
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
不動産は協議で分けられます。でも、借金は協議だけでは分けられない。ここが専門家の目で見る急所です。
「父のアパートを兄が相続することに決めました。ローンも兄が払うと協議書に書いたので、安心です」。残念ながら、安心はまだ早いのです。じつは、亡くなった方の借金は、遺産分割協議とは無関係に、法律上、相続人全員に法定相続分の割合で自動的に引き継がれます。「兄が全部払う」という協議書は、相続人の間では有効でも、銀行に対しては主張できません。兄の支払いが滞れば、銀行は弟や妹にも、法定相続分の限度で返済を求めることができるのです。
住宅ローンの多くは団体信用生命保険(団信)で完済されますが、団信のないアパートローンや事業融資、健康上の理由で団信に入れなかった住宅ローン、連帯保証付きの借入れは、この「借金の相続」の問題に正面からぶつかります。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、ローンが残る不動産を相続したときの法律関係、家を継ぐ人に借金をまとめる「免責的債務引受」の実務、抵当権の登記、そして払えない場合の選択肢までをご説明します。
プラスの財産は話し合いで自由に。マイナスの財産は法律で自動的に。
まず、大原則から。預金や不動産といったプラスの財産は、遺産分割協議で「誰が何を取得するか」を自由に決められます。ところが、借金などのマイナスの財産は違います。金銭債務は、相続の開始と同時に、各相続人へ法定相続分に応じて当然に分割承継されるというのが、判例の確立したルールです。たとえば、3,000万円のアパートローンを残してお父さまが亡くなり、相続人が長男・二男・長女の3人なら、銀行から見れば、それぞれが1,000万円ずつの債務者になります。協議書に「アパートとローンは長男が承継する」と書いても、それは相続人の内部の取り決めにすぎず、銀行の同意がない限り、二男と長女は自分の分の支払い義務から解放されません。
最初にやるべきことは、状況の正確な把握です。第一に、団信の確認。住宅ローンの多くは団信付きで、死亡により保険金でローンが完済されます。この場合、借金の問題は消え、完済後の抵当権抹消登記が残るだけです(詳しくは抵当権抹消の記事をご覧ください)。団信の請求には期限や必要書類がありますから、ローンのある方が亡くなったら、まず借入先の銀行へ連絡することが出発点です。第二に、団信がない借入れの残高と契約内容の確認。金銭消費貸借契約書、返済予定表、登記簿の乙区(抵当権・根抵当権)を確かめます。アパートローンや事業資金には団信が付いていないことが多く、ここが本記事の主戦場です。第三に、財産全体との比較。プラスの財産よりも借金が明らかに大きいなら、そもそも引き継がず、3か月以内の相続放棄や限定承認を検討する場面です(借金相続の選択肢は、別の記事で詳しくご紹介しています)。引き継ぐ価値がある、収益や自宅として残したい。そう判断できたときに、次の「債務引受」へ進みます。
もうひとつ、見落とされやすいのが保証の相続です。亡くなった方が誰かの連帯保証人になっていた場合、その保証債務も相続の対象になります。借入れの契約書だけでなく、保証の有無も含めて債務の全体像を調べることが、放棄の3か月以内という時間軸では特に重要です。また、ご夫婦のペアローンや連帯債務で自宅を買っていた場合は、亡くなった方の持分と債務だけが相続の対象になり、残された配偶者自身の債務はそのまま残ります。団信がどちらの債務までカバーしているかで結論が大きく変わるため、契約内容の確認が第一歩です。
なお、放置がいちばん危険です。返済が止まれば、銀行は期限の利益を失わせて一括請求に進み、抵当権の実行(競売)もあり得ます。相続人全員に督促が飛び、関係のこじれた親族全員を巻き込む事態に。ローン付き不動産の相続は、スピード勝負と心得てください。
「家を継ぐ人に、借金も一本化する」。それを銀行に認めてもらう手続きです。
家を継ぐ人に借金をまとめる法的な仕組みが、免責的債務引受です。たとえば長男がアパートとローンを引き継ぐ場合、長男が全債務を引き受け、二男と長女は債務から解放される(免責される)という契約を、銀行を交えて結びます。これが成立して初めて、「長男が全部払う」が銀行との関係でも本当になります。よく似た言葉に併存的債務引受がありますが、こちらは引受人が加わるだけで、元の相続人も債務者のまま。ご家族の「借金から抜けたい」というニーズに応えるのは、免責的のほうです。
実務の流れは、こうなります。①銀行へ相続発生の連絡と相談。②遺産分割協議で不動産の取得者を決定(協議書にローンの承継も明記)。③銀行による引受人の審査。ここがヤマ場で、銀行は引受人の収入・年齢・信用情報などを見て、「この人一人に貸し続けてよいか」を判断します。収益物件なら賃料収入も審査材料です。④審査が通れば、免責的債務引受契約を締結。⑤登記手続き。不動産の相続登記(取得者への名義変更)に加え、抵当権の債務者を亡くなった方から引受人へ変更する登記を行います。根抵当権付きの物件では、6か月以内に指定債務者の合意の登記をしないと元本が確定するという特有の期限もあり、事業や賃貸経営を続けるご家庭では特に注意が必要です(根抵当権の記事もご覧ください)。
実例のイメージも挙げましょう。評価4,000万円・ローン残2,500万円のアパートを、長男が引き継ぐケース。賃料収入は月25万円で、返済は月12万円。物件の収支が健全で、長男自身にも安定収入があったため、銀行の審査は無事に通り、免責的債務引受の契約と、相続登記・抵当権の債務者変更登記まで約3か月で完了しました。二男と長女は債務から外れる代わりに、預金を多めに取得する形で全体のバランスを取り、協議書にその趣旨を明記。「アパートを継ぐ人が借金も継ぐ。その分、他のきょうだいは現金で」という設計は、収益物件の相続でもっとも納得を得やすい定石です。
審査が通らない、あるいは引き継ぐ意思がない場合の道も、率直に。第一に、売却です。不動産を売り、その代金でローンを完済して、残ればプラスの遺産として分ける。ローンより高く売れる(アンダーローンの)物件なら、もっとも紛れのない解決です。第二に、売却額がローンに届かない(オーバーローンの)場合は、銀行の同意を得て売る任意売却という手段があります。第三に、相続開始から3か月以内であれば、相続放棄という根本の選択肢に立ち返ることもできます。大切なのは、「引き受ける・売る・手放す」の三択を、財産全体の数字と家族の意向を並べて、期限内に選ぶこと。当事務所では、不動産の査定と債務の整理を同じテーブルに載せて、この三択の判断材料をお作りしています。
最後に、生前対策の視点も。ローン付き不動産をお持ちの方が元気なうちにできる備えは、4つあります。団信の加入状況と保障範囲をいま確認しておくこと。遺言で「不動産の取得者とローンの承継者」を一致させて指定し、家族の話し合いの土台を作っておくこと。生命保険で返済原資を準備し、受取人を承継予定者にしておくこと。そして、後継者が決まっているなら、生前に銀行へ相談して承継の道筋を聞いておくこと。相続が始まってからの選択肢は三択ですが、生前なら選択肢はもっと多いのです。
登記・銀行・不動産。三つの窓口を、ひとつにまとめます。
司法書士が宅地建物取引士でもあるから、賃料と返済のバランスまで見通せます。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。アパートローンの残る収益物件は、賃料収入・返済・修繕・売却価格を並べた「経営としての判断」が必要です。相続登記や債務者変更の登記にとどまらず、引き継ぐか売るかの見極めから、法律と不動産の両面でお手伝いします。
銀行との話し合いは、準備した人が有利です。
ご相談は無料です。残高と物件の状況を伺えば、免責的債務引受の見込み、審査で見られるポイント、協議書に書くべき条項を整理してお伝えできます。銀行への相続連絡の前に一度ご相談いただくと、その後の交渉がぐっとスムーズになります。
相続登記+債務者変更登記。セットの費用を見える化します。
ご依頼の前に、司法書士報酬と実費を分けたお見積りを提示します。相続登記、抵当権の債務者変更登記、根抵当権の指定債務者の登記など、必要な登記一式の総額と段取りを最初にお示しし、納得いただいてから進めます。
お気軽にご相談下さい。
家と借金は、同じ紙の表と裏。両面をそろえて手当てして、初めてローン付き不動産の相続は完成します。
団信のないローンが残る不動産の相続では、借金は協議と無関係に法定相続分で全員に分割承継されます。「家を継ぐ人が払う」を本当にするには、銀行の同意を得た免責的債務引受と、抵当権の債務者変更登記まで進めること。根抵当権なら6か月の期限にも注意が必要です。引き受けるか、売って完済するか、3か月以内に放棄するか。三択の判断は、残高・物件価値・家族の意向を一枚の表に並べれば、必ず見えてきます。そして、元気なうちなら、団信の確認、遺言、生命保険、銀行への事前相談と、打てる手はさらに広がります。ローン付き不動産の相続は、放置だけが最悪の選択。早めに数字をそろえて、ご家族に合った出口を選びましょう。その作戦会議から、私たちがご一緒します。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、デジタル化にも積極的に取り組みながら、ご家族ごとの相続の形に合わせたお手伝いをしています。相続登記や債務引受にともなう登記から、収益物件の承継・売却、遺言・家族信託などの生前対策まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「ローンの残った実家、どうすれば」。数字の整理から、ご一緒します。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。債務引受の可否や条件は金融機関の審査によります。実際のお手続きにあたっては、お借入先の金融機関や司法書士などの専門家にご確認ください。
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号 TCF丸の内ビル6階
名古屋市地下鉄桜通線又は名城線「久屋大通駅」:桜通線側の1番出口から徒歩5分
名古屋市地下鉄桜通線又は鶴舞線「丸の内駅」 :桜通線側の4番出口から徒歩6分
9:00~19:00
土・日・祝(ただし、事前予約により相談可能)
※フォームからのお問合せは24時間受付しております。