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相続した実家にインスペクション|建物状況調査の費用と効果を名古屋で解説
売主なのに、家のことを一番知らないのが相続の売却。だから調べてから売るのです。
相続した実家を売りに出すとき、多くの方がひそかに抱えている不安があります。「この家、どこか傷んでいないだろうか」。自分が暮らしてきた家なら、雨漏りの履歴も、床のきしみも、体で覚えています。ところが相続した家は違う。親が何十年も住んだ家のことを、売主であるあなた自身がよく知らないまま、買主に引き渡すことになるのです。空き家の期間が長ければ、その間の傷みはなおさら分かりません。
この「知らない」を「知っている」に変える道具が、建物状況調査——いわゆるホームインスペクションです。専門の資格を持つ建築士が、基礎や外壁、雨漏りの形跡などを調べ、家の今の状態を報告書にしてくれます。2018年の法改正で不動産取引の仕組みに組み込まれ、中古住宅の売買では当たり前の選択肢になりつつあります。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、建物状況調査で何が分かるのか、費用と受け方、結果が思わしくなかったときの考え方までを、実例を交えてご説明します。
調べるのは「構造の要」と「雨の入り口」。合否判定ではなく、今の姿の記録です。
まず、建物状況調査とは何かから。これは、既存住宅状況調査技術者という講習を修了した建築士が、建物の「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」——つまり、基礎・柱・土台といった家の骨組みと、屋根・外壁・開口部まわりといった雨の入り口——を、目視や計測を中心とした壊さない方法で調べるものです。基礎のひび割れ、外壁の浮きや亀裂、小屋裏や天井の雨染み、床の傾きといった劣化の事象を一つひとつ確認し、報告書にまとめます。中古住宅の売買で買主が一番恐れるのは「見えない傷み」であり、その不安が中古市場の壁でした。そこで2018年4月施行の宅地建物取引業法の改正で、この調査が取引の流れに正式に組み込まれました。具体的には、不動産業者は媒介契約を結ぶとき、調査を行う業者をあっせんできるかどうかを契約書に記載し、重要事項説明では、調査が行われていればその結果の概要を買主に説明し、売買契約の書面には建物の状況について当事者双方が確認した事項を記載する——という三段構えです。なお、重要事項説明の対象になるのは、木造戸建てなら実施から1年以内の調査です(鉄筋コンクリート造の共同住宅などは2年以内)。調査から時間が経てば家の状態も変わるためで、売却を決めてから受けるのが基本の順番になります。 三つ、誤解を解いておきます。第一に、建物状況調査は義務ではありません。法律が義務づけたのは業者による「あっせんの可否の明示」や「結果の説明」であって、調査を受けるかどうかは売主・買主の自由です。第二に、これは合格・不合格を決める試験ではなく、欠陥がないことを保証するものでもありません。目視できる範囲の劣化事象を記録する健康診断であって、壁の中まで全部を見通せるわけではない——この限界は、標準の媒介契約書にも明記されています。第三に、耐震診断とは別物です。旧耐震の記事でご説明した耐震診断は「地震にどれだけ耐えられるか」を構造計算で評価するもの、建物状況調査は「今どこが傷んでいるか」を観察するもの。昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた家なら耐震の問題が別にありますから、両方の視点が要ります。相続した実家にとってこの調査が持つ意味は、はっきりしています。売主であるあなたが、家の状態を知らないまま売らずに済む、ということです。親から「雨漏りは直した」と聞いていても、書類がなければ買主には伝わりません。空き家のまま1年、2年と置いた家は、住んでいた頃より確実に傷んでいます。第三者の建築士がまとめた報告書は、あなたの代わりに家の歴史の空白を埋めてくれる、客観的な一枚なのです。付け加えると、調査の前には建築確認済証や検査済証、過去のリフォームの契約書など、建物に関する書類をできるだけ集めておいてください。重要事項説明では書類の保存状況も説明項目になっていますし、書類と報告書がそろった家は、買主の目にはそれだけで「大事にされてきた家」と映ります。遺品整理の際に建物の書類を捨てないこと——これも立派な売却準備です。
悪い結果は隠す材料ではなく、値段と特約に正しく織り込む材料です。
インスペクションは買主が購入前に行うもの、という印象があるかもしれませんが、相続した実家の売却では、売主が売り出す前に受ける使い方——売主インスペクション——をおすすめしています。理由は三つ。第一に、契約不適合責任への備えになるからです。売買契約の記事でご説明したとおり、引き渡した家に契約内容と合わない欠陥があれば、売主は修補や代金減額、場合によっては解除や賠償の責任を負います。相続した家は売主自身が状態を知らないだけに、「知らなかった欠陥」が後から見つかる危険が大きい。先に調べて、分かった事実を告知書と重要事項説明で正直に開示しておけば、「言った・言わない」の争いの芽を大きく減らせます。第二に、買主の安心は価格に跳ね返るからです。報告書付きの家は、買主にとって「素性の分かる家」。値引き交渉の口実を先回りでつぶし、住宅ローンの審査や、検査と保証がセットになった既存住宅売買瑕疵保険の利用にも道が開けます。第三に、売り出し後の予定が立てやすくなる。傷みが数字で分かっていれば、修繕するのか、価格に織り込むのか、解体して土地で売るのかの判断を、売り出す前に済ませられます。 受け方と費用です。調査は、媒介契約のときに不動産業者からあっせんを受けるか、既存住宅状況調査技術者の資格を持つ建築士事務所へ直接頼みます。調査は半日程度、費用は戸建てでおおむね5万円から7万円前後が目安で、床下や小屋裏の進入調査、機器を使う詳細調査を加えれば上乗せになります。数百万円、数千万円の取引の入口で払う保険料と考えれば、決して高い買い物ではありません。なお、空き家の場合は調査当日までに電気と水道を使える状態にしておくと、設備まわりの確認がしやすくなります。防犯のためにブレーカーを落としてある家は、日程に合わせて段取りしておきましょう。さて、問題は結果が思わしくなかったときです。ここで慌てて「全部直してから売ろう」とするのは、たいてい間違いです。リフォーム費用は売値に全額は乗りません。直すべきものと、直さず値段で調整するものを仕分けるのが正解で、目安はこうです——雨漏りやシロアリ被害、給排水の不具合のように放置すれば進行して家全体を傷めるものは手当てを検討する。一方、古さそのものに属する劣化は、報告書ごと開示して価格に織り込む。買主は「傷みのない家」ではなく「傷みの分かっている家」を買いたいのです。実例をご紹介します。築32年の実家を相続した姉弟のご相談で、弟さんは「古い家だから、買い叩かれるのでは」と売却に消極的でした。当事務所で売主インスペクションをご提案し、調査の結果、外壁の一部劣化と浴室まわりの水染み跡が見つかりました。水染みは配管の点検と部分修繕で約20万円をかけて手当てし、外壁は報告書を開示したうえで価格に織り込んで売り出したところ、買主から「状態が分かっているのが決め手だった」と、値引き交渉のないまま契約に至りました。引き渡し後の連絡は一度もありません。先に知る、正直に見せる、値段で調整する——この三つがそろうと、古い家の売却は驚くほど静かに終わります。
相続登記から調査のあっせん、売買、決済まで。一つの窓口でつながります。
調査を受けるべき家か、土地として売る家か。入口の見立てからご一緒します。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。
インスペクション・修繕・税金まで、手取りの全体像を最初にお示しします。
「調べて、直して、いくら残るか」。売却の損益を先に数字でご確認いただけます。
報告書と告知書を突き合わせ、特約の文言まで目配りした契約をつくります。
調査結果を契約書にどう落とし込むかが、後日の紛争を防ぐ要です。登記の専門家が最後まで伴走します。
お気軽にご相談下さい。
知らない家を知らないまま売らない。報告書一枚が、価格と安心の土台になります。
建物状況調査(インスペクション)は、既存住宅状況調査技術者の資格を持つ建築士が、基礎や柱など構造の要と、屋根・外壁など雨の入り口の劣化を目視中心に調べて報告書にするもので、2018年4月施行の宅建業法改正により、媒介契約でのあっせんの明示、重要事項説明での結果概要の説明、売買契約書面での当事者確認という形で取引に組み込まれました。義務ではなく、合否判定でも欠陥がないことの保証でもありませんが、売主自身が家の状態を知らない相続の売却では、契約不適合責任への備え、買主の安心、売り出し前の判断材料という三つの効果を持ちます。費用は戸建てでおおむね5万円から7万円前後、重要事項説明に使えるのは木造戸建てで実施から1年以内の調査です。結果が悪くても慌てず、進行する傷みは手当てし、古さに属する劣化は報告書ごと開示して価格に織り込む——「傷みの分かっている家」こそ、買主が安心して買える家です。耐震診断とは役割が違いますから、旧耐震の家は両方の視点でご検討ください。相続登記から調査、売却、決済まで、私たちにお任せください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。相続登記、建物状況調査のあっせん、告知書と契約条項の整備、売却の実行まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「親の家のことが、何も分からないんです」。それが相続の売却の普通の姿です。調べてから、売りましょう。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。建物状況調査の費用や運用は調査機関により異なりますので、実際のお手続きにあたっては各機関・専門家にご確認ください。
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