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【相続登記の壁 ~見えない“壁”が、手続きを難しくしている~】名古屋のごとう司法書士事務所

 

「親が亡くなって、家や土地を相続したけれど、名義変更ってすぐにやらなきゃいけないの?」「まだ使う予定もないし、特に困ってないから、このままでもいいかな…」——こんなふうに感じたことはありませんか?

相続登記という言葉は、ニュースや役所の窓口、あるいは知人との会話の中で耳にすることはあっても、「自分ごと」として真剣に向き合うタイミングは、意外と後回しにされがちです。誰かが亡くなったあとの手続きは、気持ちの整理がつかない中で進めなければならないことが多く、特に相続や不動産の問題となると、心にブレーキがかかってしまうのは自然なことかもしれません。

しかしその一方で、「相続登記をしないままにしておくと、後々とても大変なことになる」と耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。放置されたままの不動産が、将来トラブルの種になるケースは、決して珍しくありません。相続人が増えてしまったり、連絡が取れない親族が出てきたり、いざ売却や活用をしようとしたときに名義が亡くなった人のままで進まない——そういった問題が、年を経るごとに重くのしかかってきます。

令和6年4月からは、相続登記が義務化され、相続から3年以内に登記をしなければならないというルールができました。違反すると過料が科される可能性もあることから、「もう放っておけない」という声も増えてきています。それでも、「わかってはいるけれど、なかなか進まない」「何から始めればいいかわからない」と感じている方が多いのが現実です。

こうした“相続登記が進まない理由”を、私たちは単なる手間や知識不足だけの問題として片づけることはできません。そこには、もっと根深い、“見えない壁”が存在しているのではないか——そう考えたとき、ふと思い出されたのが、解剖学者・養老孟司氏の著書『バカの壁』でした。人は、自分の理解の枠の外にあることに無意識のうちにフタをしてしまい、そこに“壁”を作ってしまう。相続登記においても、私たちが無自覚に抱える「心の壁」「知識の壁」「制度の壁」が、手続きを難しくしているのではないでしょうか。

今回の記事では、司法書士兼宅地建物取引士の視点から、「相続登記の壁」がなぜ生まれるのか、その正体と向き合いながら、どうすればその壁を乗り越えられるのかについて、やさしくひもといていきます。

1.相続登記に立ちはだかる“心の壁”

 

人が亡くなった直後というのは、現実感が薄れ、日常の感覚がゆらぐ時期です。大切な家族を失った悲しみの中で、「これから何をすべきか」「どこに相談すればいいのか」といった具体的な手続きを考える余裕が持てないのは、ごく自然な反応です。相続登記という手続きも、そのような感情の波の中で、どうしても後回しになりがちです。

特に日本では、「死」や「相続」といった話題を日常的に避ける傾向があります。「縁起でもない」「まだ元気なのに、そんな話をするなんて」といった文化的な感覚が根強く残っており、生前のうちから相続について話し合うことが難しいご家庭も少なくありません。そのため、いざ相続が発生しても、家族が亡くなったという現実と、それに伴う手続きに気持ちが追いつかないまま、時間だけが過ぎてしまうのです。

また、相続の話を進めるということは、亡くなった方の「財産」をどう分けるかという極めて現実的な問題に直面することでもあります。そこには「誰がいくらもらうか」「どの財産を誰が引き継ぐのか」といった、家族の間での利害や立場の違いが浮かび上がってきます。実際には仲の良い家族であっても、お金や不動産が絡むと、微妙な感情が生じるものです。

たとえば、「長男が同居して介護をしていたから、その家は長男に…」「妹は遠方に住んでいて何も手伝ってくれなかったのに、同じ取り分なんて納得できない」といったような、日頃の思いや不満が相続の場面で噴き出すこともあります。そういった話し合いを避けたいという気持ちから、「今はまだそんな話をする時期じゃない」「うちの家族は揉めるようなことはない」と、心のどこかでフタをしてしまうケースも多く見られます。

さらに、「名義変更」と聞くと、どこか役所的で煩雑なイメージが先行し、「手続きが難しそう」「面倒なことに関わりたくない」と感じてしまう方もいます。誰に相談していいかわからない、何から手をつければいいのかすらわからない——そのような漠然とした不安が、相続登記に対する心理的なハードルをさらに高くしています。

このように、相続登記が進まない背景には、「時間がない」「よくわからない」という表面的な理由だけでなく、もっと深い感情の層にある“心の壁”が関係しています。その壁は、相続にまつわる人間関係、感情、文化的な背景などが複雑に絡み合ってできているものであり、ただ「やらなきゃダメですよ」と促すだけでは乗り越えられないものです。

だからこそ、私たち専門家の立場からは、まずその“心の壁”に寄り添い、「なぜ手が止まってしまうのか」「何に不安を感じているのか」といった、依頼者ご本人の気持ちに向き合うことが大切だと考えています。無理に急がせたり、責めたりすることなく、一緒に手続きを整理し、少しずつ進めていく——それが、相続登記を成功へと導く最初の一歩になるのです。

2.知識と情報の“理解の壁”

 

相続登記が進まない理由のひとつに、「知識の不足」や「誤った思い込み」があります。けれど、これは単に「勉強不足」だからという話ではありません。相続登記に関する情報は専門的で、かつ一般にはなじみが薄く、いざ自分が当事者になって初めて直面するものです。つまり、「知らなくて当然」であるにもかかわらず、制度はその「当然知らない人」にも容赦なく責任を課してきます。ここに、知識の“理解の壁”が立ちはだかるのです。

たとえば、「亡くなった親の土地や家は、自動的に子どもに移るもの」と思い込んでいる方は少なくありません。確かに、民法上は相続が発生した時点で、相続人に所有権が移るというルールがあります。しかし、その所有権を「第三者にも主張できる形」にするためには、法務局での登記手続きが必要なのです。これは、いわば“世の中に証明するための作業”であり、これを怠ると、不動産の処分や活用ができなくなってしまいます。

実際、相続登記をしないまま放置された土地や家屋が増加し、社会問題になっています。そうした「所有者不明土地」は、売ることも貸すこともできず、固定資産税だけが課され続けます。さらに、草木が伸び放題になって近隣トラブルを招いたり、災害時の復旧作業に支障をきたしたりと、地域社会にまで悪影響を及ぼすこともあります。

そして、令和6年4月からは相続登記が義務化されました。これは法律上の大きな転換点です。相続により不動産を取得した人は、取得を知った日から3年以内に登記を申請する義務を負い、正当な理由なく怠った場合には、10万円以下の過料が科される可能性もあります。

しかし、この義務化の情報が、すべての人に行き届いているとは言えません。制度改正の情報は、法務省のホームページやニュース報道、自治体からの案内などで発信されていますが、それらの情報を「理解できる形」で受け取っている人は限られています。たとえ耳にしたとしても、「うちは関係ない」「あとでいいや」と流してしまいがちです。

また、相続登記には登記申請だけでなく、その前提として「誰が相続人なのか」「どのように財産を分けるのか」を決める作業が必要です。たとえば、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集して、相続人全員を確定する必要があります。これが非常に手間がかかり、古い戸籍や除籍謄本が読みづらかったり、取り寄せに時間がかかったりと、途中で心が折れてしまう方も少なくありません。

さらに、相続人同士で遺産分割の話し合いが必要になると、法的な知識だけではなく、感情の調整も求められます。相続税の申告期限(10ヶ月)とも関連してくるため、登記だけでなく、税務や資産全体の知識もある程度必要になります。つまり、「相続登記だけをポンとやればいい」という話ではなく、複数の知識が絡み合う複雑な構造になっているのです。

このような状態の中で、「よくわからないから、まだ動かなくていいかな」と思ってしまうのは、無理もないことです。ただ、その“よくわからない”状態こそが、大きなリスクに繋がる可能性があるのだとしたら——やはり、少しずつでも理解の壁を越えていく努力が必要になります。

司法書士は、こうした制度の複雑さや情報の断片化によって、一般の方が立ち止まってしまうポイントを熟知しています。だからこそ、「知識がないからできない」と思う必要はありません。「知らなかったこと」に気づき、「相談する」という行動をとることが、理解の壁を越えるための第一歩になります。

3.制度と社会の“仕組みの壁”

 

相続登記が進まない背景には、手続きを取り巻く制度自体の構造的な複雑さがあります。この“仕組みの壁”は、個人の意識や知識の問題とは異なり、そもそも「制度がそうなっているから難しい」という、ある意味でどうしようもないハードルです。多くの方が「やらなければいけないのは分かっているけれど、どうにも進まない」と感じるのは、この壁が非常に高く厚いからに他なりません。

まず、相続登記に必要な準備は非常に多岐にわたります。例えば、法務局に登記を申請するためには、「亡くなった方が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍」をすべて揃える必要があります。これには本籍地ごとに役所へ請求を行う必要があり、特に戦前の古い戸籍(いわゆる“手書きの旧字体”のもの)が登場するような場合には、読み解くのも一苦労です。さらに、転籍や改製があった場合、複数の市区町村にまたがる戸籍を集める必要があり、1つ間違えると「書類が不足しています」と法務局から差し戻されてしまうこともあります。

次に、相続人全員を確定したうえで「誰が、どの財産を、どの割合で相続するのか」を話し合い、遺産分割協議書を作成しなければなりません。相続人が配偶者と子1人だけといったシンプルなケースであれば、比較的話は進めやすいのですが、兄弟姉妹、甥姪、再婚・前婚の子どもなどが関係する複雑なケースでは、連絡を取ること自体が困難になる場合もあります。

また、相続人が高齢で判断能力に不安がある場合、成年後見制度の利用が必要になることもあります。逆に、相続人に未成年者がいる場合には、家庭裁判所で「特別代理人選任」の手続きを行わなければ、遺産分割協議が成立しません。このように、登記の前段階で制度的なハードルがいくつも設けられており、「よし、登記をしよう」と思っても、すぐには着手できないのが現実です。

さらに問題なのは、不動産が複数にわたるケースです。たとえば、親の名義で都心にマンション、郊外に土地、実家には古い一戸建てというように複数の不動産がある場合、それぞれの不動産について個別に調査を行い、評価額を算出し、誰がどれを相続するのかを決めなければなりません。しかも、不動産の評価額は「固定資産税評価額」「相続税評価額」「実勢価格」など複数の基準が存在し、どれを参考にするかでも相続人間の話し合いが難航することがあります。

近年では、親の代が取得した土地が遠方にあり、誰も使う予定がないというケースも増えています。たとえば、祖父母が所有していた地方の農地や山林が相続財産として残っているが、相続人は都市部に住んでいて管理もできず、活用も考えていない——それでも相続手続きは避けられません。使う予定もなく、買い手もつかない土地を相続するために、多大な労力と費用をかけて登記を行うというのは、多くの人にとって「割に合わない」と感じることでしょう。これは、今の制度が「不動産を持つことを前提とした時代」に設計されており、現代のライフスタイルにそぐわない一面を持っているためです。

制度の壁はこれだけにとどまりません。相続登記が完了しても、次に控えるのが相続税の申告や納税の問題です。相続税がかかるかどうかの判断には、基礎控除や配偶者控除、小規模宅地等の特例など、専門的な税務知識が必要になります。「登記さえ済ませれば終わり」と思っていたら、「税務署への申告が必要だった」と後から気づくケースも珍しくありません。

そして、こうした一連の制度のどこにも、「ワンストップで全部対応してくれる窓口」は存在しません。登記は法務局、税金は税務署、戸籍は市役所、不動産の評価は不動産会社…と、関係先がバラバラであるため、自分で手続きをすべて取り仕切るのは、相当な労力が必要です。この煩雑さと断片化こそが、「仕組みの壁」の最大の特徴だと言えるでしょう。

しかし、これらの複雑な制度を「専門家に任せることで越えられる壁」に変えることもできます。司法書士は、不動産登記の専門家であると同時に、相続の法的手続きを全体的に把握し、必要に応じて税理士や不動産業者と連携を取りながら、相続全体の流れを整理していくことができます。依頼者の状況に応じた“オーダーメイドの手続き設計”によって、制度の壁を一つずつ取り払うサポートが可能です。

まとめ:壁を知り、壁を越えることから始まる

 

相続登記がなかなか進まない理由は、「面倒だから」「忙しいから」といった一言では説明できません。今回お話ししてきたように、そこには大きく分けて3つの“壁”が存在しており、それぞれが私たちの行動を止める要因となっています。

ひとつ目は、“心の壁”。人が亡くなるという出来事そのものが大きな心理的負担であり、その直後に冷静に手続きを進めるというのは、決して簡単なことではありません。大切な人を失った悲しみの中で、「財産をどう分けるか」や「登記の名義を変えるか」といった話題に向き合うのは、避けたくなるのが自然な人間の感情です。しかし、その気持ちの整理を待っている間に、相続人の高齢化や人間関係の変化が起き、手続きがますます難しくなるという現実もあります。

ふたつ目は、“理解の壁”。相続登記の制度そのものが一般の人にとって非常にわかりにくく、専門用語や書類の多さに戸惑うのは当然のことです。特に、令和6年4月から相続登記が義務化されたことで、「今までやらなくても問題なかった」という認識が通用しなくなっています。それでもなお、正確な情報が行き届かず、「何を、いつまでに、どうやって進めるべきか」が見えにくいままであることが、登記の一歩を踏み出す障壁となっています。

そして三つ目が、“仕組みの壁”。これは制度そのものが複雑で、手続きを進めるためには複数の窓口や専門知識が必要になるという、日本の法律と社会の構造的な問題です。戸籍を集め、遺産分割協議を行い、登記を申請し、必要であれば相続税の申告まで行うというプロセスは、慣れていない方にとってはまるで“迷路”のようです。この仕組みそのものが、多くの人の足を止めてしまう要因となっています。

しかし、これらの“壁”は、どれも越えることができないものではありません。むしろ、その存在に気づき、正しく理解することができれば、「なぜ自分が手続きを進められずにいたのか」がはっきりと見えてきます。そしてそのときこそが、相続登記という課題に向き合う第一歩となるのです。

司法書士は、こうした“見えない壁”に日々向き合っている相続の専門家です。私たちはただ登記の申請書を作成するだけではなく、お一人おひとりの状況に応じて、心の整理から、制度の理解、具体的な手続きの道筋までを丁寧にご案内します。「不安な気持ちに寄り添いながら、制度のハードルをひとつずつ超えていく」——それが、司法書士としての本当の役割だと考えています。

相続登記の壁は、最初は大きく見えるかもしれません。けれども、その壁は気づいた瞬間から少しずつ崩れていきます。ひとりで抱え込まず、誰かに話してみること、相談してみること。それだけでも、景色が変わるはずです。

「そのうち…」と思っていた相続登記を、「今」少しだけ前に進めてみませんか?
その一歩が、あなたとご家族の未来を守る確かな基盤になります。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

名古屋のごとう司法書士事務所の司法書士後藤です。

私が、みなさまの相続登記の相談を担当させて頂きます。

 

私が、司法書士として独立し、ごとう司法書士事務所を立ち上げた頃、決めていたことがあります。

「難しいこと簡単に」してストレスなく法律手続きを依頼者の方に提供したいという理念です。


大学の法学部の時から感じていましたが、やはり法律用語は解釈が難しいです。一般常識の言葉と法律用語の言葉では同じ漢字でも意味合いが少し違うことが往々にしてあります。そういった誤解からトラブルに発展することもよくあります。

どうしたらストレスなく法律的な話を伝えられるか。いつも自問自答しながら試行錯誤を今でも繰り返しています。

常により良いサービスをしたいと思い、私自身が宅地建物取引士の登録をして不動産売買の仲介業務するようになりました。今では、法律や登記が得意な司法書士と不動産実務が得意な宅地建物取引士はとても相性がよいと感じています。間違いなく、不動産に関しては専門性や優位性を持つことができると感じています。

相続のやり方や進め方は、家族や相続人の方によってすべて異なります。みなさまに合ったやり方や進め方で臨機応変にかつスムーズに相続手続きを進めることを心掛けています。

また、司法書士業務のデジタル化にも積極的に取り組んでいます。最新の手法で便利にご利用していただけるように努めています。

相続、特に不動産の相続登記に関してお困りの方はどうぞお気軽に一度ご相談下さい。
相続に果敢に挑戦している司法書士がお困りの皆さまをお待ちしております。
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