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相続不動産の親族間売買はできる?適正価格とローンの壁を名古屋で解説

相続不動産を親族間で売買するとき|「身内だから安く・簡単に」が、二つの壁にぶつかります

親族間の売買は、自由なようでいて、税務署と銀行という厳しい審査員に見られています。

相続した実家に兄が住み続けたいので、弟の持分を買い取りたい。親名義の家を、同居する子が買い取って老後資金に換えたい——。相続のあとには、こうした親族間売買のご相談が数多く生まれます。売る側も買う側も身内ですから、「価格は安くていいよね」「契約書も簡単でいいよね」と考えたくなるのが人情です。ところが、ここに二つの壁が待っています。

 

ひとつは、税務署の壁。時価より安すぎる売買は、差額が贈与とみなされて、買った側に贈与税がかかるおそれがあります。もうひとつは、銀行の壁。親族間売買には住宅ローンの審査が通りにくいという、知る人ぞ知る現実があるのです。それでも、正しい手順を踏めば、親族間売買は家族の問題を解決する優れた道具になります。このページでは、司法書士であり宅地建物取引士でもある名古屋市中区丸の内の専門家が、適正価格の決め方、使えなくなる税の特例、融資を通すための売買の形、そして他の選択肢との使い分けまでを、実務の目線でご説明します。

1 税務署の壁|「安すぎる売買」はみなし贈与になる

身内価格は、税の世界では通用しません。時価との差額は「贈与」と評価されます。

親族間売買で最初に決めるべきは、価格です。そして、ここが最大の落とし穴でもあります。税法には、著しく低い価格で財産を譲り受けた場合、時価との差額を贈与とみなして贈与税を課すというルールがあります。たとえば時価2,000万円の実家を、兄弟のよしみで500万円で売買したとしましょう。形は売買でも、税務署の目には「1,500万円の贈与を受けた」と映り、買った側に高額の贈与税が課されるおそれがあるのです。せっかく贈与税を避けるために売買の形を選んだのに、価格設定を誤れば元の木阿弥。親族間売買は、他人同士の取引よりも税務署に注目されやすい取引だという前提に立ってください。

では、適正価格はどう決めるのか。唯一の正解となる数字があるわけではありませんが、実務では、複数の不動産業者による査定、周辺の取引事例、路線価や固定資産税評価額からの検証などを組み合わせ、「第三者に売るならいくらか」を軸に説明のつく価格を組み立てます。大切なのは、価格の根拠を書面で残すこと。査定書や算定の経緯が残っていれば、後日の税務調査でも堂々と説明できます。なお、世間では「時価の8割ならセーフ」といった目安話も聞かれますが、法律に明確な線引きはなく、裁判例も事案ごとの判断です。俗説の数字に寄りかかるのではなく、「第三者への売却価格として説明できるか」を基準にする。この姿勢が、一番の安全策です。当事務所は宅地建物取引士として査定の実務を行っていますから、この「根拠づくり」からお手伝いできるのが強みです。

 

もうひとつ、税の特例の話を正直にお伝えします。親族間売買では、他人間なら使える特例が使えなくなる場面があります。代表例が、自宅を売ったときの譲渡所得3,000万円特別控除。この特例は、配偶者や親子など生計を一つにする親族への売却では適用されません。また、買う側の住宅ローン控除も、生計を一にする親族からの購入では対象外となることがあります。「売買にすれば税金はきれいに解決」ではなく、売る側の譲渡所得税、買う側の不動産取得税・登録免許税(売買は相続より税率が高くなります)まで含めた総コストの試算が不可欠です。相続で取得した不動産を売る場合には、取得費加算の特例など有利に働く仕組みもありますから、悪い話ばかりでもありません。ここは税理士との連携ポイント。数字を並べてから、売買か、他の方法かを選ぶのが正しい順番です。

2 銀行の壁と正しい進め方|融資を通す形と、他の選択肢との比較

金融機関が警戒するのは「本当の売買かどうか」。だから、他人間と同じ形を整えます。

次に、銀行の壁です。親族間売買には住宅ローンがつきにくい。これは実務の偽らざる現実です。理由は、金融機関から見ると、親族間売買は贈与や借金の付け替えを装った取引ではないか、資金が本当に不動産の対価として動くのかを見極めにくいから。加えて、身内同士の手作りの契約書では、取引内容の信頼性を判断できないからです。では、どうすれば通るのか。答えは、他人間の売買とまったく同じ形を整えることです。宅地建物取引業者が仲介に入り、適正価格の査定に基づく売買契約書と重要事項説明書を作成し、決済と同時に司法書士が所有権移転登記を行う。この「通常の不動産取引の体裁」がそろって初めて、金融機関は審査の土俵に乗せてくれます。それでも取り扱い自体に慎重な銀行はありますから、親族間売買に理解のある金融機関選びも含めて、経験のある専門家と組むことが近道になります。

進め方の全体像も確認しましょう。第一段階は、権利の整理です。売買の前提として相続登記を完了させ、売主を確定します(相続登記をしないままの売買はできません)。第二段階は、価格の根拠づくりと契約。査定・価格合意・契約書と重要事項説明書の作成です。買主の資金が現金なら融資の壁はありませんが、その場合も価格の根拠と契約書はきちんと整えます。第三段階は、決済と登記。代金の支払いと同時に所有権移転登記を申請し、必要なら抵当権の設定登記も行います。親族間だからこそ、お金の流れを振込で記録に残し、「言った・言わない」の余地を消しておくことが、家族関係を守る作法です。分割払いにしたい場合は、契約書に支払時期と金額を明記し、必要に応じて抵当権や所有権移転の時期の設計で売主を守る形を整えます。「身内だから口約束」が、数年後に一番高くつくのです。

最後に、他の選択肢との使い分けです。同じ「実家を一人のものにする」でも、道はいくつかあります。遺産分割の段階なら、不動産を取得する代わりに他の相続人へお金を払う代償分割が使え、売買より登録免許税などのコストを抑えられることがあります。共有状態の解消なら、持分の売買のほか、共有物分割という枠組みもあります(共有の解消は専用の記事でご説明しています)。親がご健在の段階なら、売買のほかに生前贈与や、住み続けたい親のためのリースバックという道具も比較対象になります。親子間売買には、「相続まで待てば登録免許税は売買より安く済む」という比較の視点がある一方、親の老後資金や介護費用を今つくれる、渡したい相手に確実に渡せるという、待つ選択にはない価値もあります。目的がお金なのか、承継なのか、共有の解消なのか。そこから逆算すると、選ぶべき道具は自然に絞られます。

 

もうひとつ、家族関係への目配りを。相続人の一人が親から不動産を買い取る取引は、価格しだいで、他のきょうだいから「実質的な生前贈与では」と見られ、将来の遺産分割で特別受益の議論を呼ぶことがあります。適正価格の売買であればその心配は小さくなりますが、取引の事実と価格の根拠を、可能なら他のご家族にも共有しておくこと。透明性こそ、身内の取引を火種にしない最良の予防策です。実例をひとつ。相続した実家を兄妹で2分の1ずつ共有し、住んでいる兄が妹の持分を買い取りたいというご相談がありました。当事務所で2社の査定を取り、中間値を基準に価格を合意。宅建業者として売買契約書と重要事項説明書を整え、兄は銀行融資の承認を得て決済、その場で持分移転の登記まで完了しました。妹さんの一言が印象的です。「身内だからこそ、きちんとした形にしてもらえて安心した」。売った妹さんには翌年の譲渡所得の申告のご案内まで添えて、取引は後腐れなく完了。親族間売買の成功の鍵は、身内の気安さではなく、他人間以上の丁寧さなのです。

3 名古屋のごとう司法書士事務所の特徴|司法書士×宅建業の強みが最も生きる場面

査定・契約・登記。親族間売買に必要な機能が、ひとつの窓口にそろっています。

不動産に強い司法書士です|宅地建物取引士として仲介まで対応

適正価格の査定から重要事項説明まで、取引の形を丸ごと整えます。

当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。親族間売買はまさに両方の資格が同時に必要になる場面。査定・契約・登記をひとつの窓口で完結できます。

相続不動産のご相談が無料です|売買以外の道も並べて比較

代償分割・贈与・共有解消。売買ありきでない中立のご提案をします。

ご相談は無料です。ご家族の目的をお聞きしたうえで、親族間売買・代償分割・生前贈与などの選択肢を税負担も含めて比較し(税理士連携)、一番合う道をご提案します。売買と決まれば、金融機関対応まで伴走します。

事前にお見積りを提示します|取引の総コストを最初に

仲介・登記・税金。かかる費用の全体像を先にお示しします。

 

ご依頼の前に、費用のお見積りを提示します。仲介の報酬、登記費用、登録免許税や不動産取得税の概算まで、親族間売買の総コストを最初にご説明しますので、安心してご検討いただけます。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

身内の取引こそ、他人間以上に丁寧に。適正価格と正しい形が、家族と財産を守ります。

相続不動産の親族間売買は、実家の承継や共有の解消に役立つ有効な手段ですが、安すぎる価格は差額がみなし贈与となり、3,000万円控除や住宅ローン控除が使えない場面もあります。住宅ローンの審査が厳しいという銀行の壁は、宅建業者の仲介・適正査定・正式な契約書という「他人間と同じ形」で越えるのが定石。前提となる相続登記、記録に残る資金の流れ、そして代償分割や贈与との比較検討まで含めて、全体を設計してから動くことが成功の条件です。司法書士と宅地建物取引士の両輪を持つ当事務所にとって、親族間売買は最も力を発揮できる場面のひとつ。身内の大切な取引を、きちんとした形に整えるお手伝いをさせてください。

ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、デジタル化にも積極的に取り組みながら、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。相続登記から親族間売買の仲介・契約・決済・登記、税理士や金融機関との連携まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。

▶「弟の持分を買い取りたいけれど、いくらが正解か分からない」。その価格の悩みから、ご一緒に解きほぐします。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。


 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。価格の妥当性や税の特例、融資の可否は個別の事情により異なりますので、実際のお取引にあたっては専門家にご相談ください。

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