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日本人の多くが財産として所有すると言われる不動産。投資用物件として資産形成をされていた方も多くお見えです。そのような方が亡くなった場合、貸主としての立場を相続人が承継するわけですが、遺産分割協議をする前にも借主から待ったなしに賃料収入を得る形になります。ではこの賃料はどのように考えればよいのでしょうか?
ここでは、遺産の使用、維持及び管理を含めて解説をしていきます。
遺産の中に貸している不動産がある場合、相続開始後も賃料収入が生まれます。ではこれはいったい誰のものでしょうか?他の遺産と同じように扱ってもよいのでしょうか?
遺産からの賃料収入は、法定相続分に応じて各相続人が確定的に取得するものとされています。つまり、相続人は当然に自分の法定相続分を取得することになります。そうなると遺産分割の対象にならなさそうですが、判例では遺産分割の対象にすることを認めています。
結局、他の遺産と同様に遺産分割協議の対象として問題ないことになります。実務上は、遺産勝協議で他の財産を同じように考えることもよくあります。一般の感覚でも遺産として考える方が多いように思います。
相続開始されると、原則的には法定相続分で遺産を共有している状態が生まれます。遺産分割協議とは、その後、法定相続分とは異なる分け方をすることですが、その効果は相続開始時にさかのぼって発生します。つまり、後日行った遺産分割協議によって相続開始時よりその内容で相続することになるのです。
民法第909条(遺産の分割の効力)
「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。」
そこで、遺産の共有になった場合の使用収益処分等はいったいどのような取り扱いをすべきなのでしょうか。実は、原則として、民法の共有規定を適用します。共有関係においては、保存行為、管理行為、処分行為があります。例えば、不動産は一般的には共有で持つことは避けるべきと言われています。権利関係が複雑となり、意見を調整することが困難になるからです。自分の好きなタイミングで売却等の処分をすることができなくなるだけでなく、問題を可決するために裁判をしなくてはいけなくなる可能性があるのです。持分を誰かが買い取るか、売ってその代金で持分の清算をするかになります。
安易に共有状態を作り、とりあえず保留することは、実はリスクがあるのです。共有者のうちもし誰かに相続が開始したら、さらに共有者が増え持分が分散します。共有者の年齢構成もさまざまとなり、認知症の方や未成年者の方もいるかもしれません。消息不明な方もいることがあります。そうなると、簡単に売却とはいきません。余分な費用や手間をかけて共有関係を解消することになるのです。しかも、それを自分のお子様や配偶者の方に背負わせることになるかもしれないのです。共有者が何十人にもなってしまい、収拾がつかいない土地や建物は全国にあると言われています。もとになる共有関係の形成は、はじまりが「相続」になることが多いのです。そうして塩漬け物件ができるきっかけができてしまいます。めんどくさくて共有者の中で誰も共有関係の解消に向けて動く人がいなくなります。問題解決に向けて、多くの場合は専門家の力を借りることになり、費用もかかります。
共有状態は、不動産を売却する前提でするなど目的をもって行うのであればよいですが、特に考えもなく何となく相続を先送りにするのであれば、十分注意をする必要があります。
以下、共有関係の解説をいたします。
民法第249条(共有物の使用)
「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」
民法第251条(共有物の変更)
「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」
民法第252条(共有物の管理)
「共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」
持分の大きさに関係なく、少しでも持分を持っていれば、共有物を使用することできます。当然に持分の過半数を持っている人だけが使用できるわけではありません。使用方法が決まっていなければ誰でも使用できる状態になります。
保存行為とは、具体的には、共有物の修繕や不法占拠者への明け渡し請求などのことを言います。共有物の現状を維持したり、ほかの共有者への不利益とならないような行為のことです。
管理行為とは、具体的には、賃貸借契約の解除などです。共有物の使用方法を決定する行為もこれにあたります。共有物の性質を変えない行為とされています。
変更行為とは、具体的には、売買契約の締結、建物の大規模修繕、抵当権設定などです。法律的な処分行為を指します。この変更行為は共有者全員の同意が必要なため、少ない持分の人が反対をすると任意で不動産の売却をすることができません。強制的に解決を図る方法は裁判をするしかありません。
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