
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
家はひとつ、相続人はふたり以上。それでも公平は、つくれます。
相続財産の中心が実家の不動産——これは、日本の相続のもっとも典型的な形です。預貯金なら1円単位で分けられますが、家は切り分けられません。かといって、住んでいるきょうだいがいる家、思い出の詰まった家を、分けるためだけに売ってしまうのも忍びない。「売るか、共有で先送りか」の二択で立ち止まってしまうご相談を、本当によくお受けします。
実は、第三の道があります。相続人の一人が不動産を単独で取得し、その代わりに他の相続人へ自分のお金——代償金——を支払う、代償分割という方法です。家は残り、名義はひとつにまとまり、公平はお金で実現する。使いこなせれば優れた方法ですが、代償金の金額で揉めやすい、協議書の書き方を誤ると贈与税の問題が生じ得る、といった急所もあります。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、代償分割の仕組みと向き不向き、代償金の決め方と協議書の実務、資金が足りないときの工夫までを、実例を交えてご説明します。
「取得する人」と「代償金を受け取る人」。役割を分けるのが代償分割です。
まず、遺産の分け方の全体像から整理しましょう。遺産分割の方法は、大きく4つあります。第一が現物分割——土地はこの人、預金はこの人と、財産をそのままの形で割り振る方法。第二が換価分割——不動産を売却し、代金を分ける方法。第三が共有分割——不動産を相続人の共有名義にする方法。そして第四が、今回の主役である代償分割です。特定の相続人が不動産などの財産を取得し、その代わりに、他の相続人へ代償金(または他の財産)を支払って過不足を調整します。たとえば評価2,400万円の実家を兄が取得し、相続人が兄弟2人なら、兄が弟へ1,200万円を支払う——家は兄のもとに残り、弟は法定相続分に見合うお金を受け取る、という形です。4つの方法に優劣はありませんが、向き不向きははっきりしています。財産の種類が多く値がつり合うなら現物分割、誰も家を使わないなら換価分割が素直です。一方、共有分割は「とりあえず半分ずつ」という一見公平な形の裏で、売るにも貸すにも共有者の同意が要る不自由と、次の相続で共有者が倍々に増える危険を抱え込む、問題の先送りになりがちです(共有の怖さは、共有相続のリスクの記事でご説明したとおりです)。
では、代償分割はどんな場面で輝くのか。典型は、相続人の誰かがその家に住んでいる場合です。同居していた長男、親の介護のために戻っていた長女——住まいを失わせずに、他のきょうだいの取り分も確保できます。亡くなった方と同居していた親族がその家を取得して住み続ける場合には、相続税の小規模宅地等の特例(評価額の大幅減額)の適用を保ちやすいという税務上の利点もあります。農地や自宅兼店舗など、分割や売却になじまない財産、先祖代々の土地をどうしても手放したくない場合にも、代償分割が事実上唯一の着地点になることが少なくありません。名義が一人にまとまるため、将来の売却や活用の判断も自由になり、共有のような足かせが残らないのも大きな長所です。他方で、弱点もはっきりしています。最大の弱点は、取得する相続人に代償金を支払う資力が必要なこと。実家の評価が高いほど代償金も膨らみ、「家はあるが現金がない」という日本の相続の典型的な悩みと正面からぶつかります。もうひとつの急所が、代償金の前提となる不動産の評価額で意見が割れやすいこと。支払う側は安く、受け取る側は高く見積もりたいのが人情で、ここが代償分割の天王山になります。資力の工夫と評価の決め方——この2つの急所の乗り越え方を、次章でご説明します。
評価は時価で、協議書には「代償として」。この二つが外せない勘所です。
代償金の決め方からご説明します。出発点は不動産の評価額ですが、ここで固定資産税評価額を使うか、実際に売れる価格(時価)を使うかで、結論は大きく変わります。固定資産税評価額は時価の7割程度に設定されることが多く、紙の上の評価で計算すると、取得する側に有利・受け取る側に不利な結果になりがちです。遺産分割の場面では時価(実勢価格)をもとに話し合うのが原則と考えてください。時価の把握には、不動産会社の査定を複数社(2〜3社)取り、その幅の中で合意するのが実務的です。どうしても折り合えなければ不動産鑑定士の鑑定という切り札もあります(評価の考え方は、評価額の記事で詳しくご説明しています)。金額の計算自体は単純で、取得する不動産の評価額のうち、自分の相続分を超える部分を代償金として支払います。評価2,400万円・兄弟2人・実家以外の財産なしなら、兄の相続分は1,200万円ですから、超過分の1,200万円が弟への代償金です。預貯金など他の財産があるなら、全体を合算してから過不足を計算します。なお、代償金は必ずしも満額である必要はありません。「兄は同居して介護を担ってきた」といった事情を踏まえ、弟が納得のうえで代償金を800万円に抑える——そんな合意も有効です。大切なのは、評価と計算の過程を開示し、全員が納得して決めることです。
次に、協議書の書き方。ここに、代償分割でもっとも注意すべき落とし穴があります。遺産分割協議書に、代償金が遺産分割の代償であることを明記しないと、単なる兄から弟への贈与と見られ、贈与税の問題が生じるおそれがあるのです。「甲は本不動産を取得する。甲は、その代償として、乙に対し金1,200万円を令和〇年〇月〇日限り、乙の指定する口座に振り込んで支払う」——このように、不動産の取得と代償金の支払いをひとつの協議書で結びつけておくことが、税務上も紛争予防上も生命線になります。相続税の計算でも、協議書の記載をもとに、代償金を支払った人は課税価格から差し引き、受け取った人は加算する調整が行われます。もうひとつ、支払いの確実性にも備えが必要です。遺産分割協議は、いったん成立すると、代償金が支払われなかったという理由だけでは解除できないとされています(判例)。つまり、「はんこは押したのにお金が来ない」という最悪の事態では、協議をなかったことにはできず、未払い金の請求を重ねるほかなくなるのです。だからこそ、代償金は一括払いが大原則。やむを得ず分割払いにするなら、公正証書で支払い条項を固める、取得した不動産に抵当権を設定する、といった保全をセットにしてください。そして、資力が足りないときの工夫です。選択肢は4つ。①金融機関の融資(取得する不動産を担保にしたローン)、②一部換価との併用(実家は残し、他の土地を売って原資に)、③代償金の減額合意や長期分割(前述の保全とセットで)、そして④親が元気なうちの生前設計です。④が実は本命で、実家を継がせたい子を生命保険の受取人にしておけば、受け取った保険金は原則としてその子固有の財産となり、そのまま代償金の原資にできます。遺言で「家は長男に」と書くだけでなく、代償の払い方まで設計しておく——これが、家を残したい親御さんにできる最高の準備です。実例をひとつご紹介します。お父様を亡くした60代の兄妹のご相談で、実家に住む兄は固定資産税評価額1,400万円を基準に代償金700万円を主張、妹は「売れば2,000万円以上」と反発し、話し合いは1年止まっていました。当事務所で3社の査定を取り、時価2,200万円の幅で開示したうえで、兄の長年の介護の事情も金額に織り込み、代償金900万円・うち400万円は父の生命保険金を原資に一括払い、という内容で協議書を作成。登記まで2か月で完了し、妹さんは「金額より、根拠を見せてもらえたことで納得できた」と仰っていました。代償分割の成否は、金額の多寡より、評価の透明さと支払いの確実さで決まるのです。
評価・協議書・登記・資金の工夫。代償分割の全部をひとつの窓口で。
誰が住み、誰が受け取るか。ご家族の事情に合わせた分け方をご提案します。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。代償分割が最適か、換価や現物との併用がよいか、ご事情から一緒に考えます。
代償分割の協議書と相続登記、セットの費用を最初にお示しします。
協議書の文言ひとつで税務上の扱いが変わり得る代償分割だからこそ、専門家の関与部分と費用の全体像を事前にご説明し、納得のうえで進めていただけます。
時価の根拠を全員に開示できることが、当事務所の強みです。
宅建業者として査定ができる当事務所なら、代償金の前提となる時価の把握から、残した実家の将来の売却・活用のご相談まで、一貫してお手伝いできます。
お気軽にご相談下さい。
家は一人に、公平はお金で。評価は時価、協議書には「代償として」を忘れずに。
代償分割は、相続人の一人が実家などの不動産を取得し、他の相続人へ代償金を支払って公平を図る分け方です。住んでいる家を守れる、名義が一人にまとまる、小規模宅地等の特例を保ちやすいという長所の一方、取得者に資力が必要で、評価額で揉めやすいのが急所。代償金は固定資産税評価額でなく時価(複数査定)をもとに決め、協議書には不動産の取得の代償であることを必ず明記します(贈与税の予防)。協議は代償金の不払いでは解除できないため、一括払いが原則、分割なら公正証書や抵当権で保全を。資金が足りなければ、融資・一部換価・減額合意、そして親が元気なうちの生命保険の活用という道があります。評価の透明さと支払いの確実さ——その両方の段取りを、私たちにお任せください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。遺産分割協議書の作成から相続登記、不動産の査定・売却、生前の遺言・保険を組み合わせた代償の設計まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「実家は残したい。でも、きょうだいに不公平はしたくない」。その両立の設計図、ご一緒に描きます。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。代償金の税務上の扱いは個別の事情により異なりますので、実際のお手続きにあたっては専門家にご確認ください。
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