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相続した実家の査定の受け方|高すぎる査定の罠も名古屋の宅建士が解説

実家の値段を知るお話|査定は「売る宣言」ではありません

 

分けるにも、納めるにも、話し合うにも。最初に要るのは、値段という事実です。

相続した実家をどうするか——売るのか、誰かが住むのか、代償金で調整するのか。どの道を選ぶにしても、話し合いの土台になるのは「この家は、いくらなのか」という数字です。ところが、「査定を受けたら売らされそうで怖い」「不動産屋に連絡した途端、営業攻勢が始まるのでは」と、最初の一歩をためらう方がとても多い。査定は売却の約束ではなく、無料で受けられる価格の健康診断です。正しい受け方さえ知っていれば、怖がる理由はありません。

一方で、知らずに受けると落とし穴もあります。その代表が、高すぎる査定。相場より明らかに高い金額を提示して媒介契約を取り、売れないまま値下げを促す——業界で昔から問題視されてきた手口です。このページでは、司法書士であり宅地建物取引士でもある名古屋市中区丸の内の事務所が、査定の種類と仕組み、受ける前の準備、査定書で本当に見るべきポイント、そして高すぎる査定の見抜き方までを、売主の側に立ってご説明します。

1 査定の基本|種類・無料の理由・受ける前の準備

 

机上査定は当たりを付ける道具、訪問査定は決断の道具です。

まず、査定とは何か。不動産会社が「この物件なら、おおむねこの価格で売れるでしょう」と見積もる、売却予想価格の提示です。国家資格者が行う有料の不動産鑑定評価とは別物で、裁判や税務で使う証明力はありませんが、市場の実感に近い数字が手軽に得られるのが持ち味です。そして、査定はほぼ例外なく無料です。なぜ無料か——不動産会社にとって査定は、売却の依頼(媒介契約)をいただくための営業活動だからです。この構造を知っておくことが、査定と付き合う第一歩。無料だから遠慮する必要はなく、同時に、査定額には「選ばれたい」という動機が混ざり得ることも、頭の片隅に置いておくのです。査定には二段階あります。机上査定(簡易査定)は、所在地・面積・築年数などのデータと周辺事例から、現地を見ずに算出するもの。精度は粗いものの、電話やメールだけで受けられ、「そもそも売り物になるのか」の当たりを付けるには十分です。訪問査定(現地査定)は、担当者が実際に物件を見て、建物の傷み、日当たり、境界の状況、残置物まで踏まえて算出するもの。精度が高く、売却を具体的に考える段階ではこちらが必須です。インターネットの一括査定サイトやAI査定は手軽ですが、一括査定は複数社からの営業連絡が集中しがちで、疎遠になっていた実家の相続では負担に感じる方も多いところ。連絡を受け止める覚悟と時間がないうちは、信頼できる1〜2社に直接頼むほうが静かに進みます。

査定の中身にも触れておきましょう。実家のような戸建てや土地の査定の柱は、取引事例比較法——近隣で実際に成約した類似物件の価格と比べる方法です。ここで大切な豆知識をひとつ。広告やポータルサイトに出ている価格は売出価格(売主の希望)であって、実際に売れた成約価格ではありません。「近所の家が3,000万円で出ていたから、うちも」という感覚は、しばしば楽観的すぎます。査定書が成約事例に基づいているかは、後でご説明する確認ポイントの筆頭です。受ける前の準備も簡単に。登記簿(登記事項証明書)、固定資産税の課税明細書、あれば権利証や購入時の資料、境界の資料、リフォームの履歴——この程度が揃えば十分で、全部なくても査定は受けられます(登記簿の読み方の記事でご説明した書類たちです)。そして相続ならではの確認をひとつ。名義が亡くなった方のままでも、査定は受けられます。分け方を決めるための査定に、登記の完了は要りません。ただし、実際に売り出すには相続登記が前提になりますから、査定と並行して名義の整理を進めるのが効率的です。もうひとつ、空き家になっている実家の訪問査定では、立ち会いのために鍵と現地までの段取りが要ります。遠方にお住まいの場合は、鍵を預けての査定や、写真・動画を併用した段取りも組めますから、「行けないから査定できない」と諦める必要はありません。

2 査定書の読み方|金額より根拠・高すぎる査定の見抜き方

一番高い査定を選びたくなる気持ちこそ、業者に読まれています。

査定を受けるときの鉄則は、2〜3社から取ることです。1社の数字は「意見」にすぎませんが、複数の数字が重なると「相場の幅」が見えてきます。そして、各社の査定書で見るべきは、金額の高さではなく根拠の質です。確認したいポイントは4つ。第一に、どの成約事例と比較したか。所在地・成約時期・物件条件が示され、あなたの実家との違い(駅距離・面積・築年数)をどう補正したかが説明されているか。第二に、プラス要因とマイナス要因の説明。角地や日当たりという加点、再建築への制約や旧耐震という減点が、具体的に書かれているか(建物の年代が持つ意味は、旧耐震の記事でご説明したとおりです)。第三に、売却戦略。「3か月以内に売るならこの価格、じっくり高値を狙うならこの価格」という時間軸の提案があるか。第四に、担当者が質問に答えられるか。「この査定額で、3か月以内に成約する確率はどのくらいですか」「値下げするとしたら、いつ、いくらずつですか」——この質問への答えの誠実さが、その会社の実力を映します。

 

そのうえで、高すぎる査定の罠をご説明します。各社の査定が2,200万〜2,400万円で並ぶ中、1社だけ2,900万円——うれしくなって、その会社と専任媒介契約を結ぶ。ところが数か月経っても反響がなく、「市場の反応が厳しいので」と値下げを促され、結局2,100万円で成約。これは、専任契約ほしさに相場を無視した高値を提示する、釣り上げ査定と呼ばれる典型的な手口です。専任媒介は1社だけが窓口になる契約ですから、高値の査定で預かってしまえば、後は囲い込んでじっくり値下げを待てばいい——そんな構造的な誘惑があるのです(媒介契約と囲い込みの記事でご説明した論点とつながります)。見抜き方はシンプルで、突出した1社には根拠を問うこと。「他社より500万円高い理由を、成約事例で説明してください」に明快に答えられなければ、その数字は営業トークです。なお、逆の罠もあります。早く確実に仲介手数料を得たい業者が、すぐ売れる安値を「相場です」と示す安すぎる査定です。高くても安くても、見るべきは常に根拠。複数の査定書を並べて、説明の筋が通っている会社を選ぶ——選び方の軸は、最初から最後までこれひとつです。査定額は成約の保証ではない——この一文を、どうか忘れないでください。最後に、相続の場面での査定の使い途を整理します。査定書は、売却の準備だけでなく、遺産分割協議の土台(紙の評価額ではなく時価で話し合う材料)、代償分割の代償金の算定、相続税の納税計画の試算、財産目録の時価欄——と、相続のあらゆる場面で働きます(評価の全体像は評価額の記事を、分け方への使い方は代償分割の記事をご覧ください)。実例をひとつ。お母様の実家を相続した3姉妹のご相談で、長女は「売りたくない」、二女・三女は「売って分けたい」と意見が割れていました。当事務所で訪問査定を含む3社の査定を取り、2,300万円前後という幅を全員で共有したところ、話し合いは「売る・売らない」から「長女が2,300万円を基準に代償金を払えるか」という具体的な算段に変わり、2か月で代償分割の合意に至りました。査定は、売るための道具である前に、話し合いを前に進める道具。数字が出た瞬間、感情の対立は計算の問題に変わるのです。付け加えるなら、査定には鮮度があります。不動産の相場は動きますから、1年前の査定書で今日の話し合いをするのは、古い天気予報で傘を決めるようなもの。協議が長引いたときや、売り出しの直前には、査定の取り直しをためらわないでください。無料なのですから、数字は常に新しいものを使う——それだけで、判断の質は確実に上がります。

3 名古屋のごとう司法書士事務所の特徴|売らない選択も尊重します

媒介がほしくて高値を言う立場ではなく、相続全体を預かる立場から。

個別対応します|査定だけのご相談も歓迎

分け方を決めるための査定、納税試算のための査定。目的に合わせてお出しします。

当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。売却ありきではなく、住む・貸す・代償分割も含めた選択肢の中で数字をご提供します。

明瞭会計です|査定は無料・その先の費用も事前に

売る場合の手取り、登記の費用、税の見込み。全体の数字を最初にお示しします。

査定額だけでなく、諸費用と税を引いた手取り額まで見える化し、納得のうえで判断していただけます。

不動産のプロとして、根拠を示す査定を

成約事例と補正の過程を、査定書でそのままお見せします。

 

宅建業者である当事務所なら、相場の幅と売却戦略を根拠つきでご説明し、他社の査定書のセカンドオピニオンにも対応します。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

査定は無料の健康診断。2〜3社から取り、金額でなく根拠で選ぶ。

査定は売却の約束ではなく、無料で受けられる価格の見積もりです(無料の理由は媒介獲得の営業活動だから)。当たりを付けるなら机上査定、決断の段階では訪問査定を。広告の売出価格と成約価格は別物で、査定書は成約事例との比較・プラスマイナス要因・売却戦略という根拠の質で評価します。突出して高い1社は釣り上げ査定を、すぐ売れる安値だけを示す会社は安すぎる査定を疑い、「差の根拠」を成約事例で問うこと。査定には鮮度があるため、協議が長引いたら取り直しを。名義が故人のままでも査定は受けられますが、売り出しには相続登記が前提です。査定書は、遺産分割の土台、代償金の算定、納税の試算にも働く万能の数字。売る・売らないを決める前の一歩として、どうぞ気軽にお取り寄せください。

ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。目的に合わせた査定のご提供から、相続登記、遺産分割協議、売却の実行まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。

▶「売るかどうか決めていないけれど、値段だけ知りたい」。その段階のご相談こそ歓迎です。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。


 

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。査定の方法や媒介の運用は会社により異なりますので、実際のご依頼にあたっては各社にご確認ください。

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