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ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
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TCF丸の内ビル6階
営業トークは嘘ではない。でも、言っていないことがある。その両方を知ってから決めましょう。
広い土地をお持ちの方のもとには、ある日必ずと言っていいほど、建築会社の営業がやってきます。「このままでは相続税が大変です。アパートを建てれば税金はぐっと下がり、家賃収入も入ります。30年の一括借り上げで安心です」——。実は、この説明の前半は本当です。賃貸住宅を建てると、土地と建物の相続税評価は確かに下がる仕組みになっています。だからこそ、この提案は強力で、そして危険なのです。仕組みが本物であるがゆえに、空室や賃料減額、分けにくい財産が残る問題といった影の部分が、光に隠れて見えにくくなります。
借金までして建てたアパートが、空室だらけの負の遺産となって子に引き継がれる——そんな相続を、私たちは実際に見てきました。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士・宅地建物取引士が、アパート建築で相続税が下がる仕組みの正確な理解、営業トークが語らない4つの影、そして建てる前に必ず確かめたいチェックリストを、中立の立場でご説明します。
現金が建物に変わると評価が下がり、貸すとさらに下がる。これが節税の正体です。
まず、節税の仕組みを順を追ってご説明します。相続税は、財産の相続税評価額に対してかかります。現金1億円の評価は、そのまま1億円。ところが、1億円で建物を建てると、建物の評価は固定資産税評価額ベースとなり、建築費のおおむね5〜6割程度まで下がるのが通常です。さらにその建物を人に貸すと、借家権の分として評価が3割引かれ、貸家としての評価はいっそう低くなります。土地も同じで、アパートの敷地は貸家建付地として評価が下がり、賃貸事業用の土地には、要件を満たせば小規模宅地等の特例による大きな減額が使える場合もあります。現金のままなら1億円と評価された財産が、賃貸アパートという形に変わることで、合計の評価額が数千万円単位で圧縮される——これが、アパート節税の正体です。粗い数字で実感してみましょう。建築費1億円の建物の固定資産税評価が仮に5,500万円なら、貸家としての評価はその7割の約3,850万円。敷地も貸家建付地として2割前後下がるとすれば、1億円の現金が、評価の上では半分以下の財産に化けるわけです。相続税の試算表の上では、劇的な効果に見えるのは当然といえます。
ここで、よくある誤解をひとつ正しておきます。「借金をすれば相続税が減る」という言い方です。確かに借入金は債務控除としてマイナスの財産になりますが、借りた1億円で1億円の現金を持てば、プラスマイナスゼロで節税効果はありません。効果を生むのは、あくまで借りたお金が評価の下がる資産(貸家)に変わることであって、借金そのものではないのです。この区別が分かると、「とにかく借金をしましょう」という提案の雑さに、ご自身で気づけるようになります。そしてもうひとつの大切な視点。評価が下がるのは、貸家が自由に処分しにくく、収益も不確実な財産だから。つまり、節税の大きさは、そのまま財産としての使いにくさの裏返しでもあります。税金が下がること自体は本当でも、「下がった分だけ得をした」とは限らない。ここが、この対策を冷静に検証する際の土台になります。
「建てた後の30年」を想像できるか。検証すべきは、未来の現実です。
第一の影は、空室リスクです。節税効果は建てた瞬間に生まれますが、アパート経営という事業は建てた日から30年続きます。人口が減っていく地域で、周囲に競合の新築が建ち続ける中、30年後まで入居が続くのか。家賃は下がらないのか。空室が増えれば、家賃収入でローンを返す計画は崩れ、節税額をはるかに超える損失が生じます。新築のうちは満室でも、築10年を過ぎて新築の輝きが消えたとき、同じ家賃で選ばれ続けるのか。名古屋圏でも、駅距離や周辺の供給量によって賃貸需要の体力はまったく違います。立地の需給を、営業資料ではなく第三者の目で確かめることが出発点です。第二の影は、サブリース(一括借り上げ)契約です。「30年家賃保証」という言葉は心強く聞こえますが、契約には、数年ごとに保証賃料を見直す条項や、入居者募集期間の免責条項が入っているのが通常で、賃料の減額を巡るトラブルは後を絶ちません。国も法律を整備し、サブリース業者には契約前のリスク説明が義務づけられたほどです。それほどまでに、トラブルが社会問題化した分野だということ。「保証」の中身を、パンフレットではなく契約書の条文で確かめてください。
第三の影は、相続の現場で起きます。アパートは、現金と違って分けられません。相続人が複数いれば、誰が引き継ぐのか、他の相続人には代わりに何を渡すのか、という遺産分割の難題が生まれ、安易に共有にすれば、修繕も売却も全員の足並み次第という共有の泥沼が待っています。しかもローンが残っていれば、債務の引き継ぎに金融機関との調整も必要です。高齢で組む数十年の借入れは、完済時年齢が100歳を超える計画も珍しくなく、返済の主役は最初から次の世代です。建てる本人だけでなく、引き継ぐ子の人生設計まで巻き込む決断だという自覚が要ります。相続税は減ったが、分けられない財産と借金と空室が残った——これが、失敗したアパート節税の典型的な着地です。第四の影は、課税庁の目です。相続直前の借入れによる露骨な不動産節税について、最高裁は令和4年、通常の評価方法によらず高い評価で課税し直すことを認めた判決を出しています。亡くなる直前に、節税だけを目的とした大型の借入れと購入を行うような設計は、後から否認されるリスクを織り込まなければならない時代です。節税は、やりすぎれば対策ではなく火種になる——この相場観も、どうか忘れずに。
では、提案をどう検証するか。4つのチェックリストを挙げます。①収支計画の前提を疑う——空室率は現実的か、家賃下落と金利上昇は見込まれているか、大規模修繕や原状回復の費用は積まれているか。②出口を考える——30年後、そのアパートは売れるのか、解体費は誰が払うのか、更地に戻す日の費用まで計画にあるか。③家族に聞く——引き継ぐ意思と適性のある子はいるのか。アパート経営を望まない家族に遺すなら、それは対策ではなく負担の相続です。④他の選択肢と比べる——使わない土地なら売却して現金で分けやすくする道、生前贈与や生命保険で納税資金を作る道、既に賃貸経営をしているなら法人化という道もあります(法人化の記事でご説明しています)。そもそも相続税がいくらかかるのかの試算が先です。基礎控除の範囲に収まるご家庭が、営業トークの「大変ですよ」に押されて不要な借金を背負う——これが一番避けたい結末です。節税額の試算は税理士に、立地と収支の検証は利害関係のない不動産のプロに。建てさせたい側の数字だけで決めない——検証の心得は、これに尽きます。実例をひとつご紹介します。郊外に広い畑をお持ちの80代の女性が、建築会社の提案書を手に相談に見えました。試算では相続税が大きく下がる計画でしたが、周辺の空室状況と人口動態を調べると、10年目以降の収支は赤字含み。サブリースの保証賃料にも見直し条項がありました。ご家族との話し合いの結果、土地の一部を売却して納税資金を確保し、残りはお孫さんの住まい用に残す形を選ばれました。「建てない」という結論も、立派な相続対策。光と影を並べてから選ぶことが、何よりの防衛です。付け加えるなら、提案を受けてから答えを急ぐ必要はまったくありません。相続対策は本来、年単位で考えるもの。「今月中の契約で特別条件」といった期限付きの勧誘は、それ自体が冷静な比較をさせないための仕掛けです。大きな借金の決断ほど、ひと晩ではなく、ひと季節かけて。ご家族と専門家を交えた検討の時間こそ、数千万円の借入れに見合う唯一の安全装置です。
建築を売らない事務所だから、中立の検証ができます。
提案書の読み解きから、ご家族の意向の整理まで。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。お手元の建築提案書を一緒に読み解き、ご家族の事情に照らした検証をお手伝いします。
検証のご相談も、費用を最初にお示しします。
ご相談は無料です。追加の調査や専門家連携が必要な場合も、費用の全体像を事前にご説明し、納得のうえで進めていただけます。
評価・需給・分割・登記。多角的に検証できるのが強みです。
土地の評価と市場性は宅建業の目で、遺産分割や登記への影響は司法書士の目で、税額の試算は提携税理士と。建てる場合も建てない場合も、実行まで一貫してお手伝いします。
お気軽にご相談下さい。
評価が下がる仕組みは本物。だからこそ、空室・サブリース・分割・否認の影まで見てから決める。
アパート建築による相続税対策は、現金が貸家と貸家建付地に変わることで評価が圧縮される、本物の仕組みです(借金そのものが節税なのではありません)。しかし、30年続く空室と家賃下落のリスク、サブリース契約の賃料見直し条項、分けられない財産が遺産分割に残す難題、そして行き過ぎた節税への否認リスクという4つの影があります。検証は、収支前提・出口・家族の意思・他の選択肢(売却・贈与・法人化)との比較で。建てさせたい人の数字だけで決めず、中立の専門家の目を入れてください。「建てない」も立派な対策——その見極めを、私たちがお手伝いします。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。土地活用の中立的な検証から、遺言・贈与などの生前対策、相続登記、不動産の査定・売却、税理士との連携まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「アパートの提案を受けているが、本当に大丈夫?」。その提案書、一緒に読み解きませんか。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。評価や税額、契約条件は個別の事情により異なりますので、実際のご判断にあたっては税理士および専門家にご相談ください。
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