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相続した空き家の活用方法3選|賃貸・土地活用・民泊を名古屋の司法書士が解説

相続に関する気になるトピックや情報を配信しています。ご興味のある記事がございましたら、ご参考にしてみて下さい。

相続した実家、「持っているだけ」になっていませんか|空き家は活かしてこそ財産です

事業用賃貸・土地活用・民泊。3つの活用方法を、費用の目安と名古屋ならではの事情を交えて解説します。

せっかく不動産を相続したのに、住む予定はなく、貸すあてもなく、気づけばただの空き家になってしまった。そんなお悩みを抱える方が、いま全国で増え続けています。総務省の住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家は約900万戸と過去最多を更新し、実に住宅の7戸に1戸が空き家という時代です。

空き家は、持っているだけで固定資産税や維持管理の費用が出ていく一方、放置すれば老朽化が進み、防犯・防災の面でも近隣の心配の種になります。2023年12月に施行された改正空家対策特別措置法では、倒壊の恐れがある特定空家の前段階である「管理不全空家」も固定資産税の住宅用地特例の解除対象となり、「放置するほど損をする」仕組みが整いつつあります。

しかし見方を変えれば、相続した不動産は活用次第で収益を生み出す資産に変わります。とりわけ名古屋圏は、2026年9月開幕のアジア競技大会をはじめ人の流れが活発で、空き家の活かし方の選択肢が豊富な地域です。

 

このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、相続した空き家の代表的な活用方法である「事業用賃貸」「解体して土地活用」「民泊」の3つを、費用の目安や注意点とあわせて、はじめての方にもわかりやすく解説します。

1 相続した空き家の活用法|放置のリスクと活用を考える3つの視点

「立地」「建物の状態」「かけられる資金と手間」で、選ぶべき道は変わります。

空き家の活用方法を考えるうえで、まず押さえたいのは放置のコストです。空き家には毎年の固定資産税に加え、火災保険料、草刈りや通風などの維持管理費がかかり、何も生み出さないまま年間数十万円が出ていくことも珍しくありません。さらに管理が行き届かず管理不全空家や特定空家に指定されると、住宅用地特例の解除により土地の固定資産税が最大6倍程度まで跳ね上がる恐れもあります。

そのうえで、活用を考える視点は3つです。第一に立地。駅や幹線道路に近いか、商業地か住宅地かで、向いている活用方法はまったく変わります。第二に建物の状態。そのまま貸せるのか、リフォームが必要か、解体したほうが早いのか。建築士やリフォーム会社の建物診断を受けておくと、判断の土台がしっかりします。第三に、ご自身がかけられる資金と手間です。初期投資を抑えて手堅く運用したいのか、投資をしてでも収益性を狙うのか。遠方にお住まいで現地に通えない方なら、管理を任せられる方法かどうかも重要な判断軸になります。この3つの視点で整理すると、選択肢は自然と絞られていきます。

 

以下では、代表的な3つの活用方法を順にご紹介します。なお、どの方法を選ぶにしても、前提として相続登記(名義変更)を済ませておく必要があります。相続登記は2024年4月から義務化されており、名義が亡くなった方のままでは、賃貸借契約も解体も売却も進められません。また、相続人が複数いる場合は、活用方針をめぐって意見が割れる前に、遺産分割協議でだれが不動産を取得するかをきちんと確定させておくことが、後のトラブル予防につながります。

1-1 事業用賃貸にする|店舗・事務所・福祉施設として貸し出す

住宅として貸しにくい物件も、事業用なら借り手が見つかることがあります。

古い一戸建てや使い道に迷う建物でも、店舗・事務所・福祉施設などの事業用として貸し出すと、思わぬ需要が見つかることがあります。近年は古民家を改装したカフェや美容室、放課後等デイサービスやグループホームといった福祉系事業者による一戸建て需要が伸びており、住宅としては借り手が付きにくい物件でも、事業用なら住宅より高めの賃料を期待できるケースがあります。借主が内装工事を行う前提の契約であれば、貸主側の初期投資を抑えられる点も魅力です。

収益のイメージも簡単に確認しておきましょう。仮に月10万円で貸せれば年間120万円の収入となり、固定資産税や保険料を差し引いても手元にしっかり残る計算です。長引く高齢化で介護・福祉系の施設需要は今後も底堅く、駅から離れた住宅街の一戸建てが、住宅としてよりも高く評価されることさえあります。「こんな古い家に借り手なんて」と決めつける前に、事業用の需要を一度調べてみる価値は十分にあります。

 

一方で、注意点もあります。事業用賃貸は借主の事業がうまくいかなければ撤退リスクがあり、退去時の原状回復の範囲をめぐるトラブルも起こりがちです。契約時には、原状回復の範囲や造作買取請求権の扱いを契約書で明確にし、期間を区切りたい場合は定期建物賃貸借(定期借家)契約を活用するなど、法的な備えが欠かせません。また、そもそもその場所で店舗や施設の営業ができるかは都市計画法の用途地域によって決まっているため、事前の確認が必須です。当事務所では、契約書のチェックを含めた法務面のサポートが可能です。

1-2 空き家を解体して土地を活用する|駐車場・トランクルームで手堅く運用

建物の傷みが激しいなら、思い切って更地にして活かす道もあります。

建物の老朽化が激しく、リフォーム費用をかけても借り手が見込めない場合は、解体して土地として活用する方法が現実的です。解体費用の目安は木造で坪あたり4〜5万円程度、延床30坪の家なら120〜150万円前後が一つの相場ですが、道路が狭く重機が入りにくい場所では割高になります。自治体によっては老朽空き家の解体補助金が用意されていることもあるため、事前に確認しましょう。

更地にした後の定番は駐車場です。月極駐車場なら初期投資はほぼ舗装費用のみで管理の手間も少なく、車社会の名古屋圏では住宅街でも一定の需要が見込めます。交通量のある立地ならコインパーキング事業者への一括貸しという方法もあり、機器の設置費用を事業者側が負担してくれる契約なら、手間をかけずに安定収入を得られます。このほか、屋内型・コンテナ型のトランクルームや、近年増えているEV充電スペースやカーシェア用地としての貸し出しなど、小さな土地を手堅く収益化する選択肢は広がっています。

こちらも収支のイメージを見てみましょう。たとえば更地に4台分の月極駐車場を設け、1台あたり月8,000円で貸せた場合、年間収入は約38万円。舗装費用を100万円程度かけたとしても、3年ほどで初期投資を回収できる計算になります。大きく儲かる活用ではありませんが、建物の管理から解放され、将来売却や別の活用に切り替えやすい「身軽さ」こそが土地活用の最大のメリットです。

 

注意したいのは税金です。建物を解体すると住宅用地特例の対象から外れ、土地の固定資産税が上がります。固定資産税は毎年1月1日時点の状況で課税されるため、解体のタイミングは年明け早々に行うなど、次の活用開始までの空白期間をなるべく短くする計画が大切です。

1-3 民泊として活用する|インバウンド需要を取り込む注目の選択肢

訪日客の増加とアジア競技大会。名古屋の宿泊需要を空き家で受け止める方法です。

訪日外国人観光客数が過去最高を更新し続けるなか、空き家を旅行者向けの宿泊施設として活用する民泊が改めて注目されています。名古屋圏では、2026年9月に開幕するアジア競技大会に向けて宿泊需要の高まりが見込まれており、ホテルの供給が追いつかない期間の受け皿として、個人の民泊にも追い風が吹いています。

民泊を始める方法は大きく2つあります。年間180日以内の営業に限られる代わりに都道府県・市への届出で始められる住宅宿泊事業法(民泊新法)方式と、営業日数の制限なく本格的に営業できる代わりにハードルの高い旅館業法の許可方式です。空き家活用としてまず検討しやすいのは届出方式ですが、台所・浴室・便所・洗面設備の4点が必須で、非常用照明や火災報知器などの安全設備、外国語での案内表示等も求められ、改装に100万円以上かかる例も少なくありません。

また、オーナーが同じ建物に住まない「家主不在型」の民泊では、国に登録された住宅宿泊管理業者への運営委託が義務付けられています。委託費用は売上の2〜3割程度が目安ですが、鍵の受け渡しや清掃、近隣からの苦情対応まで任せられるため、遠方の空き家でも運営が成り立ちます。

さらに名古屋市では、上乗せ条例により住居専用地域では月曜正午から金曜正午までの営業が制限されており、実質的に週末営業が中心となります。物件がどの用途地域にあるかで収支計画は大きく変わりますし、分譲マンションの場合は管理規約で民泊が禁止されていないかの確認も必須です。

 

収支の考え方としては、たとえば1泊15,000円で月に8組・16泊の利用があれば月24万円、年間では280万円余りの売上となり、清掃費や管理委託費、仲介サイトの手数料を差し引いても、通常の賃貸を上回る収益が期待できる計算です。もっとも、民泊の稼働は季節や立地に大きく左右されます。アジア競技大会のような大型イベント期間の特需だけを当てにせず、閑散期には通常の賃貸やマンスリー利用に切り替えるなど、複数の出口を持っておくと安心です。運営自体はAirbnbなどの仲介サイトと住宅宿泊管理業者に委託できるため、遠方にお住まいでも運営は可能ですが、届出・契約・近隣対応と法的な確認事項が多い活用方法ですので、始める前の準備を丁寧に行いましょう。

まとめ|活用と売却を比べて、わが家にとっての最適解を

「貸す・活かす・手放す」を並べて比較すれば、答えは見えてきます。

相続した空き家は、放置すれば維持費と税負担だけがかさむマイナスの資産になりかねません。しかし、立地と建物の状態に合わせて、事業用賃貸・解体後の土地活用・民泊といった方法を選べば、収益を生む資産に変えることができます。それぞれ初期費用もリスクも異なりますから、複数の方法について収支シミュレーションを立てて比較することが第一歩です。判断に迷うときは、一つの業者の提案だけで決めず、複数の選択肢を並べて検討できる相談相手を持つことをおすすめします。

同時に、活用にこだわらず売却と比べてみることも大切です。相続した空き家の売却には、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があり、適用には相続開始から3年目の年末までの売却という期限の目安があります。活用か売却か迷われたら、期限のある選択肢から先に検討するのが鉄則です。

ごとう司法書士事務所は、司法書士と宅地建物取引士を兼ねる専門家として、名古屋市中区丸の内を拠点に、相続登記から空き家の活用・売却の比較検討、契約書のチェックまでワンストップでお手伝いしています。女性やご高齢の方、外国籍の方にも、お一人おひとりの事情に合わせたオーダーメイドのご提案を心がけています。

 

▶「うちの実家はどう活かせる?」というご相談だけでもお気軽に。
名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)までお問い合わせください。

 

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。法改正や自治体の条例・補助制度、税制の運用は変更される場合がありますので、実際のお手続きにあたっては司法書士・税理士などの専門家に最新の取扱いをご確認ください。

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