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老人ホームの入居一時金は相続でどうなる?返還金の受取人と手続きを解説

施設で亡くなった後の手続きの基本|「入居一時金の返還金」を忘れていませんか

数百万円の返還金が眠っていることも。施設との精算は、相続手続きの立派な一部です。

有料老人ホームに入居していた親御さんが亡くなったとき、ご家族が向き合う手続きは、お葬式と相続だけではありません。施設との契約の終了——居室の明け渡し、遺品の引き取り、利用料の精算、そして見落とされがちな「入居一時金の返還金」の受け取りです。入居時に数百万円から数千万円の一時金を支払っていた場合、亡くなった時期によっては、その未償却分がまとまった金額で返還されます。これは立派な相続財産。ところが、「返還があること自体を知らなかった」「誰が受け取るのかで親族がもめた」というご相談が、実務では珍しくないのです。

 

このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、入居一時金の償却の仕組みと返還金の計算、契約書の「受取人指定」が持つ意味、入居後90日以内の特別ルール、退去と精算の段取り、そして相続税の扱いまでをご説明します。ご本人の入居前の備えとしても、亡くなった後のご家族の手続きとしても、知っておいて損のない話です。

他とは違う名古屋市のごとう司法書士事務所の大きな特色

1 入居一時金と返還金の仕組み|償却・90日ルール・受取人指定

「何年住んだら、いくら戻るか」は、契約書にすべて書いてあります。

まず、仕組みから。有料老人ホームの入居一時金は、将来の家賃などを前払いする性格のお金で、時間の経過とともに「償却」されていきます。多くの施設では、入居した時点で一定割合(たとえば2〜3割)を初期償却し、残りを想定居住期間(たとえば5年・60か月)で月割りに償却する方式が採られています。入居者が想定期間より早く亡くなって退去となった場合、まだ償却されていない部分が返還金としてご遺族側に戻る——これが基本の仕組みです。イメージとして、一時金600万円・初期償却30%・残り420万円を60か月で償却する契約なら、入居2年(24か月)で亡くなった場合の返還金は、420万円のうち未償却の36か月分、つまり252万円。決して小さな金額ではありません。何年住んだらいくら戻るかは施設ごとに違いますから、契約書と重要事項説明書の償却条項が、すべての出発点になります。なお、近年は入居一時金0円で月額利用料だけを払う「月払い方式」の施設も増えています。この方式なら償却も返還もありませんから、精算は未払利用料と預り金の清算だけ。親御さんの施設がどちらの方式だったかを確かめることが、最初の分かれ道です。また、施設には一時金の保全措置(万一の倒産時に一定額まで返還を確保する仕組み)が義務づけられていますので、重要事項説明書の保全措置欄もあわせて確認しておくと安心です。

知っておきたい特別ルールが、いわゆる90日ルールです。老人福祉法にもとづき、入居から90日以内に契約が終了した場合(死亡による終了を含みます)は、利用した日数分の実費などを除いて、一時金が全額返還されることになっています。入居して間もなく亡くなられたケースでは、このルールで大きな金額が戻る可能性がありますから、「入ったばかりだったから仕方ない」とあきらめず、まず施設に確認してください。

 

そして、いちばん専門的な論点が、「返還金を誰が受け取るか」です。原則から言えば、返還金は亡くなった方の財産(施設に対する返還請求権)ですから、相続財産として相続人全員のもの。遺産分割の対象になります。ところが、多くの施設の契約書には「返還金の受取人」を入居時に指定する欄があり、この指定がある場合には、指定された方が施設から直接受け取れる扱いになることがあります。契約の仕方によっては、受取人固有の財産として遺産分割の外で受け取れると判断された裁判例もある一方、実質は相続財産として扱うべき場面もあり、特別受益や遺留分との関係で争いになった例もあります。要するに、「契約書の定め方次第で結論が変わる、専門家泣かせの論点」なのです。ご家族は自己判断で受け取って使ってしまわず、契約書を持って専門家に確認する。入居前のご本人は、受取人欄に誰を書くかの意味を理解して指定する。この2つを覚えておいてください。

2 死亡退去の手続きと相続での扱い|精算・遺品・税金・生前の備え

施設との精算は「期限のある相続手続き」。退去日から逆算して動きます。

入居者が亡くなった後の流れを整理しましょう。①施設へ連絡し、契約終了と退去の段取りを確認します。契約上、死亡から2週間〜1か月程度で居室を明け渡す定めが一般的で、その間の月額利用料は日割りで精算されます。②遺品の引き取りと居室の原状回復。身元引受人が窓口になりますが、遺品は相続財産でもあるので、相続人と身元引受人が別の方の場合は、勝手に処分せず連携して進めます(遺品整理の注意点は、遺品整理の記事もご覧ください)。③精算書の確認。未払利用料・医療費・原状回復費が差し引かれ、預り金や前払金の残額、そして入居一時金の未償却分が返還されます。④返還金の受け取り。受取人指定があればその方が、なければ相続人全員の相続手続き(遺産分割協議書や全員の同意書)を経て受け取ります。施設所定の書類に戸籍や印鑑証明書が必要になることが多く、法定相続情報一覧図がここでも活躍します。

実例のイメージも挙げましょう。お母さまを施設で看取った3人きょうだいのケース。施設から「返還金約250万円は、契約書で指定された二男様にお支払いします」と案内があり、長男が「遺産なのに、なぜ弟が一人で受け取るのか」と疑問を持ちました。契約書を確認すると、入居時にお母さまが二男を受取人に指定していたことが判明。そのうえで、きょうだいで話し合い、「受け取りの窓口は二男、金額は遺産全体の分け方の中で調整する」という整理に落ち着きました。受け取る手続きと、最終的に誰の取り分にするかは、分けて考えられる。この整理を知っているだけで、感情のもつれはずいぶん防げます。

相続税の扱いも押さえておきましょう。死亡退去で戻る返還金は、相続財産として相続税の課税対象になります(受取人指定があって固有の財産として受け取る場合でも、税務上はみなし相続財産等として課税対象に取り込まれる扱いが一般的です)。一方、すでに償却済みの部分は戻らないお金ですから、財産にはなりません。また、老人ホームに入居していた方の自宅が空き家になっていた場合、一定の要件を満たせば、自宅売却時の空き家特例(3,000万円控除)の対象になり得る「老人ホーム入居の例外」があります(詳しくは空き家特例の記事をご覧ください)。施設の精算と実家の出口は、相続の場面でセットになる論点です。税額の具体的な計算は、提携税理士と連携してご案内します。

 

最後に、生前の備えを3つ。第一に、契約書の保管場所と償却条件、受取人指定の内容を、エンディングノートに書いてご家族と共有しておくこと。第二に、受取人指定の欄を「なんとなく長男」にせず、遺言や他の財産の分け方と整合させて決めること。指定と遺言がちぐはぐだと、かえって争いの種になります。第三に、入居資金のために自宅の売却を考えている方は、売却・入居・空き家化のタイミングを税制とあわせて設計すること。入居一時金は、人生最後の大きな買い物のひとつです。契約の入口から出口(返還)までを見通しておくことが、ご本人にもご家族にも、いちばんの安心になります。

3 名古屋のごとう司法書士事務所の大きな特色|施設との精算も相続手続きの中で

返還金・預金・不動産。財産のすべてを一枚の目録にして進めます。

相続不動産に強い|入居で空き家になった実家の出口まで

司法書士が宅地建物取引士としても活動しているから、施設と実家を同時に見渡せます。

当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。施設で亡くなった方の相続では、返還金の精算と並んで、空き家になった実家をどうするかが必ずテーマになります。相続登記から空き家特例を見据えた売却まで、施設との精算と実家の出口を同じ工程表で進められるのが強みです。

相続登記や売却相談が無料です|施設の契約書を持ってきてください

償却条項と受取人欄を、その場で一緒に読み解きます。

ご相談は無料です。入居契約書と重要事項説明書をお持ちいただければ、返還金の見込み、受取人指定の意味、必要な相続手続きを、その場で整理してお伝えします。入居前の方の「受取人欄はどう書けばいい?」というご相談も歓迎です。遺言や他の財産との整合まで含めてご提案します。

相続登記や売却費用をお見積りしています|遺産承継とセットで明朗に

施設の精算・預金・登記。まとめてお任せの場合の総額も最初に。

 

ご依頼の前に、司法書士報酬と実費を分けたお見積りを提示します。施設との精算のサポートを、預貯金の解約や相続登記と一括の遺産承継業務としてお任せいただく場合の総額も明示し、納得いただいてから進めます。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

施設との契約の終わりまできちんと見届けて、はじめて相続手続きは完成します。

老人ホームの入居一時金は、初期償却と月割償却の仕組みで減っていき、亡くなった時期によっては未償却分がまとまった返還金として戻ります。入居90日以内なら全額返還のルールも。返還金は原則として相続財産ですが、契約書の受取人指定によって結論が変わり得る、争いの芽を含んだお金でもあります。死亡退去の精算は期限のある手続きですから、契約書の確認から退去・精算・受け取りまで、相続手続きの工程表に最初から組み込んで進めましょう。受け取りの窓口と最終的な取り分は分けて考えられる——この整理も、家族の平和を守る知恵です。そして入居前の方は、受取人欄の一行に、遺言と同じ重みがあることを。施設での暮らしの始まりから終わりまで、安心して見通せるように。契約書一冊から、私たちがお手伝いします。

ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、デジタル化にも積極的に取り組みながら、ご家族ごとの相続の形に合わせたお手伝いをしています。施設入居にまつわる相続手続きから、相続登記、空き家になった実家の売却・活用、遺言・家族信託などの生前対策まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。

 

▶「施設から精算の書類が届いたけれど、どうすれば」。契約書ごとお持ちください。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。償却条件や返還金の取扱いは施設・契約により異なりますので、実際のお手続きにあたっては入居契約書の確認と、司法書士・税理士などの専門家へのご相談をおすすめします。

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