
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
同じ土地なのに、相続する人によって評価が5分の1になったり、ならなかったり。
「実家の土地は路線価で4,000万円。相続税が心配です」——そんなご相談で、まず確かめるのが小規模宅地等の特例が使えるかどうかです。亡くなった方が住んでいた敷地を一定の親族が相続する場合、330平方メートルまで、相続税の評価額を8割減らせる——4,000万円の土地が800万円の評価になる、相続税の世界で最も効き目の大きい特例です。これが使えるかどうかで、相続税がかかるご家庭とかからないご家庭に分かれることさえ珍しくありません。
ただし、この特例は土地に付くのではなく、人に付きます。配偶者が相続すれば無条件。同居していた子なら住み続けることが条件。別居の子は、持ち家がないことなど厳しい要件を満たしたとき(いわゆる家なき子)だけ。つまり、遺産分割で誰がその土地を取るかという、分け方の設計そのものが節税の設計になるのです。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、特例の仕組みと三つの取得者パターン、老人ホームや二世帯住宅の落とし穴、そして分け方・売り時への影響までを、実例を交えてご説明します(適用の最終判定と申告は、提携税理士と連携して進めます)。
配偶者は無条件、同居の子は住み続けること、別居の子は「家なき子」のみ。
まず、制度の骨格から。小規模宅地等の特例は、亡くなった方が住んでいた宅地(居住用)なら330平方メートルまで評価額を80%減額、賃貸アパートや駐車場など貸付事業に使っていた宅地なら200平方メートルまで50%減額、事業用の宅地なら400平方メートルまで80%減額という、相続税の計算上の大きな割引です。趣旨は、残された家族の住まいや生業の土地にまで重い税をかけて、手放させることのないように、というもの。だからこそ、割引を受けられるのは「その土地を生活の基盤として引き継ぐ人」に限られます。居住用の宅地で見てみましょう。取得者のパターンは三つです。パターン一、配偶者。無条件で適用されます。住み続ける必要も、保有し続ける要件もありません。パターン二、同居していた親族。亡くなった方と同じ家で暮らしていた子などが相続する場合で、相続税の申告期限(亡くなってから10か月)まで、その家に住み続け、かつ所有し続けることが条件です。パターン三が、別居の親族——通称、家なき子です。亡くなった方に配偶者も同居の相続人もいない場合(典型は、一人暮らしの親)に限り、別居の子でも特例を使えるのですが、要件が厳格です。相続開始前3年以内に、自分や配偶者、三親等内の親族などが所有する家に住んだことがないこと(つまり借家住まいであること)、過去に自分が所有した家に住んだ経験で形だけ借家に見せる細工をしていないこと、そして申告期限まで土地を保有し続けること。2018年の改正で、持ち家を子に名義変更して「家なき子」を装う類いの抜け道は、ほぼ塞がれました。 この三パターンを、実家の相続の現実に当てはめると、こうなります。お母様が亡くなり、実家にはお父様が残る——お父様が相続すれば特例は無条件。ただし、次の相続(二次相続)では配偶者はいませんから、そのとき誰が取るかが本番になります(二次相続の記事でご説明した視点です)。一人暮らしの親の実家を、同居していた長男が継ぐ——住み続けるなら8割減。賃貸暮らしの二女が継ぐ——家なき子の要件を満たせば8割減。マイホームを持つ長男が継ぐ——特例は使えず、満額評価。つまり、同じ実家でも、誰が相続するかで評価額が数千万円単位で変わり得る。遺産分割の話し合いに、この視点を最初から織り込んでおくことが、家族全体の手取りを守るのです。なお、この特例はあくまで相続税の計算の話で、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)に収まるご家庭には関係がありません。わが家は対象になりそうか——路線価ベースの概算は、その入口の判断です(評価の調べ方は評価額の記事をご覧ください)。名古屋市内やその近郊の住宅地なら、敷地と預貯金を合わせると基礎控除の線を越えるご家庭は決して珍しくなく、「うちは関係ない」と思い込む前に、一度の概算をお勧めします。
「申告しなければ適用なし」。税額ゼロでも、申告だけは必要です。
実務で問題になりやすい場面を、順にご説明します。第一に、老人ホームに入っていた場合。亡くなったとき実家が空き家でも、要介護認定などを受けて入所していた等の要件を満たせば、実家は「住んでいた宅地」として扱われ、特例の対象になり得ます。ただし、入所後にその家を人に貸したり、事業に使ったりすると対象から外れます。「空いているから貸そう」が特例を壊すことがある——実家の活用を考える前に、必ず確認したいポイントです(老人ホームと相続のお金の話は、入居一時金の記事とつながります)。親の施設入所を機に実家の扱いを考えるご家庭は多いですが、貸す・売る・置いておくの判断は、この特例への影響まで見てから下すのが鉄則です。第二に、二世帯住宅。同じ建物に親世帯と子世帯が住んでいれば、内部で行き来できない完全分離型でも同居として扱われ得ますが、建物を親子で区分所有登記している場合には、同居と認められない扱いになるのが原則です。同じ暮らし方でも、登記の形で結論が変わる——二世帯住宅を建てるとき、登記の設計がどれほど大事かという話です(詳しくは二世帯住宅の記事を)。第三に、申告が要件だということ。特例を使った結果、税額がゼロになる場合でも、相続税の申告をして初めて適用されます。「計算したらゼロだったから申告しなかった」は、特例を使わない満額評価での無申告という、最悪の形になりかねません。第四に、未分割では使えないこと。申告期限までに遺産分割がまとまらない場合、いったん特例なしで申告・納税し、所定の届出をしたうえで3年以内に分割できれば、更正の請求で税金を取り戻す流れになります。取り戻せるとはいえ、一時的な納税資金の負担は重い。押し付け合いや対立で協議が長引くことは、ここでも高くつくのです(話し合いの解き方は、押し付け合いの記事をご覧ください)。 分け方と売り時への影響も、整理しておきます。配偶者以外が特例を使う場合、申告期限まで保有(同居型はさらに居住)の継続が要件ですから、実家をすぐ売る予定なら、特例との両立はできるか——売る時期を申告期限の後にずらすか、特例をあきらめて空き家の3,000万円控除など譲渡側の特例で取り返すか——という比較の問題になります(売却側の特例は売却税金の記事を。どちらが得かは試算が必要で、ここは税理士の出番です)。また、特例が使えるのは土地の評価だけですから、「特例ありき」で実家を欲しくない人に押し付けるのも本末転倒。暮らしの計画が先、税は後からついてくる順番が、結局いちばん損をしません。実例をひとつご紹介します。名古屋市内の一人暮らしのお母様が亡くなり、実家の敷地は路線価評価でおよそ3,800万円。相続人は、持ち家のある長男と、転勤族で社宅暮らしの二女でした。ご相談を受けた当事務所で税理士と連携し、二女が実家を取得すれば家なき子の要件を満たす見込みと確認。預貯金で長男とのバランスを取る遺産分割を設計した結果、敷地の課税評価は8割減の約760万円となり、相続税は基礎控除内に収まりました。二女は申告期限後に実家を売却し、代金は住み替えの資金に。「誰が相続するかで、こんなに変わるんですね」——この驚きこそ、相続の分け方を決める前に、制度の見取り図を知ってほしい理由です。逆に、見取り図を知らないまま協議書に実印を押してしまうと、後から「別の分け方なら税がゼロだった」と気づいても、原則としてやり直しは効きません。分け方を決める順番の中に、税の視点を一枚挟む——それだけで防げる後悔が、確かにあるのです。
特例の見取り図は私たちが、適用判定と申告は提携税理士が。二人三脚で守ります。
誰が取ればどうなるか。選択肢ごとの見取り図を作り、ご家族の答えを探します。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。税額の試算と申告は提携税理士と連携します。
遺産分割協議書・相続登記・税理士費用の全体像を最初にお示しします。
「特例が使えるか」の入口のご相談から、安心して進めていただけます。
申告期限と売却時期の設計、売る場合の査定から実行まで一貫して。
宅建業者である当事務所なら、特例を活かした後の売却・住み替えまでお手伝いできます。
お気軽にご相談下さい。
特例は人に付く。配偶者は無条件・同居は住み続ける・別居は家なき子のみ。
小規模宅地等の特例は、亡くなった方の住まいの敷地330平方メートルまで相続税評価を8割減らせる制度で(貸付用は200平方メートルまで5割減など)、使えるかどうかは誰が相続するかで決まります。配偶者は無条件、同居親族は申告期限(10か月)までの居住と保有の継続、別居の子は配偶者も同居相続人もいない場合の家なき子(3年以内に自分や近親者の持ち家に住んでいない等)に限られます。老人ホーム入所中の死亡でも要件を満たせば対象(ただし入所後に貸すと対象外)、二世帯住宅は区分所有登記だと同居扱いにならないのが原則、税額ゼロでも申告が要件、未分割では使えず納税先行——が四大落とし穴。配偶者以外は保有要件があるため、すぐ売る予定なら譲渡側の特例との比較試算を。暮らしの計画が先、税は後の順番で、分け方の設計から登記、税理士連携まで、私たちにお任せください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。特例を見据えた遺産分割協議書の設計、相続登記、提携税理士と連携した申告の段取り、その後の売却・住み替えまで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「実家の土地、相続税がかかるのかどうかだけでも知りたくて」。その入口のご相談こそ歓迎です。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。特例の適用判定や申告は個別の事情により異なりますので、実際のお手続きにあたっては税理士等の専門家にご確認ください。
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