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ごとう相続手続き相談センター
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TCF丸の内ビル6階
非上場の株式には、市場も証券会社もありません。それでも、れっきとした相続財産です。
町工場を営んでいたお父様が亡くなった。会社はどうなるのか、株は誰が引き継ぐのか——。中小企業の株式(自社株)は、上場株のように証券会社の口座で管理されているわけでも、市場で売れるわけでもありません。それでも、会社の支配権そのものを表す、時に自宅より大きな価値を持つ相続財産です。そして、その承継を曖昧にしたまま時間が過ぎると、会社の意思決定が止まり、事業と従業員の生活まで揺らぎかねません。
一方で、経営に関わっていない親族が少数の株だけを相続する場面もあります。配当もない、売る相手もいない、それなのに相続税の計算には入ってくる——「もらって困る財産」の代表格です。経営を継ぐ側と、株だけを受け取る側。立場によって景色のまるで違う自社株相続について、このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、相続直後に起きること、名義変更の手続き、評価の考え方、定款に潜む売渡請求の注意、そして遺言による生前の備えまでを、実務の目線でご説明します。
分け方が決まるまで、株は相続人全員の準共有。会社の議決権が止まる危険があります。
まず、亡くなった直後に何が起きるかです。社長が持っていた株式は、遺言がなければ、遺産分割協議がまとまるまで相続人全員の準共有という状態になります。このとき、株主総会で議決権を行使するには、相続人の中から権利行使者を一人決めて会社に通知する必要があり、その決定は持分の過半数で行います。逆に言えば、相続人の意見が割れて権利行使者を決められないと、大株主の議決権が事実上凍結され、役員の選任も決算の承認もできない「経営の空白」が生まれるのです。オーナー社長が株式の大半を持っていた会社ほど、この空白は致命傷になります。相続人同士の話し合いを急ぐこと、そして次章でご説明する遺言の備えが、何よりの予防薬です。なお、社長の死亡そのものについても、会社側では代表取締役の変更など役員の登記が必要になります。株の承継と会社の登記は、車の両輪として同時に進めるものだと覚えておいてください。
名義変更の手続きは、上場株のように証券会社やほふりを通すのではなく、会社そのものに対して行います。戸籍一式(法定相続情報一覧図が使えます)と遺産分割協議書または遺言を添えて、会社に株主名簿の書き換えを請求する。株券を発行していない会社(現在はこちらが主流です)なら、これで承継の形が整います。古い会社で株券発行会社のままの場合は、株券の所在の確認も必要です。手続き自体はシンプルに見えますが、実務では「そもそも誰が何株持っているのか、株主名簿がきちんと整備されていない」という壁によく突き当たります。設立時の名義株(お金を出していないのに名前だけ借りた株主)や、昔の従業員持株の残骸が混ざっていることもあり、相続を機に株主構成そのものを整理する作業が必要になることも珍しくありません。
もうひとつ、見落とされがちな関連財産があります。社長が会社に貸していたお金、いわゆる役員借入金(会社側から見た借入・社長側から見れば貸付金)です。これは株式とは別の相続財産で、しかも原則として額面で相続税の評価に入ります。会社の資金繰りが苦しく、実際には返してもらえる見込みが薄いお金でも、帳簿上の金額で課税され得る——中小企業の相続で最も驚かれるポイントのひとつです。決算書の借入金の内訳は、株式とセットで必ず確認してください。
逆方向の確認も忘れずに。社長個人が会社の銀行借入れの連帯保証人になっているのが、中小企業の通例です。この保証債務も相続の対象になり得ますから、株式や退職金というプラスの面だけでなく、保証というマイナスの面まで並べてから、相続の方針を決める必要があります(保証債務の相続は専用の記事でご説明しています)。あわせて、会社の規程に基づく死亡退職金や弔慰金は、受取人固有の財産として遺族の生活を支える大切な柱です。会社への連絡の際に、「受け取れるもの・引き継ぐもの・保証しているもの」の3つの一覧をもらう。この一言が、全体像への最短ルートです。
同じ1株でも、経営を継ぐ人と少数株主とでは、評価も出口もまったく違います。
自社株の相続税評価は、専門性の高い世界です。大枠だけつかんでください。経営を支配する立場の株主が取得する場合は、会社の利益や純資産などをもとにした原則的な評価方式で計算され、業績のよい会社ほど株価は高くなります。長年の内部留保が積み上がった会社では、「現金はないのに株の評価だけが数億円」という事態も起こります。一方、経営に関与しない少数株主が取得する場合は、配当をもとにした特例的な評価方式(配当還元方式)となり、評価はぐっと低くなるのが通常です。つまり、誰がその株を相続するかで、同じ株の税務上の顔つきが変わる。分け方の設計と納税の見通しは、必ず法人税・資産税に強い税理士と組んで進めるべき領域です。
定款のチェックも欠かせません。中小企業の株式のほとんどは譲渡制限株式ですが、相続による承継は「譲渡」ではないため、会社の承認なしに相続人へ移ります。ここで効いてくるのが、定款に「相続人等に対する売渡請求」の定めがあるかどうか。この定めがあると、会社は、相続で株を取得した人に対して、株を会社へ売り渡すよう請求できます。分散した株を会社に集める道具として有効な反面、使い方を誤ると、後継者自身が売渡請求を受けて経営権を失いかねないという、よく知られた落とし穴もあります。自社の定款に何が書いてあるか。社長がお元気なうちに、一度確認しておくべき一枚です。また、株だけを相続した少数株主の側から見ると、この売渡請求は「塩漬け株を現金化する出口」になることもあります。配当もなく売る当てもない株を抱え続けるより、会社との買い取り交渉を検討する。その入口として、専門家を挟む価値があります。なお、少数株主として相続した株も、評価が低いとはいえ相続税の計算に入る財産です。「紙切れ同然だから」と財産目録から落としてしまうと、申告漏れの原因になります。小さく見える株ほど、きちんと数える。これも自社株相続の作法です。
そして、生前の備えです。第一に、遺言。後継者に株式を集中させる遺言があれば、準共有の空白は生まれません。遺留分への配慮は、代償金や生命保険、そして事業承継の場面では遺留分に関する民法特例(除外合意など)という専用の道具も用意されています。第二に、生前贈与や段階的な承継。株価の低いタイミングを見て計画的に移す設計は、税理士との連携で大きな効果を生みます。自社株の贈与・相続の納税を猶予する事業承継税制という制度もあります(適用要件と期限の確認は必須です)。第三に、株主構成の整理。名義株の解消や少数株主からの買い集めは、社長ご本人が元気なうちにしかできない交渉です。実例をひとつ。製造業を営む70代の社長のご相談で、株式の9割を長男へ、自宅は奥様へという公正証書遺言を作成し、二男には生命保険と預貯金で遺留分に配慮する設計をお手伝いしました(株価の試算と納税計画は連携税理士が担当)。数年後の相続の際、権利行使者の問題は一度も生じず、取引先への挨拶まで滞りなく進みました。「会社が一日も止まらなかったことが、何よりの供養です」。自社株の相続は、家族の問題であると同時に、従業員と取引先を巻き込む社会の問題。だからこそ、他のどの財産よりも、備えの価値が大きい分野なのです。会社を経営されている方は、ご自身の株主名簿と定款、そして遺言。この3点の点検を、今年の宿題にしてください。
株主名簿・登記・不動産。会社と家族の両方を見渡してお手伝いします。
司法書士が宅地建物取引士資格も保有し、法律・登記・不動産実務に精通しています。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。社屋や工場の底地、社長個人名義の事業用不動産など、自社株と絡み合う不動産の承継まで一体でご提案できます。
代表者の死亡に伴う役員変更の登記は、司法書士の本業です。
ご相談は無料です。社長が亡くなった後の役員変更登記、株主名簿の整理、相続登記、遺産分割協議書の作成まで一貫対応し、株価評価や事業承継税制は信頼できる税理士と、紛争性のある場面は弁護士と連携します。
難しい会社法の言葉を、ご家族の言葉に翻訳します。
準共有、権利行使者、売渡請求。聞きなれない言葉が並ぶ自社株相続を、図を描きながらわかりやすくご説明し、ご家族と会社の間にトラブルの芽が育つ前に、手続きの形で摘み取ります。
お気軽にご相談下さい。
株は準共有で止まり、評価は立場で変わり、定款には仕掛けが眠る。だから備えを。
自社株は市場のない相続財産で、遺言がなければ遺産分割まで相続人全員の準共有となり、権利行使者を決められなければ経営の空白が生まれます。名義変更は会社への株主名簿書き換え請求で行い、名義株の整理や役員借入金(額面評価の恐さ)にも目配りを。評価は経営を継ぐ側なら原則的方式で高く、少数株主なら配当還元で低く、定款の売渡請求は株の集約にも後継者の失権にも働く両刃の剣です。後継者への集中を定める遺言、遺留分への配慮、事業承継税制や株主構成の整理——備えはすべて、社長がお元気なうちの仕事。会社を一日も止めない相続のために、税理士・弁護士と連携する窓口として、私たちをお使いください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、デジタル化にも積極的に取り組みながら、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。役員変更登記や相続登記から、遺言などの生前対策、事業用不動産の承継・売却まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、経営者のご家族、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
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※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。株式の評価や事業承継税制の適用は個別の事情により大きく異なりますので、実際のお手続きにあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
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