有権を取得すると、残る取り分は預貯金500万円だけ。老後の生活費としては、心もとない金額です。ここで配偶者居住権を使い、その評価額が1,000万円だったとすると、奥さまは「居住権1,000万円+預貯金1,500万円」、お子さまは「負担付き所有権1,000万円+預貯金1,500万円」という分け方ができます。奥さまは、住み慣れた自宅に一生住み続けながら、1,500万円の生活資金も手にできる。「家か、お金か」の二択が、「家も、お金も」に変わるのです。なお、居住権の評価額は、建物の残存耐用年数や配偶者の平均余命などをもとに計算され、配偶者がお若いほど(長く住む見込みが大きいほど)高く、ご高齢なほど低くなります。評価は分け方の結論を左右しますから、税理士とも連携しながら慎重に算定すべき部分です。
似た名前の制度との区別も、ここで整理しておきます。配偶者短期居住権は、相続が始まった後、遺産分割がまとまるまで(最低でも6か月間)、配偶者が無償で自宅に住み続けられる権利で、特別な手続きなく自動的に発生します。いわば「当面の住まいを守る応急措置」。これに対して配偶者居住権は、遺産分割や遺言によって取得する「一生の住まいを守る本格的な権利」です。当サイトの家族のかたち別の記事や妻と子の相続登記の記事で「中間の道」としてご紹介してきたのは、こちらの本格的な権利のこと。この記事は、その本体の解説です。
自動では手に入りません。「取得する手続き」と「登記」までがワンセットです。
配偶者居住権は、次のいずれかによって取得します。相続人全員の遺産分割協議(または調停・審判)で定める方法、亡くなった方が遺言(遺贈)で与えておく方法、死因贈与契約による方法です。ご夫婦の側から確実に備えたいなら、遺言で「妻に配偶者居住権を遺贈する」と定めておくのが王道です。逆に、何もしていなければ自動的に発生する権利ではないことに注意してください(先ほどの短期居住権とは、ここが違います)。そして、取得したら必ず登記を。配偶者居住権は、建物に登記をして初めて、第三者に対して「私はここに住む権利がある」と主張できます(登記が対抗要件)。建物の所有者となったお子さまには、登記に協力する義務があります。万一、所有者が建物を売却してしまっても、登記があれば新しい買主に対しても住み続ける権利を主張できる。逆に登記がなければ、権利はあっても守り切れません。取得の設計から登記の実行までがワンセット、まさに司法書士の出番の多い制度です。なお、登記されるのは建物だけで、敷地(土地)に配偶者居住権の登記はされません。ただし、建物に住む以上は敷地も当然に使うことになるため、居住権の評価額には敷地を利用する価値も織り込まれます。登記は建物に、価値は土地建物一体で。この二層構造は、固定資産税の負担や将来の売却の場面で効いてくる実務ポイントですので、設計の際にあわせてご説明します。
もうひとつ、取得の場面で知っておきたい現実があります。遺産分割協議で配偶者居住権を設定するには、所有権を取得するお子さまなど、相続人全員の合意が必要です。合意がまとまらない場合、家庭裁判所の審判で配偶者居住権が認められる道もありますが、配偶者の生活維持のために特に必要と認められる場合に限られ、ハードルは低くありません。つまり、話し合いがまとまるか不安のあるご家庭ほど、ご主人が元気なうちに遺言で「妻に配偶者居住権を遺贈する」と定めておく価値が大きいのです。配偶者居住権は、残された側が獲得する権利である以上に、先立つ側が贈っておく安心なのだと、私たちは考えています。
使う前に知っておくべき注意点も、包み隠さずお伝えします。第一に、配偶者居住権は譲渡できません。将来、老人ホームへの入居などで自宅を離れることになっても、居住権を誰かに売ってお金に換えることはできないのです。所有者の承諾を得て建物を第三者に貸して収益を得る道はありますが、基本は「住むための権利」。将来の施設入居の可能性まで見据えて、そもそも居住権が合っているのか、売却して住み替える方がよいのかを、設計段階で比較しておくことが大切です。途中で居住権を放棄して所有者と精算する場合には、税務上の課税関係が生じることもあり、出口は入口ほど自由ではありません。第二に、費用の負担。建物の固定資産税や通常の修繕費といった維持費用は、住んでいる配偶者の負担とされています。無償で住めるとはいえ、維持費まで無料になるわけではありません。第三に、増改築や建て替えには所有者の承諾が必要です。二階建ての権利は、配偶者と所有者の協力関係があってこそ円滑に回る。だからこそ、関係が良好なご家族では絶大な効果を発揮し、関係がこじれているご家族では設計に一層の慎重さが求められます。
では、どんなご家庭に向いているのか。典型は、自宅の価値が遺産の大半を占め、配偶者の生活資金を確保したいご家庭。そして、再婚のご家庭です。たとえば後妻さまと先妻のお子さまが相続人の場合、「自宅は最終的に先妻の子へ引き継がせたい。しかし後妻には一生の住まいを保障したい」という願いを、後妻さまに配偶者居住権、お子さまに所有権という形で、きれいに両立できます。配偶者居住権は配偶者が亡くなると消滅し、お子さまの所有権は自動的に完全なものになりますから、二次相続の登記や協議で揉める余地も小さくなります。この消滅の仕組みは相続税の面でも注目されていますが、税効果の評価は財産構成によって変わりますので、具体的な試算は税理士と連携してご案内します。逆に、向かないご家庭もあります。近い将来に自宅の売却や住み替えが見込まれる場合、賃貸に出して収益化したい場合、建物がかなり古く大規模な修繕や建て替えが避けられない場合は、譲渡できない・増改築に承諾がいるという居住権の性質が足かせになりかねません。「流行っているから」ではなく、わが家の10年後・20年後に合うかどうか。それが採用の判断基準です。
権利の設計、評価の目線、そして登記。三拍子そろってこその配偶者居住権です。
「この家にいくらの価値があるか」が、分け方の土台になります。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。配偶者居住権の設計では、自宅の実勢価格の把握、居住権と負担付き所有権のバランス、将来の住み替えや売却の可能性まで、不動産の目利きが結論を左右します。当事務所なら、査定にもとづく現実的な数字で分け方を設計し、配偶者居住権の登記までを一気通貫でお手伝いできます。遺言で備える場合の文言の設計も、お任せください。
「家に住み続けられるのか不安」。その一言から、一緒に整理を始めましょう。
不動産の相続手続きに関するご相談は無料です。ご主人を亡くされたばかりで、これからの住まいと生活に不安を抱えている奥さま。お母さまの住まいをどう守るか考えているお子さま世代。どちらのお立場のご相談も歓迎します。配偶者居住権を使う場合と、自宅の所有権をそのまま取得する場合、売却して住み替える場合。それぞれの取り分と暮らしがどうなるかを、数字を並べて比較できる形でご説明します。当事務所は女性のご相談者も多くお迎えしていますので、どうぞ安心してお越しください。
権利の設計から登記まで、費用の全体像を先にお示しします。
ご依頼の前に、報酬と実費を分けたお見積りを提示します。配偶者居住権は、遺産分割協議書や遺言の設計、建物の登記と、複数の工程が組み合わさる手続きです。どの範囲をお任せいただく場合でも、全体でいくらかかるのかを最初に明示し、ご納得いただいてから着手します。税理士による評価や試算が必要な場合の費用の目安も、あわせてご案内しますので、安心してご検討いただけます。
お気軽にご相談下さい。
住み慣れた家で暮らし続ける安心は、何にも代えがたい相続財産です。
配偶者居住権は、自宅を「住む権利」と「所有権」に分けることで、配偶者の住まいと生活資金を両立させる制度です。遺産分割や遺言で取得し、建物への登記で守りを固める。譲渡できない、維持費は自己負担といった注意点まで理解したうえで設計すれば、とりわけ自宅が遺産の大半を占めるご家庭や再婚のご家庭で、大きな力を発揮します。制度ができて数年、まだ「知っている人だけが選べる道」にとどまっているのが実情です。だからこそ、遺産分割の話し合いを始める前に、そして遺言を書く前に、この選択肢があることを思い出してください。奥さまの「この家で暮らし続けたい」という願いは、正しく設計すれば、きちんと法律の形にできます。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しい法律手続きを、できる限り簡単に、ストレスなく」という理念のもと、配偶者居住権の設計・登記から相続登記、不動産の売却・活用まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪でお手伝いしています。女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も、お一人おひとりの事情に合わせて丁寧にお受けします。
▶「お母さんがこの先も安心して住めるようにしたい」。その想いを、権利の形にしましょう。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
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