
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
通知は突然に見えて、突然ではありません。階段は、もう始まっています。
「亡くなった父名義の実家について、市役所から『適切な管理をお願いします』という手紙が届きました」——相続のご相談で、こうした封筒をお持ちになる方が増えています。空き家への苦情は、まず近隣から市町村へ寄せられ、市町村は空家対策特別措置法(空家法)という法律に基づいて、所有者や相続人に接触してきます。つまりその手紙は、ご近所の我慢が限界に近づいているサインであり、法律の階段の一段目でもあるのです。
この階段は、助言・指導から始まり、勧告、命令、そして行政代執行——行政が取り壊し、費用を所有者に請求する——まで続きます。途中の勧告の段階で固定資産税の優遇が外れ、税負担が数倍に跳ね上がる仕掛けもあります。一方で、早い段階で誠実に対応すれば、罰則にも増税にも至らずに解決できるのが、この制度の本来の姿です。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、通知が届く仕組み、指導から代執行までの流れ、受け取ったときの初動5つの手順、そして出口までを、実例を交えてご説明します。
勧告=固定資産税の優遇喪失。ここが、お金の面での分水嶺です。
まず、「なぜ自分に届いたのか」から。空き家の名義が亡くなった方のままでも、市町村はあなたにたどり着けます。空家法は、市町村が固定資産税の課税情報を空き家対策に内部利用することを認めており、納税義務者として把握されている相続人、戸籍調査で判明した相続人に、通知は届きます。「登記を変えていないから関係ない」は通用しません。相続放棄をしていない限り、相続人は所有者側の立場として扱われ得るのです。そのうえで、階段の全体像をご説明します。第一段は、実態調査と助言・指導。市町村は外観調査や立入調査で空き家の状態を確認し、問題があれば「草木の繁茂を解消してください」「屋根材の飛散を防いでください」といった助言・指導を行います。多くの通知はこの段階のもので、言わば行政からの「ご相談の案内」。ここで動けば、何の不利益もありません。第二段が、勧告です。指導に応じず状態が改善されない場合、勧告が出されます。ここが分水嶺で、勧告を受けると、住宅が建つ土地の固定資産税を大幅に安くしている住宅用地の特例が適用されなくなり、土地の税負担が数倍に跳ね上がります(仕組みは解体費用の記事でご説明したとおりです)。第三段は、命令。勧告にも従わない場合に出され、違反すると過料の制裁があります。そして最終段が、行政代執行。行政が所有者に代わって樹木の伐採や建物の解体を実施し、かかった費用の全額を所有者から徴収します。数百万円の解体費が、分割の相談も価格の比較もできないまま、請求書になって届く——これが階段の終点です。
もうひとつ、2023年12月施行の法改正で加わった管理不全空家の仕組みも知っておいてください。従来の特定空家(倒壊の危険などが現実化した空き家)になる前の、「窓が割れている」「草木が繁茂している」といった予備軍の段階で、市町村が指導・勧告できるようになりました。そして、この管理不全空家の勧告でも、住宅用地の特例は外れます。つまり、「まだ崩れていないから大丈夫」という時代は終わり、放置の初期段階から税の増加が現実になったのです。名古屋市を含む多くの市町村が空き家の相談窓口や実態調査を強化しており、通知は年々「早く」届くようになっています。階段の各段は、裏を返せば、行政が所有者に与えてくれている猶予です。指導で動けば税も罰もなく、勧告の前に計画を示せば特例は守られる。どの段で止めるかは、受け取った側の初動が決めます。もうひとつ付け加えるなら、通知が来る前の空き家にも、この階段の知識は役立ちます。ご近所から直接「木の枝が」「塀が心配で」と言われた段階は、言わば階段のゼロ段目。ここで誠実に対応し、連絡先を伝えておけば、苦情が役所に向かうこと自体を防げます。近隣との関係は、空き家の最大の保険なのです。
やることはシンプル。「連絡・確認・応急・計画・実行」の5つです。
通知を受け取ったときの初動を、順にご説明します。第一の手順は、担当窓口へ連絡すること。何よりもまず、放置しないことです。通知に記載された担当課へ電話し、「相続した空き家であること」「対応の意思があること」を伝えてください。行政が最も重く見るのは、無視と連絡不能です。逆に、対応の姿勢を示す所有者に対して、いきなり勧告や命令へ進む運用は通常されません。第二の手順は、現地と権利関係の確認。空き家の現状を写真に残し、指摘された問題(草木、屋根、塀など)を自分の目で確かめます。あわせて、登記簿で名義と共有関係を確認し、相続人が複数なら情報を共有します(通知を受けた一人が抱え込むのが、こじれる典型です)。第三の手順は、応急措置。草刈り、飛散しそうな部材の固定や撤去、施錠と開口部の閉鎖——数万円でできる応急措置だけでも、近隣の不安と行政の評価は大きく変わります。遠方なら、シルバー人材センターや管理代行の単発利用も使えます。応急措置の領収書と作業後の写真は、担当課への報告にそのまま使えますから、必ず残しておきましょう。「指摘された3点のうち2点は対応済み、残り1点は〇月までに」という報告ができれば、行政の心証はまったく違います。第四の手順は、出口の計画を示すこと。「年内に相続登記を済ませ、来春までに売却します」「補助金を使って解体予定です」——期限を切った計画を担当課に伝えれば、行政は原則としてそれを見守ります。そして第五の手順が、計画の実行です。出口は、これまでの記事でご説明してきた選択肢がそのまま使えます。売れる物件なら売却(古家付きか更地か)、売れないなら譲渡や国の引き取り制度、危険が迫るなら補助金を使った解体(着工前申請が鉄則です)。どの出口にも相続登記が前提になりますから、役所対応と並行して名義の整理を始めてください。
注意点も添えます。まず、相続放棄をした方・これからする方。放棄すれば所有者側の立場からは外れますが、放棄時にその家を現に占有していた場合には一定の保存義務が残り得ますし、通知が来てから慌てて放棄するには3か月の期限の問題があります(詳しくは放棄後の管理義務の記事をご覧ください)。また、「怖いから」と通知を無視して名義も動かさない選択は、税の増加・代執行・損害賠償(塀や瓦で第三者を傷つければ工作物責任)という三重のリスクを放置するだけです。実例をひとつご紹介します。名古屋市内にお住まいの60代の方に、郷里の市役所から管理不全空家の指導通知が届きました。父名義のまま7年放置した実家で、苦情は隣家の庭に越境した樹木と崩れかけたブロック塀。当事務所でまず担当課に連絡を入れて対応方針を伝え、地元の業者で伐採と塀の撤去(計18万円)を実施。並行して相続登記を進め、翌年、古家付きで売却まで完了しました。「役所と対立するのかと身構えていたが、連絡したら『計画があるなら待ちます』と言われて拍子抜けした」——そのとおりで、空家法の階段は、戦う相手ではなく、動き出すための締切として使うのが正解です。通知は、ご近所の悲鳴と行政の猶予が同封された封筒。開けたその日が、空き家の宿題を終わらせる最良のきっかけです。なお、相続人が複数いる場合、通知は代表者一人にだけ届くことがよくあります。受け取った方は、他の相続人への共有を面倒がらないでください。「自分だけが知っていて動かなかった」という事実は、後の遺産分割で、あなたへの不信として跳ね返ってきます。封筒のコピーを全員に送り、対応の費用は立て替えの記録を残して精算する——役所対応もまた、家族の共同作業なのです。
計画を示すには、名義と出口の段取りが要ります。その両方をお手伝いします。
どの段階の通知か、何を求められているかを整理し、現実的な工程表を作ります。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。行政に示せる具体的な計画づくりから伴走します。
税の増加や代執行のコストと比べられる形で、対策費用をお示しします。
放置した場合に増える負担と、いま動く場合の費用を並べ、納得のうえで進めていただけます。
売れるか、壊すか、譲るか。物件の現実に合わせた出口を実行します。
宅建業者である当事務所なら、査定から売却・解体業者の段取りまで、役所に示した計画をそのまま実現できます。
お気軽にご相談下さい。
階段は助言・指導→勧告(特例喪失)→命令→代執行。初動は「連絡」から。
空き家の通知は、固定資産税の課税情報や戸籍調査を通じて、登記が故人名義のままでも相続人に届きます。空家法の階段は、助言・指導→勧告→命令(過料)→行政代執行(費用全額請求)と進み、勧告の段階で住宅用地の特例が外れて税負担が数倍に。2023年改正で、特定空家の手前の管理不全空家でも勧告・特例除外が可能になりました。初動は5つ——①担当課への連絡(無視が最悪)②現地と権利関係の確認③数万円の応急措置(領収書と写真を報告に)④期限を切った出口の計画の提示⑤実行(売却・譲渡・解体、前提の相続登記)。通知は他の相続人と共有し、費用は記録を残して精算を。階段は戦う相手ではなく、動き出すための締切です。通知が来る前でも、ご近所への誠実な対応が最大の予防になります。役所への計画づくりから出口の実行まで、私たちがセットでお手伝いします。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。空き家の通知への対応方針づくりから、相続登記、解体・補助金の段取り、売却・譲渡の実行まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「市役所からの封筒、開けるのが怖くて置いたままです」。一緒に開けて、計画に変えましょう。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。空家法の運用や補助制度は市町村により異なりますので、実際のお手続きにあたっては自治体・専門家にご確認ください。
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