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地目が田や畑のままの土地を相続したら?登記と売却の注意を名古屋で解説

登記簿の「畑」の一文字のお話|家が建っていても、紙の上では農地です

 

現況は駐車場、登記は田。このずれ、放っておくと売るときに牙をむきます。

相続した実家の登記簿を取り寄せて、首をかしげる方がいます。「家が建っているのに、地目が『畑』になっているんですが」。地目とは、登記簿に記録された土地の用途の区分のこと。田、畑、宅地、山林、雑種地——土地には必ずこのラベルが付いています。そして名古屋近郊のように、かつて農地だった場所に家が建っていった地域では、現況は立派な宅地なのに、登記簿のラベルは昔のまま、という土地が今も数多く眠っています。

このずれ、普段の暮らしでは何も困りません。相続登記も、実は地目がずれたままでできます。ところが、売ろうとした瞬間、話が変わる。登記簿の上で農地である土地は、農地法の壁に阻まれて、そのままでは買主へ名義を移せないことがあるのです。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、地目の仕組みとずれが生まれた理由、相続登記との関係、そして売却やローンの場面で立ちはだかる壁と直し方——非農地証明と地目変更登記——までを、実例を交えてご説明します。

1 地目の基本|ずれが生まれる理由と、相続登記との関係

 

地目変更には「1か月以内」の申請義務が、実はずっと前からあります。

まず、地目の仕組みから。登記簿の表題部には、土地の所在・地番・地積とともに、地目が記録されています。田、畑、宅地、山林、原野、雑種地、公衆用道路など、法令で定められた区分で、土地の現況と利用目的に即して定まるのが原則です。つまり本来、家を建てて暮らしている土地の地目は宅地であるべきで、現況が変わったのに登記が昔のまま、というのがずれの正体です。なぜ、こんなずれが大量に生まれたのか。昭和の時代、農家の畑の一角に母屋や離れを建てる、庭先を駐車場にする——暮らしの変化はあっても、登記簿を直す習慣は乏しく、「困らないから」と放置されてきたためです。建物を建てるときに建築や融資が絡めば直す機会もありますが、自己資金での増築や、畑を少しずつ駐車場にしたような緩やかな変化は、誰にも気づかれないまま登記簿だけが昔に取り残されます。実は不動産登記法は、地目に変更があった日から1か月以内に地目変更登記を申請する義務を所有者に課しており、怠れば過料の定めもあります。相続登記の義務化で話題の「登記の義務」は、地目の世界ではずっと前から存在していたのですが、あまり知られておらず、結果として、現況は宅地・登記は畑という土地が世代を越えて受け継がれているのです。 では、相続との関係はどうか。ここは安心していただいてよいところで、相続登記そのものは、地目がずれたままでも申請できます。亡くなった方から相続人へ名義を移す登記に、地目を先に直す必要はなく、2027年3月31日を期限とする相続登記の義務化への対応も、地目はそのままで間に合います。ですから、「地目が畑だから登記が進められない」と心配して相続登記まで先送りするのは、本末転倒。名義の整理が先、地目の整理はその後で構いません。ただし、覚えておいてほしい注意が二つあります。一つは、登記簿の地目が田や畑である土地は、現況がどうであれ、登記の実務では農地として扱われがちだということ。農地の売買や贈与には農業委員会の許可が必要で(農地法の仕組みは農地の相続の記事でご説明したとおりです)、法務局は、地目が農地の土地の所有権移転について、許可書などの添付を求めます。相続による移転は許可が不要なので相続登記は通るのですが、売買はそうはいかない——ここが次の章の本題です。もう一つは、固定資産税との関係。固定資産税は登記の地目ではなく現況で課税されるため、「登記は畑なのに、税金はとっくに宅地並み」という土地がほとんどです。課税明細書の「現況地目」と登記簿の「地目」を見比べると、ずれは一目で分かります。毎年春に届く納税通知書は、言わば無料のずれ発見器。相続の際は、捨てずに登記簿と突き合わせてください。税を多く取られているわけではないから実害がない——そう見えるのが、このずれの静かなところで、実害は、売る・借りる・貸すという動きの場面で、まとめてやってきます。

2 売却とローンの壁|非農地証明・地目変更登記による直し方

 

買主のローンは「畑」には付きません。売り出す前に、ラベルを現実に合わせましょう。

売却の場面で何が起きるか、順にご説明します。第一の壁は、農地法の確認です。地目が田や畑の土地を売買で移転しようとすると、法務局は農地法の許可書か、「この土地はもう農地ではない」ことの証明を求めます。現況が何十年も前から宅地や駐車場なら、農業委員会に非農地証明(現況証明)を発行してもらい、それをもとに地目変更登記をして、登記簿のラベルを宅地や雑種地に直してから、所有権移転へ進むのが標準の段取りです。非農地証明の発行には、現地調査や、いつから農地でなくなったかの資料(建物の登記記録、古い航空写真、固定資産税の課税履歴など)が求められ、運用は市町村の農業委員会ごとに差があります。第二の壁は、買主の住宅ローンです。金融機関は、地目が田や畑のままの土地を担保として嫌います。融資の条件として「決済までに地目変更を完了させること」を求められるのが通常で、売買契約から決済までの短い期間に、証明の取得と地目変更を駆け込みで行う羽目になる——売り出す前に直しておけば避けられた綱渡りです。第三に、手続きの担い手。地目変更登記は、表題部の登記として土地家屋調査士の専門分野です(権利の登記を担う司法書士と連携して進めます)。費用は、非農地証明の取得や現地の状況にもよりますが、数万円台からが目安で、分筆や測量を伴う場合はその分が加わります(敷地の一部だけ地目が違う場合、分筆と組み合わせる場面もあります——分筆の実務は現物分割の記事をご覧ください)。 実務の進め方を整理しましょう。手順①、相続登記をまず済ませる(地目はそのままで可)。手順②、登記簿・公図・課税明細書を並べ、地目と現況のずれを棚卸しする。実家の敷地だけでなく、庭の続きの元畑、駐車場にした元田、私道になった元畑——ずれは一筆とは限りません(見落としやすい土地の拾い方は、私道の記事と財産目録の記事を)。手順③、売却や担保提供の予定がある土地から、農業委員会への相談→非農地証明→地目変更登記の順で直す。現況がまだ農地のままの土地は、この手は使えず、農地として売るか貸すか、転用の許可を取って用途を変えるかという、農地法の本道の話になります(市街化調整区域なら、さらに建築の規制も重なります——調整区域の記事でご説明したとおりです)。手順④、急がない土地も、次の相続までに直しておく。地目のずれも、住所のずれや未登記の増築と同じで、時間が経つほど証明の材料が失われていきます。「いつから農地でなくなったのか」を語れる人がいて、示せる書類が残っているうちが、いちばん安く、早く直せるときなのです。実例をひとつご紹介します。名古屋近郊の実家を売却するご相談で、敷地を調べると、母屋の土地は宅地でしたが、駐車場と庭の二筆が畑のままでした。買主のローン審査で地目がそのまま条件となり、当事務所で土地家屋調査士と連携して、農業委員会から非農地証明を取得(40年前の建物登記と航空写真が決め手でした)、地目変更登記を決済前に完了。予定どおりの引き渡しができました。売主は「地目なんて見たこともなかった」と仰いましたが、それが普通です。だからこそ、相続のタイミングは、登記簿のラベルと現実のずれを一度だけ総点検する、またとない機会なのです。親御さんがお元気なら、「あの畑、いつから駐車場にした?」と聞ける今のうちに。記憶という証拠は、航空写真より雄弁なことがあります。

 

 

3 名古屋のごとう司法書士事務所の特徴|調査士と連携してずれを解消

権利の登記は司法書士、表題の登記は調査士。チームで出口までつなぎます。

個別対応します|ずれの棚卸しから

登記簿・公図・課税明細書を突き合わせ、直すべき土地と順番を整理します。

当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。信頼できる土地家屋調査士と連携して進めます。

明瞭会計です|相続登記から地目変更まで一覧で

非農地証明・地目変更・分筆。かかる費用の全体像を最初にお示しします。

売却のご予定に合わせ、どこまで直すべきかの費用対効果からご説明します。

不動産のプロとして、売却の段取りに組み込みます

ローン条件を見越して、売り出し前に地目を整える工程表をご提案します。

 

宅建業者である当事務所なら、地目の解消を織り込んだ売却計画で、決済直前の綱渡りを防げます。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

相続登記は地目のままで可。売る前に、非農地証明と地目変更でラベルを現実に。

地目は登記簿に記録された土地の用途区分で、現況に即して定めるのが原則、変更から1か月以内の地目変更登記は従来からの義務です。現況は宅地でも登記は田・畑という土地は珍しくなく、相続登記は地目がずれたままでも申請でき、義務化(2027年3月31日期限)への対応も地目はそのままで間に合います。ただし、地目が農地の土地の売買は農地法の確認に阻まれ、買主の住宅ローンも地目変更の完了を条件とするのが通常です。直し方は、農業委員会の非農地証明(現況証明)を取得し、土地家屋調査士による地目変更登記で宅地等に改める流れで、証明には建物の登記記録や航空写真などの資料が役立ちます。相続を機に、登記簿・公図・課税明細書(現況課税)を突き合わせてずれを棚卸しし、売る予定の土地から順に整えてください。現況がまだ農地なら農地法の本道へ、調整区域なら建築規制の確認も。相続登記からずれの解消、売却まで、私たちにお任せください。

ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。相続登記、土地家屋調査士と連携した非農地証明・地目変更の段取り、農業委員会への相談、売却の実行まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。

▶「登記簿を見たら、うちの駐車場が『畑』でした」。よくあることです。慌てず、売る前に直しましょう。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。


 

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。非農地証明や地目変更の運用は農業委員会・法務局により異なりますので、実際のお手続きにあたっては各機関・専門家にご確認ください。

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