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ごとう相続手続き相談センター
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TCF丸の内ビル6階
国をまたぐ相続、つまり被相続人や財産が外国に関係するケースでは、通常の国内相続とはまったく異なる注意点が多く存在します。
たとえば、適用される法律が日本法ではなく外国の法律になることがあるため、まず「どの国の法律に従って手続きを進めるのか」という点から慎重に判断しなければなりません。
さらに、必要となる書類も、戸籍や登記簿、証明書などが現地語で作成されている場合が多く、翻訳や取り寄せに多くの手間と時間を要します。
その上で、書類の形式や証明の方法も日本と異なることが多いため、ひとつの書類不備で手続きが差し戻されてしまうケースも珍しくありません。
また、税務面でも日本と海外の制度が複雑に絡み合います。たとえば、日本に住んでいる相続人が海外の財産を相続した場合、日本の相続税の課税対象になることがあるため、海外での登記や税務手続きに加えて、日本国内でも申告や納税が必要になります。
このように、国境を越える相続には、法律、手続き、言語、そして税務といった、複数の分野にまたがる“見えにくい落とし穴”がいくつも潜んでいるのです。
そのため、こうした相続に直面したときには、早い段階で専門家に相談し、全体の流れや必要な準備を丁寧に把握して進めることが、何より重要になります。
韓国籍の方が日本国内に土地や建物といった不動産を所有していた場合、その不動産を相続するためには、日本と韓国、両国の法制度を適切に理解したうえで手続きを進める必要があります。ここで注意すべきは、「誰が、どのような割合で財産を引き継ぐのか」といった相続の中身(実体関係)を定める法律と、その内容に基づいて実際に登記などの手続きを進めるための法律(手続関係)とは異なるという点です。
まず、相続の実体関係、つまり「誰が相続人となるのか」「それぞれの相続分はどうなるのか」「遺言がある場合にどう扱われるか」といった基本的なルールは、被相続人の本国法に基づいて判断されます。
たとえば、被相続人が韓国籍であれば、日本国内に不動産があったとしても、その相続関係は**韓国の民法(相続法)**に基づいて決定されます。これは、日本の「法の適用に関する通則法」第36条により、相続は被相続人の本国法に従うと定められているからです。
韓国の相続法では、配偶者や子どもが法定相続人とされる点は日本と似ていますが、相続分の割合や遺留分、代襲相続の扱いなどにおいては細かな違いがあります。したがって、日本国内での感覚だけで判断してしまうと、誤った相続分で手続きを進めてしまう可能性があり、後々トラブルになることも考えられます。
一方で、実体関係が韓国法に基づいて整理されたあと、その相続内容を反映させるために必要な名義変更(登記)の手続きは、当該不動産がある国――つまり日本の法律に基づいて進めることになります。
このような手続きに適用されるのが、日本の「不動産登記法」です。日本の登記制度は非常に厳格で、たとえば法務局に提出する書類は原則として日本語で整備され、形式的な要件が満たされていなければ登記申請が受理されないこともあります。
また、韓国籍の被相続人の場合、日本の戸籍制度では把握できないため、韓国の家族関係登録簿や除籍謄本など、韓国特有の公的書類を取得して、相続関係を日本の登記手続きに適した形で証明する必要があります。これらの書類は、翻訳だけでなく、必要に応じて在日韓国領事館や韓国本国での証明、さらに公証などを経るケースもあり、手続きはより煩雑になります。
つまり、相続手続きにおいては、
実体法:韓国の相続法
手続法:日本の不動産登記法 という二重の法体系の中で、正確に処理を進める必要があるということです。
このような複雑な局面においては、両国の法律の特徴を理解し、日本の登記制度に則った実務対応ができる専門家――とくに、登記実務と不動産の法制度に精通した司法書士の関与が極めて重要になります。単に翻訳や書類を整えるだけでなく、相続全体の構造を正しく捉えた上で、適切な書類の取得・作成・提出までを一貫して支援できる体制が求められます。
韓国籍の方が亡くなり、日本国内に不動産(自宅、収益物件、土地など)を所有していた場合、その相続を円滑に進めるには、まず日本の不動産登記制度に基づいた「相続登記」の手続きを行う必要があります。これは、日本の法務局において、被相続人名義だった不動産を、相続人の名義に変更する登記申請のことを指します。
ただし、相続登記自体は日本国内で完結する手続きであるにもかかわらず、被相続人が韓国籍であるという事実が、手続きの複雑さを大きく高める要因になります。なぜなら、日本の登記実務においては、相続関係を公的に証明するための書類が必要とされますが、日本の戸籍制度だけでは韓国籍の方の家族関係を正確に把握することができないからです。
具体的には、相続登記を行うために、韓国政府が発行する家族関係登録簿(基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書、除籍謄本など)を収集し、それらの書類によって「誰が相続人であるか」を証明する必要があります。
これらの書類はすべて韓国語で記載されているため、日本の法務局に提出する際には、正確な日本語訳を添付することが義務付けられています。 翻訳は法律的な意味合いを正しく反映した内容でなければならず、単なる直訳では登記官から受理されないこともあるため、専門家のチェックが望ましいです。
さらに、書類の収集方法も容易ではありません。韓国国内に家族がいれば現地で取得してもらうことが可能ですが、そうでない場合は、在日韓国領事館を通じて請求することになります。韓国国内に家族がいれば現地で取得してもらうことが可能ですが、そうでない場合は、在日韓国領事館を通じて請求することになります。申請には、被相続人の登録基準地(기준등록지)、氏名、生年月日などの情報が必要となり、特に登録基準地の特定ができない場合には、家族関係の全体像が把握できない可能性もあるため、事前の情報整理が重要です。
相続人が複数人いる場合は、「遺産分割協議書」を作成し、全員の署名・押印を得る必要があります。これも日本語で作成し、日本の登記様式に沿って整える必要がありますが、相続人の中に韓国在住者が含まれている場合、印鑑証明書の代わりに韓国の「署名証明書」または「印鑑確認書」などを取得して添付しなければなりません。国をまたいだ書類のやり取りや、署名の真正証明の取得には相応の時間と調整が必要となり、通常の国内相続よりも手続きに数か月単位の猶予が必要となることもあります。
また、韓国法に基づいて法定相続人や相続分が判断されるため、仮に日本で暮らしている方が「配偶者だから全部もらえるだろう」と思っていたとしても、韓国の法律上は子どもと法定相続分が分かれるなど、日本の感覚とは異なる取り扱いがされることがあります。そのため、手続きを進めるにあたっては、韓国法に基づいた相続関係の確認と、それを日本の登記実務に適切に落とし込むための知識と経験が必要になります。
このように、韓国籍の方が所有していた日本の不動産を相続する際には、単に登記申請書を作って提出するだけでは済まず、国際的な書類の収集と翻訳、相続関係の法的確認、日本法に基づいた登記形式の整備など、多くのステップを丁寧に踏んでいく必要があります。
そのため、実務では、国際相続の経験がある司法書士に早い段階から相談し、必要な書類やスケジュール、相続人との連絡方法などを事前に整理しておくことが、手続きを円滑に進める大きな鍵となります。とくに不動産を売却したい場合には、相続登記を済ませなければ売却そのものができませんので、手続きを放置せず、確実に準備を進めることが重要です。
日本に不動産がある場合、その相続に関しては、日本の相続税法が適用される可能性があることをご存知でしょうか?
たとえ被相続人が韓国籍であっても、日本国内に所在する不動産を相続したときには、一定の条件を満たすことで、日本の税務当局(税務署)に対して相続税の申告・納税義務が発生するケースがあります。
相続税が課税されるかどうかは、主に以下の3つの要素で判断されます。
被相続人の国籍・居住状況
相続人の居住状況
相続される財産の所在地
日本の相続税法では、「被相続人または相続人のいずれかが日本国内に住所(居住)を有している」場合には、国外財産を含めて日本の相続税の課税対象となるルールが設けられています(相続税法第1条の3、第1条の4)。
たとえば、韓国籍の被相続人が韓国在住であっても、相続人が日本に居住している場合、日本の相続税が課される可能性があるという点は、あまり知られていません。
さらに、課税対象となるかどうかに加えて、日本の基礎控除額の仕組みや、評価額の算出方法、不動産に関する特例の適用可否など、税務上の判断事項も非常に重要になります。
相続する不動産の評価は、固定資産税評価額や路線価などをもとに算出されますが、その計算方法や減額制度(小規模宅地等の特例など)は、個々の事情によって異なります。韓国法による相続分の確定結果を踏まえたうえで、日本の税制上の最適な対応を選択しなければ、必要以上に高額な税負担をしてしまうリスクもあります。
また、仮に相続税の申告が不要だったとしても、不動産を売却する際には譲渡所得税の問題が発生します。相続登記を終えた後、その不動産を売却して現金化する場合、相続取得時点の評価額と売却額の差額に対して、所得税や住民税が課税されることになるため、相続時点での評価と税務処理の記録が非常に重要になります。
このように、韓国籍の方から日本にある不動産を相続する場合には、登記手続きだけでなく、日本の相続税制度や不動産の税務知識に基づいた対応が不可欠です。
司法書士は登記の専門家であると同時に、相続税に関する基礎的なアドバイスや、税理士との連携による申告体制の構築も行うことができます。
専門家のサポートを得ながら、法務と税務の両面で無理なく、確実に手続きを進めていくことが、トラブルや余分な費用を避ける第一歩となります。
韓国籍の被相続人が日本国内に不動産を所有していた場合、その相続手続きには、日本と韓国それぞれの法律・制度を理解し、正確に対応することが重要です。
誰が相続人となるのか、どのような割合で相続するのかといった「相続の中身」は、韓国の相続法(実体法)に基づいて判断されますが、その結果を日本国内の登記に反映させるには、日本の不動産登記法に従って申請しなければなりません。
このように、国際相続では「実体法と手続法が異なる」という法的構造があるため、手続きが煩雑になることが多く、戸惑われる方も少なくありません。
特に韓国籍の方の場合、日本の戸籍制度では把握できないため、韓国の家族関係登録簿を収集し、それを日本語に翻訳して提出する必要があるなど、通常の相続よりも手間がかかります。
また、相続人が韓国在住である場合は、書類のやり取りや署名の証明などにも特別な配慮が必要であり、登記の専門的知識だけでなく、両国の実務に通じた専門家の支援が非常に重要になります。
さらに忘れてはならないのが、相続税の問題です。
被相続人が韓国籍でも、日本にある不動産を相続する場合、日本の相続税法が適用されることがあり、相続人の住所や過去の居住歴によって、国外財産を含めた課税がなされる可能性があります。
税務の知識が不足していると、必要な申告を怠ってしまったり、逆に不要な税金を支払ってしまうリスクもあるため、法務と税務の両面において、事前の確認と適切な準備が必要です。
このような複雑な手続きをご自身だけで進めるのは、精神的にも時間的にも大きな負担となることが多いです。
当事務所では、司法書士かつ宅地建物取引士としての専門知識と経験をもとに、韓国籍の方の日本不動産相続におけるあらゆる場面を、丁寧に、オーダーメイドでサポートしています。
書類の取得や翻訳、相続人間の調整、登記申請、税理士との連携による相続税申告の準備まで、ワンストップで対応可能です。
ご家族が安心して大切な財産を受け継げるように。
一人ひとりの背景に寄り添いながら、安心・明朗・確実な相続手続きをお手伝いさせていただきます。国際相続に少しでも不安を感じたら、ぜひ早めにご相談ください。
お気軽にご相談下さい。
名古屋のごとう司法書士事務所の司法書士後藤です。
私が、みなさまの相続登記の相談を担当させて頂きます。
私が、司法書士として独立し、ごとう司法書士事務所を立ち上げた頃、決めていたことがあります。
「難しいこと簡単に」してストレスなく法律手続きを依頼者の方に提供したいという理念です。
大学の法学部の時から感じていましたが、やはり法律用語は解釈が難しいです。一般常識の言葉と法律用語の言葉では同じ漢字でも意味合いが少し違うことが往々にしてあります。そういった誤解からトラブルに発展することもよくあります。
どうしたらストレスなく法律的な話を伝えられるか。いつも自問自答しながら試行錯誤を今でも繰り返しています。
常により良いサービスをしたいと思い、私自身が宅地建物取引士の登録をして不動産売買の仲介業務するようになりました。今では、法律や登記が得意な司法書士と不動産実務が得意な宅地建物取引士はとても相性がよいと感じています。間違いなく、不動産に関しては専門性や優位性を持つことができると感じています。
相続のやり方や進め方は、家族や相続人の方によってすべて異なります。みなさまに合ったやり方や進め方で臨機応変にかつスムーズに相続手続きを進めることを心掛けています。
また、司法書士業務のデジタル化にも積極的に取り組んでいます。最新の手法で便利にご利用していただけるように努めています。
相続、特に不動産の相続登記に関してお困りの方はどうぞお気軽に一度ご相談下さい。
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