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ごとう相続手続き相談センター
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TCF丸の内ビル6階
遺言は一人で書くもの。死因贈与は、二人で結ぶ約束です。
「わしが死んだら、この家はお前にやる」——口癖のようにそう言っていたお父様が亡くなり、いざ相続が始まると、他の相続人から「そんな話は知らない」と言われてしまう。生前の「あげる」の約束は、形にしておかなければ、あてにした側が困る典型です。この約束を法律の道具にしたものが、死因贈与。贈与する人の死亡によって効力が生じる贈与契約で、「亡くなったらあげる」「はい、いただきます」という両者の合意で成立します。
結果だけ見れば、遺言で財産を渡す遺贈とよく似ています。けれど、遺言が一人で書けて一人で破れる単独の行為であるのに対し、死因贈与は相手のある契約。この違いから、「介護してくれたら家をあげる」という約束に強い、仮登記で受け取る側を守れる、一方で税金は遺言より重くなりやすい——といった、独特の長所と短所が生まれます。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、死因贈与の仕組みと遺贈との違い、向いている場面、契約書と登記の実務、そして遺言とどちらを選ぶべきかまでを、実例を交えてご説明します。
単独行為の遺言、契約の死因贈与。この一点からすべての違いが流れ出します。
まず、仕組みからご説明します。死因贈与は、贈与する人(贈与者)の死亡によって効力が生じる贈与契約です。民法は、その効力について遺贈——遺言で財産を渡すこと——のルールを多く準用しており、財産が死亡を境に相手へ渡るという結果は遺贈と変わりません。渡した財産が相続税の対象になる点も同じです。では何が違うのか。核心は、遺言が一人でする単独行為なのに対し、死因贈与は受け取る側の同意がある契約だという点です。ここから、三つの違いが流れ出します。第一に、成立の仕方。遺言は民法の方式(自筆証書・公正証書など)を守らなければ無効ですが、死因贈与は契約なので、理屈のうえでは口約束でも成立します。ただし、口約束の死因贈与を相続人に認めさせるのは、現実にはきわめて困難です。「言った・言わない」の争いになり、立証の壁に阻まれる——冒頭の例のとおりです。使うなら必ず契約書、できれば公正証書で。これが実務の鉄則です。第二に、受け取る側の関与。遺言は、もらう人が内容を知らないまま書かれ、書き直されることも珍しくありません。死因贈与は、本人同士が向き合って結ぶ約束ですから、もらう側は「確かに約束した」という土台の上に立てます。介護や同居など、もらう側が人生の設計を変えるような場面では、この心理的な確かさが大きな意味を持ちます。第三に、登記による保全です。これは死因贈与だけの強みで、始期付所有権移転の仮登記という形で、贈与者の生前に、不動産の登記簿へ「亡くなったらこの人に渡る」ことを公示しておけます。遺贈ではこうした仮登記はできません。仮登記があれば、贈与者が気が変わって第三者に売ろうとしても、買い手は登記簿で約束の存在を知ることになり、事実上の抑止力として働きます。約束を、登記簿に刻んで守る——受け取る側にとって、これほど心強い仕組みはありません。 一方で、撤回の話もしておかなければなりません。「契約なのだから、一方的には破れないはず」と思われがちですが、判例は、死因贈与にも遺言の撤回のルールが基本的に準用されるとしており、贈与者は原則として生前に撤回できます。最後の意思を尊重するという遺言の思想が、死亡を原因とする贈与にも及ぶためです。「なんだ、それでは遺言と同じではないか」——いいえ、ここで効いてくるのが、次の章でご説明する負担付死因贈与です。受け取る側が約束の対価となる負担を果たした場合、話はまったく変わってきます。
「介護してくれたら家をあげる」。この約束は、死因贈与がいちばん強く守れます。
死因贈与が真価を発揮するのは、負担付死因贈与——「あなたが〇〇してくれたら、死後にこの財産をあげる」という形です。典型は、介護です。「最期まで自宅で面倒を見てほしい。その代わり、この家はあなたに」——長男の妻、同居する二女、近くに住む甥。法律上の相続人でない人、あるいは相続分では報われない人に、介護という重い負担のお礼を確実に届けたい場面は、相続の現場に数えきれないほどあります。そして判例は、負担付死因贈与で受贈者が約束の負担の全部またはそれに近い程度まで履行した場合には、特段の事情がない限り、贈与者はもう撤回できないとしています。つまり、介護を続けてきた事実が積み重なるほど、約束は破れないものに固まっていく。遺言ではこうはいきません。遺言は何年介護をしてもらった後でも自由に書き直せますから、「介護のお礼」を約束する道具としては、負担付死因贈与が明らかに強いのです(介護の貢献を金銭で請求する特別寄与料という制度もありますが、額も立証も厳しいのが現実です——寄与分と特別寄与料の記事でご説明したとおりです)。実務の設計はこうなります。①契約書を公正証書で作る(負担の内容——同居・介護・生活費の支援など——をできる限り具体的に書く)、②不動産なら始期付所有権移転の仮登記を入れる、③執行者を契約で定めておく(定めないと、死亡後の本登記に相続人全員の協力が必要になり、せっかくの約束が相続人の抵抗で滞ります)、④介護や支援の記録を日々残す(負担の履行の証拠です)。この四点セットまで組んで、初めて「破れない約束」になります。なお、負担の書き方は「できる限りの介護」のような曖昧な表現を避け、同居の有無、通院の付き添い、費用の分担など、後から履行を確かめられる形に落とすのが、争いを防ぐ最大のコツです。 次に、正直にお伝えすべき弱点——税金です。死因贈与でもらった財産は贈与税ではなく相続税の対象で、ここは遺贈と同じ。相続人でない人がもらえば2割加算がある点も同じです。差が出るのは、不動産の流通税です。登録免許税は、相続や相続人への遺贈なら1,000分の4で済むところ、死因贈与は1,000分の20。固定資産税評価額2,000万円の家なら、8万円と40万円の差になります。さらに不動産取得税も、相続や相続人への特定の遺贈では課されないのに対し、死因贈与では課税されます。つまり、同じ人に同じ家を渡すのでも、死因贈与は遺言より数十万円単位で高くつき得る。この税コストは、確実性の対価として納得できるかどうか、事前に数字で見ておくべきポイントです。だからこそ、選び分けの軸はこうなります。渡す相手に負担をお願いしない、関係も安定している——なら、税の軽い遺言(公正証書遺言+付言事項)で十分。介護や同居という負担のお礼であり、受け取る側に「確かな約束」を持たせたい、他の相続人の抵抗も予想される——なら、税コストを払ってでも負担付死因贈与+仮登記。両者は敵ではなく、財産ごとに使い分けることもできます(遺留分への配慮は、どちらの道具でも必要です——遺留分の記事をご覧ください)。実例をひとつご紹介します。80代の女性から、「同居して10年介護してくれている二女に自宅を残したい。でも長女が強く反対していて、遺言を書いてもまた争いになりそうで」というご相談を受けました。当事務所で、介護の継続を負担とする負担付死因贈与契約を公正証書で作成し、自宅に始期付所有権移転の仮登記を設定、執行者には二女を指定しました。3年後にお母様が亡くなり、長女は案の定納得しませんでしたが、公正証書の契約と10年を超える介護の記録、そして登記簿の仮登記の前に、争いの余地はほとんどなく、本登記は滞りなく完了。「母の『あげる』の一言を、形にしておいて本当によかった」と二女の方は仰っていました。口約束は、優しい人から順に泣きを見ます。「亡くなったら、あげる」——その言葉が家庭にあるなら、元気なうちに、破れない形へ。それがこの道具の使いどころです。
契約・仮登記・執行・本登記。死因贈与は、登記と一体の設計が命です。
介護・同居・支援——ご家庭ごとの「負担」を、争いに耐える文章にします。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。公正証書化の段取りまで含めて伴走します。
登録免許税・不動産取得税まで含めた総コストを、両案で試算します。
確実性と税コストの天秤を、数字でご確認いただいたうえで選んでいただけます。
仮登記の設定、死亡後の本登記、その先の住み替えや売却まで一貫して。
宅建業者である当事務所なら、約束された家のその後——住む・貸す・売る——までお手伝いできます。
お気軽にご相談下さい。
介護のお礼は負担付死因贈与+仮登記で。確実性の対価は税コストです。
死因贈与は、贈与者の死亡で効力が生じる贈与契約です。財産が相続税の対象になる点は遺贈と同じですが、遺言が単独行為なのに対し契約であるため、①口約束でも成立し得る(ただし実務は契約書・公正証書が鉄則)②受け取る側が約束の土台に立てる③始期付所有権移転の仮登記で生前から登記簿に公示できる、という違いがあります。原則として贈与者は生前撤回できますが、負担付死因贈与で負担をほぼ履行した後は、特段の事情がない限り撤回できません——「介護してくれたら家をあげる」を守る最強の道具です。設計は、公正証書+仮登記+執行者の指定+介護記録の四点セット。弱点は流通税で、登録免許税は遺言の5倍(1,000分の20)、不動産取得税も課税されます。負担のお礼なら死因贈与、そうでなければ税の軽い遺言——数字で比べて選ぶのが正解です。契約書づくりから登記まで、私たちにお任せください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。死因贈与契約書の作成支援と公正証書化の段取り、始期付所有権移転の仮登記、死亡後の本登記、遺言との比較設計まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「『死んだらあげる』って言われているんですが、口約束だけで大丈夫でしょうか」。大丈夫にする方法があります。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。死因贈与の効力や税金は個別の事情により異なりますので、実際のお手続きにあたっては専門家にご確認ください。
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