
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
「半分こ」を名義でやると共有、土地そのものでやると現物分割です。
「実家の敷地が広いので、兄が家の部分を、私が庭だった部分をもらって、それぞれ名義にできませんか」——広めの敷地や畑をお持ちのご家庭から、よくいただくご相談です。できます。土地を物理的に切り分けて、それぞれが単独名義で受け継ぐ方法を現物分割といい、登記の世界では、一つの土地(一筆)を複数に分ける分筆という手続きで実現します。
とりあえず兄妹の共有名義にする分け方と違い、現物分割は将来に足かせを残しません。自分の土地は自分の判断で売れるし、貸せるし、家も建てられる。一方で、土地は切り方ひとつで価値が大きく変わる財産でもあります。道路に面した側と奥側、角地と中地——同じ面積でも値打ちは同じではなく、「きっちり半分の面積」にこだわった結果、二つとも使いにくい土地になってしまうことさえあります。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、現物分割に向く土地と向かない土地、測量から分筆登記・相続登記までの手順、そして面積ではなく価値で分ける考え方を、実例を交えてご説明します。
分けた後の二つの土地が、それぞれ一人前に使えるか。判断軸はこれだけです。
まず、分け方の全体像の中での位置づけから。不動産の分け方には、土地そのものを分ける現物分割、一人が取得して他の相続人にお金を払う代償分割、売って代金を分ける換価分割、そして共有の四つがあります(代償分割と換価分割は、それぞれの記事でご説明したとおりです)。このうち共有は、将来の売却も建替えも全員の足並みが要る「問題の先送り」になりがちで、当事務所では原則お勧めしていません。現物分割は、その対極にある分け方です。分筆して各自の単独名義にしてしまえば、それぞれの土地はそれぞれの完全な所有物。売る・貸す・建てる・担保に入れる——すべて自分一人で決められます。兄妹それぞれが土地を使いたい、手放したくない、というご家庭にとっては、最も素直で後腐れのない解き方と言えます。では、どんな土地なら現物分割に向くのか。判断軸は一つ、分けた後の土地が、それぞれ一人前に使えるかです。具体的には、①広さ——名古屋近郊の旧家や畑つきの敷地のように、分けてもそれぞれが宅地として十分な広さを保てること。②道路づけ——建物を建てるには、建築基準法上の道路に間口2メートル以上接する接道義務があります。二方向で道路に接する角地や、道路に面した間口が広い土地は分けやすく、間口の狭い土地を無理に割ると、片方が旗竿地や未接道になって価値が急落します(接道の怖さは再建築不可の記事でご説明したとおりです)。③建物の位置——既存の家が分割線をまたぐ形は原則取れません。母屋を残して庭や畑側を切り出す、古家を解体してから更地で分ける、といった建物側の段取りとセットで考える必要があります(解体を絡める場合の費用と税の注意は、解体の記事をご覧ください)。 逆に、向かない土地もはっきりしています。都市部の標準的な戸建て敷地は、割ればどちらも家が建てにくい中途半端な広さになりがちで、自治体や地区計画によっては、分割後の敷地面積に最低限度が定められていて、そもそも分けられないこともあります。市街化調整区域や農地には、また別の規制の世界があります(農地は農地法の許可・届出の話が絡みますから、農地の相続の記事をご覧ください)。そして、見落とされがちな大前提が、境界です。分筆をするには、その土地の境界が隣地との間で確定していることが必要で、境界標がない、図面が古いという土地では、確定測量からのスタートになります(測量の中身と費用感は境界の記事のとおりです)。費用の目安も正直にお伝えすると、確定測量と分筆登記で数十万円規模、隣接地が多い・道路との官民境界の確定が要るといった事情で増えていきます。この費用を誰が負担するか——遺産から出すのか、土地を取る人が出すのか——も、協議書に明記しておくべき項目です。なお、遺産分割として土地を分け取る場合、不動産取得税はかからず、登録免許税も相続登記の税率で済みます。分け方そのものに大きな税の罰はありませんが、広い土地の相続税評価には特有の論点もあるため、課税がありそうな規模のご家庭は税理士との連携をお勧めします。
面積の平等より、価値の公平。端数は代償金で整えるのが大人の解き方です。
実務の流れを、順にご説明します。手順①、境界の確定。土地家屋調査士が隣接地の所有者と立ち会い、境界を確定させます。ここが全体の土台で、隣地所有者が多い土地や、相続で隣も代替わりしている土地は時間がかかります。手順②、分筆案の設計。どこに線を引くかを決めます。このとき見るべきは、接道と間口、水道・下水・ガスの引き込み経路、高低差、日当たり、そして分けた後の各土地の市場価値。将来どちらかが売る可能性まで見込んで、「売れる形」で切るのが鉄則です。奥の土地への通路を私道として持ち合う案は、将来の登記漏れや通行トラブルの種になりやすいため、できる限り避け、避けられないなら持分と通行・掘削の取り決めを書面にします(私道の落とし穴は私道の記事でご説明しました)。手順③、遺産分割協議。分筆を先に済ませてから協議書を作る方法と、「別紙図面のとおり分筆のうえ、甲部分を長男が、乙部分を二女が取得する」と分筆を前提に協議する方法があり、事案に応じて使い分けます。いずれでも、測量費・登記費用の負担、固定資産税の精算まで書き込んでおくと、後の疑義がありません。協議書では分筆後の各土地を図面と地積で正確に特定することが肝心で、曖昧な書き方は登記の差し戻しや兄妹間の解釈違いのもとになります。手順④、分筆登記(土地家屋調査士)。手順⑤、分筆後の各土地について相続登記(司法書士)。測量から名義が分かれるまで、トータルで3〜6か月が標準的な目安です。 そして、この分け方の最大の山場が、公平の作り方です。多くの方は「面積を等しく」と考えますが、土地の価値は面積に比例しません。南側で道路に面した部分と、北側の奥まった部分では、同じ50坪でも値打ちがまるで違う。角地側は単価が高く、間口の狭い側は安い。だから実務では、面積の平等ではなく価値の公平を目指します。具体的には、分筆案ごとに各区画の査定を取り(受け方は査定の記事を)、価値に差が出るなら、面積で調整する(価値の低い側を広めに切る)か、差額を代償金で埋める(代償分割との併用です)。「兄の区画が200万円分高いから、兄が妹に100万円払って痛み分け」——この端数調整の一言が入るだけで、現物分割は格段にまとまりやすくなります。逆に言えば、査定を取らずに「面積半分ずつ」で署名してしまうと、後から価値の差に気づいた側の不満が、長く尾を引くことになります。実例をひとつご紹介します。名古屋近郊に約240坪の敷地を遺されたご家庭で、長男は同居していた母屋に住み続けたい、二女は現金化したい、というご希望でした。当事務所で土地家屋調査士と分筆案を設計し、道路側の約100坪を二女の区画として切り出し、母屋側約140坪を長男が取得。二つの区画の査定差は長男からの代償金80万円で調整しました。境界確定から分筆・相続登記まで約5か月、二女の区画は当事務所の不動産部門で売却まで完了。「共有にしていたら、売る売らないでずっと揉めていたと思う」と、お二人とも仰っていました。一つの土地を、それぞれの人生に合う二つの土地へ——現物分割は、設計さえ正しければ、家族の選択肢を一番広げる分け方なのです。付け加えるなら、広い土地をお持ちの親御さんが元気なうちに境界確定だけでも済ませておくと、将来の分割は見違えるほど軽くなります。測量は、本人が隣地との経緯を語れるうちが一番正確で、一番安い——これも立派な生前対策です。
分筆案の設計・協議書・登記・売却。チームでワンストップの段取りを。
接道・間口・引き込み・市場価値まで見た分割線を、調査士と一緒に設計します。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。信頼できる土地家屋調査士と連携して進めます。
確定測量・分筆登記・相続登記・協議書作成。全体の費用と負担者の設計までお示しします。
費用を誰がどう負担するかまで協議書に落とし込み、後の疑義を残しません。
区画ごとの査定で価値の差を見える化し、代償金での端数調整までご提案します。
宅建業者である当事務所なら、分筆後の売却までを見据えた、まとまる分け方をご用意できます。
お気軽にご相談下さい。
分けた後の土地が一人前に使えるか。面積の平等より、価値の公平を。
現物分割は、土地を分筆してそれぞれが単独名義で受け継ぐ分け方で、共有と違い将来の売却も建築も各自の自由になります。向くのは、分けても各区画が一人前に使える広さと道路づけ(接道義務=間口2メートル)のある土地。無理に割ると旗竿地や未接道を生み、自治体によっては最低敷地面積の制限で分けられないこともあります。前提は境界の確定で、確定測量と分筆登記で数十万円規模・3〜6か月が目安。手順は、境界確定→売れる形での分筆案設計(私道の持ち合いは極力回避)→協議書(費用負担も明記)→分筆登記→相続登記です。最大の山場は公平の作り方で、面積ではなく区画ごとの査定による価値の公平を目指し、差は面積調整か代償金で埋めます。遺産分割による取得なら不動産取得税はかかりません。分筆案の設計から協議書、登記、売却まで、私たちにお任せください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。土地家屋調査士と連携した分筆の段取り、遺産分割協議書の作成、相続登記、分筆後の区画の査定・売却まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「広い実家の土地、兄妹でうまく分けられるでしょうか」。その土地に合う分割線、一緒に探しましょう。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。分筆の可否や費用は土地の状況・自治体の規制により異なりますので、実際のお手続きにあたっては専門家にご確認ください。
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