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遺留分とは?最低限もらえる割合と侵害額請求・時効1年を名古屋で解説

相続登記の前に知っておきたい権利|「全財産を〇〇に」という遺言でも、あなたの取り分は残ります

遺言は万能ではありません。相続人に法律が保障した最低限の取り分、それが遺留分です。

「父の遺言に『全財産を長男に相続させる』と書かれていました。次男の私は、何ももらえないのでしょうか」。遺言書が見つかった後のご相談で、たびたびいただく質問です。見た目にはシンプルな遺言でも、その効力の判断には法的な知識が欠かせません。そして答えは、「いいえ、ゼロにはなりません」。兄弟姉妹を除く相続人には、遺言でも奪えない最低限の取り分、遺留分(いりゅうぶん)が法律で保障されているからです。

 

遺留分は、もらう側にとっては「最後の砦」であり、遺言を書く側にとっては「配慮を欠くと争いの火種になるライン」です。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、遺留分を持つ人と割合の計算、2019年の法改正で金銭請求に変わった遺留分侵害額請求の実務、1年という短い時効、そして遺留分でもめないための遺言の設計までを、両方の立場からご説明します。

他とは一味違う名古屋市のごとう司法書士事務所の特色

1 遺留分とは|誰に・どれだけあるのか、計算例つきで

配偶者・子・親にはある。兄弟姉妹にはない。まずここから始まります。

遺留分とは、一定の相続人に法律が保障する、遺産の最低限の取り分です。ポイントは、遺留分を持つのが配偶者・子(子が先に亡くなっていればその子)・直系尊属(親・祖父母)に限られること。兄弟姉妹には遺留分がありません。ですから、お子さんのいないご夫婦で「全財産を妻に」という遺言を残せば、ごきょうだいから取り分を主張されることはなく、遺言がそのまま実現します。これは、おひとりさまや子のないご夫婦の遺言が強力な武器になる理由でもあります。

よくある誤解も、先に解いておきましょう。遺留分は「遺言や多額の生前贈与によって取り分が侵害された場合」に登場する権利です。遺言がなく、相続人全員で遺産分割協議をする場面では、遺留分ではなく法定相続分を目安に話し合うことになります。また、遺留分は「請求できる権利」であって、義務ではありません。事情に納得していれば請求しない選択も自由ですし、相続放棄とも別の制度です。「権利はある。使うかどうかは自分で決められる」。この整理が出発点になります。

割合は、遺産全体に対する遺留分の総枠が原則2分の1(相続人が親など直系尊属だけの場合は3分の1)。これを各自の法定相続分で分け合います。計算例で見てみましょう。遺産6,000万円、相続人が妻と子2人で、「全財産を愛人に遺贈する」という遺言があった極端なケース。遺留分の総枠は6,000万円×2分の1=3,000万円。妻の遺留分は3,000万円×2分の1=1,500万円、子はそれぞれ3,000万円×4分の1=750万円ずつとなります。つまり、どんな遺言があっても、この家族には合計3,000万円分の権利が残るのです。

 

計算の土台となる財産にも注意が必要です。遺留分の基礎財産は、亡くなったときの財産に、一定の生前贈与を加え、債務を差し引いて計算します。相続人への贈与(特別受益にあたるもの)は原則として死亡前10年以内のもの、相続人以外への贈与は原則1年以内のものが加算対象です。「生前に長男へ自宅の頭金を出していた」「亡くなる直前に多額の贈与があった」といった事情は、遺留分の計算を大きく動かします。なお、受取人が指定された生命保険金は、原則としてこの基礎財産に入りません。ここが、後でご説明する「もめない設計」の鍵になります。

2 遺留分侵害額請求の実務|時効1年・請求の手順・支払う側の対応

2019年の法改正で、遺留分は「お金の請求権」になりました。そして時効は、驚くほど短い。

遺留分を侵害された場合の権利は、法改正により遺留分侵害額請求権となりました。以前の制度(遺留分減殺請求)では、不動産そのものの持分を取り戻す形になり、実家が請求者との共有になってしまう不都合がありましたが、現在は侵害された額に相当する金銭を請求する権利に一本化されています。不動産の名義はそのまま、解決はお金で。この変更で、相続登記や不動産の処分と遺留分の争いを切り分けられるようになりました。

何より知っておいていただきたいのが時効です。遺留分侵害額請求権は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年で時効にかかります。知らなくても、相続開始から10年が経てば権利は消えます。「四十九日が終わってから考えよう」「一周忌までは言い出しにくい」と待っているうちに、1年はあっという間です。請求の意思表示さえ期間内にしておけば権利は保全されますから、迷っている段階でも、まず内容証明郵便で請求の意思を伝えておく。これが実務の鉄則です。その後の話し合いで金額を詰め、まとまらなければ家庭裁判所の調停、それでも駄目なら訴訟へと進みます。

請求される側、つまり遺言で多くを受け取った方の対応にも触れておきます。侵害額は金銭で支払う必要があり、「もらったのは実家だけで、現金がない」という事態が現実に起こります。裁判所に支払期限の猶予(期限の許与)を求める制度はありますが、根本的には、不動産を担保に資金を調達するか、売却して原資を作るかの判断が必要になります。代わりに不動産で支払う(代物弁済)ことも当事者の合意があれば可能ですが、税務上は不動産を時価で譲渡したものと扱われ、譲渡所得税が生じ得る点に注意してください。もめる前の設計として、遺留分を渡す原資をあらかじめ生命保険で準備しておく方法(受取人を長男にして、そのお金で弟妹への支払いに充てる)は、実務で最もよく使う手当てです。また、後継者に自社株や事業用資産を集中させたい場合には、生前に家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄してもらう制度や、中小企業の事業承継に特化した特例(除外合意など)もあります。

そして、これから遺言を書く方へ。遺留分でもめないための設計は、3つの手当てに集約されます。第一に、割合への配慮。全財産を一人に集中させるのではなく、他の相続人にも遺留分に相当する財産(預金や保険)を割り当てておけば、請求の理由そのものがなくなります。第二に、原資の準備。先ほどの生命保険のように、支払いに使える固有のお金を受取人指定で用意しておくことです。第三に、付言事項。遺言の末尾に、なぜこの分け方にしたのかの理由と家族への感謝を書き添える部分です。法的な効力はありませんが、「介護を担ってくれた長男に家を託したい」という言葉があるかないかで、遺された家族の受け止め方は大きく変わります。遺留分は、知らなければ争いの火種、知っていれば円満設計の物差しなのです。

 

実例のイメージを挙げましょう。名古屋市内の戸建て(評価3,000万円)と預金1,000万円を遺した父が、「全財産を同居の長男に」という遺言を残したケース。二男の遺留分は(3,000万+1,000万)×2分の1×2分の1=1,000万円です。長男は現金だけでは足りず、当初は自宅の売却も覚悟しましたが、父が長男を受取人に掛けていた生命保険金800万円(基礎財産に入らない固有のお金)と預金を合わせて支払い、実家を守ることができました。保険という備えがあるかないかで、結末は大きく変わります。なお、このケースの二男は、当初「実家を売ってでも払ってほしい」という強い態度でしたが、長男が支払いの姿勢と父の遺言の付言事項を示したことで、話し合いでの解決に至りました。遺留分の紛争は、感情の紛争でもあります。法律の枠組みと同じくらい、伝え方と段取りが結果を左右するのです。

3 名古屋のごとう司法書士事務所の特徴|もめない遺言設計のお手伝い

遺留分は、争いの種にも、円満の設計図にもなります。使い方次第です。

相続不動産に強い|「実家をどう守るか」まで見据えて

司法書士が宅地建物取引士の資格も持ち、不動産の実務と法律を統合してご提案します。

当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。遺留分の問題は、多くの場合「実家をどうするか」の問題です。担保評価や売却の見通しまで含めて、現実に実行できる解決策をご提案できるのが強みです。

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ご相談は無料です。これから遺言を書く方には遺留分に配慮した設計を、遺言書を受け取って戸惑っている方には、権利関係の整理と手続きの流れを、わかりやすくご説明します。紛争性の高い事案は、提携する弁護士とも連携して対応します。

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※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。遺留分の計算・請求は個別の事情により結論が異なりますので、実際のお手続きにあたっては専門家にご相談ください。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

名古屋のごとう司法書士事務所の司法書士後藤です。

私が、みなさまの相続登記の相談を担当させて頂きます。

 

私が、司法書士として独立し、ごとう司法書士事務所を立ち上げた頃、決めていたことがあります。

「難しいこと簡単に」してストレスなく法律手続きを依頼者の方に提供したいという理念です。


大学の法学部の時から感じていましたが、やはり法律用語は解釈が難しいです。一般常識の言葉と法律用語の言葉では同じ漢字でも意味合いが少し違うことが往々にしてあります。そういった誤解からトラブルに発展することもよくあります。

どうしたらストレスなく法律的な話を伝えられるか。いつも自問自答しながら試行錯誤を今でも繰り返しています。

常により良いサービスをしたいと思い、私自身が宅地建物取引士の登録をして不動産売買の仲介業務するようになりました。今では、法律や登記が得意な司法書士と不動産実務が得意な宅地建物取引士はとても相性がよいと感じています。間違いなく、不動産に関しては専門性や優位性を持つことができると感じています。

相続のやり方や進め方は、家族や相続人の方によってすべて異なります。みなさまに合ったやり方や進め方で臨機応変にかつスムーズに相続手続きを進めることを心掛けています。

また、司法書士業務のデジタル化にも積極的に取り組んでいます。最新の手法で便利にご利用していただけるように努めています。

相続、特に不動産の相続登記に関してお困りの方はどうぞお気軽に一度ご相談下さい。
相続に果敢に挑戦している司法書士がお困りの皆さまをお待ちしております。
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