
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
差押えは財産の凍結であって没収ではありません。まだ、打てる手があります。
相続した実家の登記簿を取り寄せて、甲区の最後の行に「差押」とあるのを見つけたら、誰でも血の気が引きます。市役所の名前があれば税金の滞納、裁判所の競売開始決定なら借金の担保実行——いずれにせよ、親の家に債権者の手がかかっていた、ということです。「こんな家、相続していいのか」「自分が借金を背負うのか」と不安になるのは当然です。
けれど、落ち着いてください。差押えは、勝手に売れないようにする処分の制限であって、所有権を取り上げるものではありません。家はまだ親の財産であり、相続の対象です。そして、滞納額や残債の大きさしだいで、納めて解除する道、売って清算する道、相続放棄で手を引く道と、取れる選択肢は複数あります。怖いのは差押えそのものではなく、調べずに放置して、公売や競売という一番安い出口に流れ着くこと。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、差押え登記の正体の見分け方から、調べ方、三つの道筋の選び方までを、実例を交えてご説明します。
市役所の差押えか、裁判所の競売か。登記簿の債権者の名前が教えてくれます。
まず、登記簿の読み解きから。差押えの登記は、所有者の歴史を記録する甲区に入ります(登記簿の読み方の記事でご説明した場所です)。大きく二つの種類があります。一つ目は、税金の滞納処分としての差押え。固定資産税や住民税、国民健康保険料などを滞納すると、市役所や税務署は裁判所を通さずに自ら財産を差し押さえることができ、登記簿には「差押 債権者 ○○市」のように記録されます。すでに他の役所が差し押さえている不動産に、別の役所が重ねて行う「参加差押」という記録もあります。二つ目は、裁判所を通じた差押え。住宅ローンやその他の借金の担保(抵当権)を実行する競売や、判決などに基づく強制執行で、「差押 ○○地方裁判所 担保不動産競売開始決定」のように記録されます。債権者の名前が役所なら税金、裁判所の決定なら借金——まずはここを見分けてください。見分けがつけば、連絡すべき相手も決まります。税金なら役所の納税課、競売なら決定を出した裁判所と、その先にいる債権者。差押えの登記には原因と日付も記録されていますから、「いつから、何の滞納が続いていたのか」という親の暮らしの後ろ姿まで、登記簿は静かに教えてくれます。 次に、相続との関係です。押さえていただきたいことが三つあります。第一に、差押えがあっても、その不動産は相続財産です。差押えは処分を制限するだけで、所有権は亡くなった方にあり、相続人に引き継がれます。相続登記も、差押えが付いたまま申請できます。第二に、差押えの原因となった滞納税金や借金も、相続債務として相続人に引き継がれるということ。しかも延滞税や延滞金、遅延損害金は、今この瞬間も膨らみ続けています。第三に、放置すれば換価——税金なら公売、借金なら競売——へ進むということです。公売や競売は、市場で普通に売るより安い価格で落札されるのが通常で、それでも足りなければ残りの債務だけが相続人に残ります。つまり、差押え付きの相続で一番損な選択は、怖くて何もしないことなのです。では、最初に何をするか。やるべきは収支の見える化です。①登記簿の全部事項証明書で、差押えの債権者・原因・日付と、抵当権などほかの担保も確認する。②債権者に連絡し、滞納額や残債の総額を照会する(役所の納税課、裁判所の事件番号から債権者へ。故人の借金の調べ方の記事の手法がそのまま使えます)。③不動産の時価を複数の査定で把握する(査定の受け方の記事を)。「家の値打ち」と「背負う債務」——この二つの数字がそろって初めて、次の章の三つの道筋から正しく選べます。なお、調べている間にも3か月の熟慮期間は進みます。調査に時間がかかりそうなら、家庭裁判所への期間伸長の申立てを忘れずに。
債務が家の値打ちを超えるなら手を引く。超えないなら、納めるか売って清算する。
数字がそろったら、道筋を選びます。道筋①は、相続放棄。滞納や残債の総額が、不動産を含む遺産全体の価値を明らかに超えているなら、3か月以内の相続放棄が正攻法です。放棄すれば、差押え付きの家も、膨らんだ延滞金も、まとめて引き継がずに済みます。注意点は二つ。放棄は全財産が対象で、「差し押さえられた家だけ手放して預金はもらう」という選び方はできないこと。そして、遺産に手を付けてしまうと放棄できなくなるおそれがあることです(放棄の基本は相続放棄の記事を、放棄後の管理の義務は放棄後の管理義務の記事をご覧ください)。プラスとマイナスのどちらが大きいか判断がつかないときは、プラスの範囲でだけ債務を引き継ぐ限定承認という中間の道もあります。道筋②は、納付して解除。滞納が固定資産税の数年分など比較的小さく、家の値打ちが十分に上回っているなら、相続人が滞納分を納付し、差押えを解除してもらうのが最も傷の浅い道です。納付が確認されれば、役所が差押え登記の抹消を嘱託してくれます。一括が難しければ、分割納付の相談にも役所は応じてくれることがあります。大切なのは、無視せず早く窓口に出向くこと。対応の姿勢を見せる相続人に、役所がいきなり公売を進めることは通常ありません。解除後は、普通の不動産として住むも売るも自由です。なお、納付した相続人の立て替え分は、遺産分割の中で他の相続人と精算するのが筋です。領収書を残し、協議書やメモに一行入れておきましょう——代表して動く人が損をしない形は、円満の土台です。 道筋③は、任意売却。残債が大きくて一括納付はできないが、家を売れば債務の大半または全部を清算できる——という中間帯で使う方法です。債権者(役所・金融機関)と協議のうえ、差押えや抵当権を解除してもらう条件を整えて市場で売却し、代金から配当する。競売や公売を待つより高く売れるのが通常で、債務を清算してなお手元にお金が残ることも珍しくありません。実務では、売却代金の配分、解除の順序、決済当日の同時処理(売買契約と決済の記事でご説明した段取りの応用です)を、債権者との間で事前に詰めておくことが成否を分けます。そして、どの道筋でも前提になるのが相続登記です。任意売却も納付後の売却も、名義が故人のままでは進められません。競売開始決定が出ている事案では、入札期日までの時間との勝負になりますから、調査・登記・交渉を並行で走らせる段取り力が要ります。競売の手続きが進むほど取下げのハードルは上がり、買受人が決まってしまえばもう引き返せません。登記簿に裁判所の決定を見つけた日が、動き出す日だとお考えください。逆に、まだ差押えだけで公売や競売の気配がない段階なら、時間の余裕はあります。慌てて安売りする必要はなく、三つの道筋を数字で比べてから決めれば間に合います。実例をご紹介します。お父様を亡くした方からのご相談で、実家の登記簿に市の差押え(固定資産税の滞納)が入っていました。照会の結果、滞納は延滞金込みで約80万円。一方、実家の査定は約1,500万円。数字を見れば答えは明らかで、相続放棄ではなく、相続登記と並行して相続人が滞納分を納付し、差押えは解除。その後、落ち着いて売却し、納付分を差し引いても十分な手取りを確保できました。ご相談の第一声は「放棄するしかないですよね」でした。数字を見る前に結論を出さないこと——差押え付きの相続で、これほど大切なことはありません。もう一つ添えると、差押えの事実はご家族の誰かが一人で抱え込みがちな情報です。恥ずかしい話だからと隠して協議を進めると、後から判明したときの不信のほうがよほど高くつきます。登記簿は誰でも取れる公開情報。先に自分たちで開いて、全員で同じ数字を見る——それが一番傷の浅い始め方です。
調査・放棄・登記・売却。期限のある仕事を、一つの窓口で並行して進めます。
債権者への照会、査定、3か月の期限管理まで、初動をまとめてお手伝いします。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。
放棄の申述、相続登記、売却まで、選んだ道筋ごとの費用を最初にご確認いただけます。
熟慮期間の伸長申立てが必要な場合も、期限から逆算した工程表をご提案します。
債権者との調整、解除の段取り、決済の同時処理。売って清算する道もお任せください。
弁護士・税理士とも連携し、競売・公売より有利な出口を一緒に探します。
お気軽にご相談下さい。
差押えは没収ではない。数字を見える化し、放棄・納付・任意売却から正しく選ぶ。
相続した不動産の登記簿に差押えの登記があっても、慌てる必要はありません。差押えには税金の滞納処分(債権者が役所・参加差押を含む)と、裁判所を通じた競売・強制執行の二種類があり、いずれも所有権を奪うものではないため、不動産は相続財産として引き継がれ、相続登記も差押えが付いたまま申請できます。ただし滞納税金や借金も相続債務として承継され、延滞金は膨らみ続け、放置すれば市場より安い公売・競売で換価されます。最初にやるべきは、債権者と滞納額・残債の照会、複数査定による時価把握という収支の見える化。そのうえで、債務が明らかに上回るなら3か月以内の相続放棄(期間伸長の申立ても可能・限定承認という中間の道も)、滞納が小さければ納付して差押えを解除、中間帯なら債権者と調整して任意売却で清算——の三つの道筋から選びます。数字を見る前に「放棄するしかない」と決めないこと。調査から登記、交渉、売却まで、私たちにお任せください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、法律用語の誤解がトラブルにつながらないよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。差押えの調査、相続放棄の申述書類の作成、相続登記、任意売却の実行まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「登記簿に差押って書いてあるんです」。その二文字の正体から、一緒に調べましょう。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。差押えへの対応は債権者や事案により異なりますので、実際のお手続きにあたっては各機関・専門家にご確認ください。
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号 TCF丸の内ビル6階
名古屋市地下鉄桜通線又は名城線「久屋大通駅」:桜通線側の1番出口から徒歩5分
名古屋市地下鉄桜通線又は鶴舞線「丸の内駅」 :桜通線側の4番出口から徒歩6分
9:00~19:00
土・日・祝(ただし、事前予約により相談可能)
※フォームからのお問合せは24時間受付しております。