
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
相続に関する気になるトピックや情報を配信しています。ご興味のある記事がございましたら、ご参考にしてみて下さい。
相続放棄後の管理義務から相続財産清算人まで、放棄の「その後」をやさしく解説します。
相続は、必ずしもプラスの財産を受け継げるものとは限りません。借金が多い、遠方の古い実家を持て余してしまう、といった理由から相続放棄を選ぶ方は年々増えており、全国の家庭裁判所での相続放棄の受理件数は年間28万件を超えて過去最多の水準が続いています。
では、相続人全員が相続放棄をしたら、残された不動産や預貯金はどうなるのでしょうか。「放棄したのだから、もう自分には関係ない」と思われがちですが、実はそうとは言い切れません。ご自宅などを占有したまま放棄した方には法律上の保存義務が残りますし、放置された空き家は所有者不明土地・空き家問題として社会問題にもなっています。
こうした「相続人がいない財産」の行き先を整理するために用意されているのが、家庭裁判所が選任する「相続財産清算人(せいさんにん)」の制度です。2023年4月の民法改正で、従来の「相続財産管理人」から名称と仕組みが新しくなりました。
このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、相続放棄した後の財産の行き先と管理責任、そして相続財産清算人の選任が必要になる具体的なケースを、はじめての方にもわかりやすく解説します。
全員が放棄した財産の行き先と、放棄した人に残る責任を順番に見ていきましょう。
家庭裁判所が選ぶ「清算の専門家」が、債権者への支払いから国への引き継ぎまでを担います。
相続人全員が相続放棄をすると、その相続は「相続人のあることが明らかでない」状態、いわゆる相続人不存在となります。もともと相続人がいない、おひとりさまの相続でも同じです。この場合でも、残された財産が自動的に国のものになるわけではなく、債権者への支払いなどの清算手続きを経て、最終的に残った財産がはじめて国庫に帰属します。この一連の清算手続きを担うのが、家庭裁判所が選任する相続財産清算人です。実務上は、地域の弁護士や司法書士が選ばれるのが一般的です。
かつてこの役割は「相続財産管理人」と呼ばれていましたが、2023年4月1日施行の民法改正により、清算を目的とするものは「相続財産清算人」に改められました。単なる名称変更ではなく手続きも合理化され、改正前は3回に分けて行っていた公告が同時並行でできるようになり、権利関係の確定までに1年以上かかっていた期間が最短6か月程度まで短縮されています。
清算の流れも確認しておきましょう。清算人が選任されると、家庭裁判所は相続人を捜す公告と、債権者・受遺者に名乗り出てもらう公告を行います。期間内に相続人が現れなければ相続人不存在が確定し、清算人は遺産を売却するなどして債権者や受遺者への支払いを行います。その後、特別縁故者への財産分与を経て、それでも残った財産が国庫に帰属します。なお、不動産が他の方との共有だった場合、その持分は国ではなく他の共有者のものになるという特則もあります。
選任の申立てができるのは、債権者や相続放棄をした方などの利害関係人、または検察官です。申立先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で、名古屋市にお住まいだった方であれば名古屋家庭裁判所になります。注意したいのは費用です。清算人の報酬や手続き費用に充てるため、申立人は予納金として数十万円から100万円程度を裁判所に納める必要があるケースが多く、財産の内容によって金額は大きく変わります。「放棄したのに、なぜ費用を払ってまで」と感じられるかもしれませんが、次にご紹介するように、清算人を選任しなければ困った状態が続いてしまう場面があるのです。
「選任したほうがよい場合」は、大きく4つのパターンに分けられます。
相続財産清算人は、相続人のいない財産に関わるすべての方のための制度です。ここでは、実際に選任の申立てが必要になる代表的な4つのケースをご紹介します。
ご実家に住みながら放棄した方は、引き渡すまで財産を守る義務があります。
「相続放棄をすれば、実家の管理も一切しなくてよい」と思われがちですが、これは正確ではありません。2023年4月施行の改正民法940条により、相続放棄をした時にその財産を現に占有していた方は、次の相続人または相続財産清算人に引き渡すまで、自己の財産と同じ注意をもってその財産を保存する義務を負うと明確化されました。
たとえば、亡くなったお父さまの家に同居していた方が相続放棄をした場合、その家を占有している以上、放置して屋根が崩れ隣家に被害が出れば、損害賠償責任を問われる恐れがあります。逆に、遠方に住んでいて一度も関わっていない不動産についてまで義務を負わされることは、改正によりなくなりました。ここは改正前と大きく変わった点で、古い情報にはご注意ください。
占有している方がこの保存義務から解放される方法は、後順位の相続人に引き継ぐか、相続人全員が放棄している場合には相続財産清算人の選任を申し立てて財産を引き渡すことです。費用はかかりますが、いつまでも続く管理の負担とリスクを断ち切る、確実な出口といえます。
貸したお金を回収したい債権者にとっても、清算人は必要な存在です。
亡くなった方に借金があり、相続人全員が相続放棄をした場合、債権者はだれにも請求できなくなります。しかし、遺産そのものが消えるわけではありません。債権者は利害関係人として相続財産清算人の選任を申し立て、清算人が遺産を売却するなどして換価し、法律の定める手続きに沿って配当を受けることができます。
そもそも相続放棄は、ご自身が相続人になったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければならない、期限のある手続きです。借金の状況がわからないまま期限が迫っている場合は、期間伸長の申立てなどの対応もありますので、迷ったらすぐ専門家にご相談ください。
典型的なのは住宅ローンが残った不動産です。担保権(抵当権)を持つ金融機関は、競売を進めるうえでも相手方が必要になるため、清算人の選任を申し立てることがあります。放棄をした側から見れば、「債権者への対応はすべて清算人が窓口になる」ということでもあり、督促の連絡に悩まされている方にとって状況を整理するきっかけになります。なお、相続放棄が受理されていれば、放棄した方がご自身の財布から故人の借金を支払う義務はありませんので、債権者から求められても安易に支払わないようご注意ください。
法律上の相続人でなくても、財産を受け取れる道があります。
籍を入れていない内縁の配偶者や、長年献身的に介護をしてきた方は、法律上の相続人には当たらないため、そのままでは遺産を受け取れません。こうした方を救済するのが「特別縁故者への財産分与」の制度です。
特別縁故者として財産の分与を受けるには、まず相続財産清算人の選任を申し立て、清算手続きの中で相続人がいないことが確定した後、3か月以内に家庭裁判所へ財産分与の申立てを行う必要があります。分与が認められるかどうか、どの程度の財産が分与されるかは、生前の関わりの深さや療養看護の実績などをもとに裁判所が個別に判断します。申立てから分与までは公告期間を含めて1年近くかかることも珍しくなく、その間の空き家の維持費や固定資産税をだれが負担するのかといった実務上の悩みも生じます。近年増えているおひとりさま相続では、この制度が「お世話になったあの人に財産を渡す」最後の手段になることもありますが、手続きは長丁場です。確実に財産を遺したいなら、生前に遺言書を作成しておくのが何よりの近道です。
所有者がいないまま朽ちていく空き家も、清算人の選任で売却や処分が可能になります。
総務省の住宅・土地統計調査では、全国の空き家は約900万戸と過去最多を更新し、名古屋市内でも相続をきっかけに空き家となる建物が増え続けています。相続人全員が放棄した空き家は、だれも手を付けられないまま老朽化し、近隣に危険を及ぼしかねません。2023年12月に改正空家対策特別措置法が施行され、倒壊の恐れがある特定空家だけでなく、その予備軍である管理不全空家も固定資産税の住宅用地特例の解除対象となるなど、放置空き家への行政の目は年々厳しくなっています。
相続財産清算人が選任されれば、清算人が家庭裁判所の許可を得て空き家を売却し、代金を清算に充てることができます。買い手が付かない土地の解体費用の負担など課題が残るケースもありますが、所有者不在で凍結していた不動産を動かせる、実質的に唯一の手段です。
なお、「実家を手放したいだけ」であれば、相続放棄までせずに、いったん相続したうえで売却する、あるいは2023年4月に始まった相続土地国庫帰属制度で土地を国に引き取ってもらうという選択肢もあります。相続放棄は他の財産もすべて手放す片道切符の手続きですから、どの方法が最適かは財産全体を見て判断することが大切です。当事務所は宅地建物取引士を兼ねる司法書士として、相続不動産の売却査定も含めた比較検討をお手伝いできます。
保存義務・清算人・生前対策。3つのキーワードで放棄後の不安を解消しましょう。
相続放棄をしても、財産を現に占有している方には、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでの保存義務が残ります。そして、相続人のいなくなった財産は、家庭裁判所が選任する相続財産清算人による清算を経て、最終的に国庫へ帰属します。清算人の選任は、占有を続ける放棄者、債権者、特別縁故者、空き家に悩む地域、それぞれにとっての解決策である一方、予納金などの費用負担も伴うため、申し立てるべきかどうかはケースごとの見極めが欠かせません。
また、ご自身の将来を考えると、相続人がいない方や財産を渡したい相手が決まっている方は、遺言書の作成や生前の財産整理をしておくことで、遺された方が清算人の手続きに悩む事態を防げます。ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、相続放棄の手続きから相続財産清算人の選任申立て、遺言作成などの生前対策、相続不動産の売却まで、お一人おひとりの事情に合わせてオーダーメイドでお手伝いしています。女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も歓迎です。
▶「放棄した実家をどうすればいい?」というご相談だけでも構いません。
名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)までお気軽にお問い合わせください。
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号 TCF丸の内ビル6階
名古屋市地下鉄桜通線又は名城線「久屋大通駅」:桜通線側の1番出口から徒歩5分
名古屋市地下鉄桜通線又は鶴舞線「丸の内駅」 :桜通線側の4番出口から徒歩6分
9:00~19:00
土・日・祝(ただし、事前予約により相談可能)
※フォームからのお問合せは24時間受付しております。