
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
誰の名義で、借金の担保になっていないか。読めれば、相続の最初の霧が晴れます。
相続のご相談で、私たちが最初に取り寄せる書類のひとつが、不動産の登記簿——正式には登記事項証明書です。人に戸籍があるように、不動産には登記簿があります。その土地や建物がどんな物件で、今誰のもので、過去に誰の手を渡ってきて、担保や差押えが付いていないか。相続に必要な情報のほとんどが、この数枚の紙に載っています。
ところが、「取ったことがない」「取ってみたが、甲区や乙区と言われても読めない」という方がほとんどです。実はこの書類、所有者でなくても、理由を言わなくても、誰でも取れます。そして読み方のコツさえつかめば、名義が祖父のままになっている、完済したはずの住宅ローンの抵当権が残っている——そんな、放っておくと相続登記の手間を倍にする事実を、手続きの前に自分で発見できるのです。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、登記事項証明書の取り方、表題部・甲区・乙区の読み方、そして相続の場面で必ず確認したいチェックポイントを、実例を交えてご説明します。
住所ではなく「地番」で請求する——最初のつまずきは、たいていここです。
まず、言葉の整理から。かつて紙の帳簿だった登記簿は現在コンピュータ化され、その内容を証明する書面は登記事項証明書と呼ばれます。「登記簿謄本」という昔ながらの呼び名も今なお通用しますが、窓口でどちらの名前を使っても同じものが出てきますので、ご安心ください。取り方は簡単で、全国どこの法務局でも、どの地域の不動産のものでも取得できます(手数料は窓口請求で1通600円、オンライン請求ならやや安くなります)。大切なのは、所有者本人でなくても、親族でなくても、理由を示さなくても、誰でも取れるということ。登記は不動産取引の安全のために情報を公開する制度だからです。だからこそ、相続の下調べに遠慮なく使えます。ただし、最初のつまずきどころがひとつ。登記簿は、住所(住居表示)ではなく地番という土地固有の番号で管理されており、「名古屋市〇区〇町1丁目2番3号」という郵便の届く住所のままでは請求できないことがあるのです。地番は、毎年春に届く固定資産税の課税明細書、権利証(登記識別情報)、あるいは法務局への電話照会で調べられます。建物には家屋番号という別の番号もあり、こちらも課税明細書で確認できます。なお、証明力は不要で内容の確認だけできればよいなら、自宅のパソコンから使える登記情報提供サービス(1件330円ほど)が手軽です。
さて、取り寄せた証明書の読み方です。構成は大きく3つ。最初にある表題部は、物件のプロフィールです。土地なら所在・地番・地目(宅地、田、山林など)・地積(面積)、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積が載ります。ここで見てほしいのが、現況とのずれ。実際は駐車場なのに地目が田のままなら農地法の手続きが絡む可能性がありますし、増築したのに床面積が昔のままなら、増築部分が未登記かもしれません。次の権利部(甲区)は、所有権の歴史です。いつ、誰が、売買や相続などどんな原因で所有者になったかが時系列で並び、一番下に現在の所有者が載ります。共有なら「持分2分の1」のように持分も明記されます。そして見落としてならないのが、差押え・仮差押え・仮処分といった不穏な登記も、この甲区に記録されるということ。税金の滞納による差押えが入ったままの不動産は、売却の前に必ず解決すべき問題を抱えています。最後の権利部(乙区)は、所有権以外の権利——つまり担保などの履歴書です。住宅ローンの抵当権や根抵当権、地上権、地役権などが載ります。乙区の記載がそもそもない、あるいは下線(抹消の印)が引かれていれば、担保は消えています。複数の不動産がまとめて担保に入っている場合は、共同担保目録でその範囲も確認できます。あわせて、法務局では土地の位置関係を示す公図や、地積測量図・建物図面も取得できます。境界や越境が気になる物件の相続では、登記簿とセットで取り寄せておくと、後の売却の検討がぐっと楽になります。
「名義は誰か」「持分はいくつか」「乙区に何が残っているか」。この3問から始めます。
相続の場面で登記簿を読むとき、確認すべき点を順にご説明します。第一の確認は、名義人は本当に亡くなった方かです。当然のようでいて、ここが一番の落とし穴。実家の土地を取り寄せたら、名義は亡くなったお父様ではなく、戦前に亡くなった曾祖父のままだった——といった例は、珍しくありません。名義が一代前、二代前のままなら、その間の相続(数次相続)をすべてさかのぼって整理する必要があり、手続きの規模がまるで変わります。早く知るほど打ち手が増えますから、相続が始まったら、まず現在の名義の確認を。第二の確認は、登記簿上の住所です。名義人の住所が、亡くなった方の最後の住所と一致しているか。昔の住所のままなら、相続登記の際に住民票の除票や戸籍の附票で住所のつながりを証明する一手間が加わります。古い相続では除票の保存期間の壁に当たることもあり、これも早めに知りたい情報です。第三の確認は、持分です。「実家は父のもの」と思い込んでいたら、実は母と2分の1ずつの共有だった、亡くなった伯父と共有だった——という発見もよくあります。共有なら、共有者側の相続も視野に入れた全体設計が必要になります(共有の整理は、共有相続の記事でご説明したとおりです)。
第四の確認が、乙区の担保です。とうに完済した住宅ローンの抵当権が、抹消されずに残っている——これは本当によくあります。抵当権の抹消登記は、完済すると銀行から書類が送られてくるだけで、登記は自分で申請しない限り消えないからです。残ったままでも直ちに実害はありませんが、売却や融資の場面では必ず抹消を求められ、銀行の書類を紛失していると手続きが重くなります。相続登記とセットで片付けるのが効率的です(詳しくは抵当権抹消の記事をご覧ください)。さらに古い物件では、明治・大正・昭和初期の個人名の抵当権や、金額が「金〇円」という時代がかった担保が残っていることがあります。こうした休眠担保権の抹消は、相手方の行方捜索や供託といった特別な手続きが要る、専門家の出番の典型です。第五の確認は、甲区の差押えと乙区・甲区の仮登記です。税金滞納の差押え、昭和の時代の売買予約の仮登記——どちらも、放置すれば売却の壁になります。見つけたら、慌てず、消す道筋の相談を。そして第六の確認は、建物の登記そのものの有無です。課税明細書には載っている建物が、登記簿を請求しても「該当なし」——それは未登記建物のサインです(未登記建物の記事でご説明しています)。ここまでお読みいただくと、登記簿が相続の健康診断書だとお分かりいただけると思います。だからこそ、おすすめしたいのが、親御さんが元気なうちの登記簿チェックです。実家の登記簿を1通取ってみるだけで、名義の問題も、残った担保も、生前に発見して手を打てます。財産目録づくり(財産目録の記事をご覧ください)の最初の一歩としても最適です。実例をひとつご紹介します。お母様を亡くした50代の方が、実家の売却を見込んでご相談に見えました。登記簿を取り寄せると、土地の名義は昭和40年に亡くなった祖父のまま、乙区には昭和30年代の信用金庫の抵当権が未抹消で残っていました。相続人は叔父叔母を含む7人に広がっていましたが、戸籍をさかのぼって遺産分割協議をまとめ、金融機関の承継者と連絡を取って抵当権の抹消書類を取り付け、約5か月で売却できる状態に。「登記簿を最初に見ていなければ、買い手がついてから大騒ぎになっていた」と仰ったとおり、読む順番が早かったことが、この案件の勝因でした。相続は、思い込みで進めるほど遠回りになります。まず1通、取り寄せて読む——その10分が、数か月の回り道を防いでくれるのです。
1通の登記簿から、やるべき手続きの全体像を描きます。
名義・住所・持分・担保。チェックポイントを一緒に確認します。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。お手元の登記簿の読み解きだけのご相談も歓迎です。
数次相続・抵当権抹消・未登記建物。必要な手続きと費用を最初に整理します。
登記簿から見つかった問題ごとに、必要な手続きと費用の全体像を事前にご説明し、納得のうえで進めていただけます。
公図・測量図まで含めて、売れる状態までの距離を測ります。
宅建業者として売買を扱う当事務所なら、登記簿と図面から売却時の課題(境界・担保・名義)を先回りで洗い出し、登記から売却まで一貫してお手伝いできます。
お気軽にご相談下さい。
誰でも取れて、1通600円。相続の最初の一歩は、登記簿を読むことから。
登記簿(登記事項証明書)は、全国どこの法務局でも誰でも取得でき、住所ではなく地番・家屋番号で請求します(課税明細書で確認できます)。表題部は物件の概要、甲区は所有者の歴史と差押えの有無、乙区は抵当権など担保の履歴。相続の場面では、①名義人は亡くなった方本人か(祖父名義なら数次相続)②登記簿上の住所のつながり③単独か共有か(持分)④完済済みでも残っている抵当権や休眠担保権⑤差押え・仮登記⑥建物が未登記でないか——を確認します。親御さんが元気なうちの登記簿チェックは、最良の生前点検です。1通の登記簿から手続きの全体像を描く作業、私たちにお任せください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。登記簿の読み解きから、数次相続の整理、抵当権の抹消、相続登記、不動産の売却まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「実家の登記簿、一度も見たことがない」。その1通が、相続の地図になります。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。手数料の金額や制度の運用は変更されることがありますので、実際のお手続きにあたっては専門家にご確認ください。
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