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マンションの相続名義変更はどう進める?敷地権と期限の注意点【名古屋のごとう司法書士事 務所】

相続に関する気になるトピックや情報を配信しています。ご興味のある記事がございましたら、ご参考にしてみて下さい。

マンションの相続名義変更の進め方

~遺産分割から登記・税金まで、マンション相続の流れを名古屋の司法書士が解説~

親御さんの分譲マンションを、いずれ相続することになりそうだ――そんな見通しをお持ちの 方は多いのではないでしょうか。 マンションは遺産の中でも特に価値の大きい財産です。相続した後には名義変更(相続登記) や税金の申告が控えており、これらを後回しにすると、過料や親族間のトラブルにつながるお それがあります。しかも令和 6 年からは相続登記が義務になり、「いつかやればいい」では済 まなくなりました。 そこで今回は、名古屋の司法書士が、マンションの名義変更を進めるうえでの注意点を、相続 登記の前・期限・後の 3 つの場面に分けて解説します。

1 マンションの相続登記をする際の注意点

~遺言の確認と遺産分割協議、安易な共有は避けるのが鉄則~

最初に行うのは、誰がマンションを引き継ぐかを確定させることです。

故人が遺言を残していれば、原則としてその内容に従って相続します。公正証書遺言は、全国 どこの公証役場からでも「遺言検索」で有無を調べられます。自筆の遺言については、令和 2 年 7 月に始まった法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している可能性があるため、法務局 への照会も忘れずに行いましょう。もちろん、自宅の書斎や銀行の貸金庫に保管されているケ ースも依然として多くあります。話し合いがまとまった後に遺言が見つかると、それまでの協 議が振り出しに戻りかねません。探せる場所はすべて先に確認しておくことが大切です。

遺言がない場合は、戸籍上の相続人全員による遺産分割協議で取得者を決めます。一人でも欠 けた協議は無効ですので、まず戸籍をさかのぼって相続人を確定させます。調査の過程で面識 のない相続人が判明することもありますが、最初の連絡の仕方ひとつで協議の成否が変わりま す。感情的な行き違いは一度こじれると修復が難しいのが相続の現実ですから、慎重に進めま しょう。

遺産分割で私たちが一貫しておすすめしているのは、「1 つのマンションは 1 人が相続する」こ とです。複数人の共有にすると、「自分は住みたい、もう 1 人は貸したい」といった具合に、 活用方針の食い違いがそのまま対立になります。共有不動産は昔からトラブルの温床です。管 理費や修繕積立金という固定費が毎月かかるマンションを自由に処分できない状態は、想像以 上の負担になります。 公平な分け方をしたいときは、マンションを売却して代金を相続分に応じて分ける「換価分 割」が有力な選択肢です。不動産そのものは物理的に分けられませんが、お金に換えれば 1 円 単位で公平に分割できます。 また、1 人がマンションを取得する代わりに、他の相続人へ自分の金銭などを渡す「代償分割」 という方法もあります。

ただし、渡す代償財産が放棄した法定相続分に見合わない場合、贈与 税が課される可能性があります。分け方の設計次第で税負担は変わりますので、不要な税金が 生じない形を事前に検討しておきましょう。

取得者を決める際は、そのマンションを今後どうするか――住むのか、貸すのか、売るの か――まで話し合っておくことをおすすめします。不動産は自分で住む場合を除き、持ってい るだけでは価値を生まず、維持費だけが出ていくからです。 

2 いつまでにマンションの相続登記をすればよいか

~令和 6 年 4 月から義務化、「取得を知った日から 3 年以内」が期限~

かつて相続登記に期限はありませんでしたが、現在は違います。令和 6 年 4 月 1 日から相続登 記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から 3 年以内に申請しなければ、正 当な理由がない限り 10 万円以下の過料の対象となります。

義務化より前に発生した相続も対象で、こちらは原則として令和 9 年 3 月 31 日が期限です。「先代の名義のまま」のマンションに 心当たりがある方は、早急に着手すべきタイミングに来ています。 期限の問題を別にしても、先延ばしには実害があります。時間の経過とともに必要書類が取得 できなくなったり、相続人にさらに相続が発生して権利関係が複雑になったりするためです。 当初の口約束が実現できなくなり、困るのは次の世代です。相続は自分たちの代で整理してお きましょう。なお、遺産分割協議がすぐにまとまらない場合には、相続人であることを法務局 に申し出る「相続人申告登記」でひとまず義務を果たす方法もありますが、これだけでは売却 はできず、最終的には通常の相続登記が必要です。 マンションの相続登記の手続き自体は、一戸建てとほとんど変わりません。

ただし、マンショ ンならではの確認事項が「敷地」です。敷地とはマンションが建っている土地のことで、「敷 地権」が設定されているマンションであれば、専有部分(お部屋)の名義変更に伴って敷地の 持分も一体で移転します。 一方、敷地権の設定がないマンションでは、専有部分とは別に、敷地の共有持分について移転 登記をしなければなりません。敷地権の制度ができる前に分譲された築年数の古いマンション に、このタイプが残っています。敷地権の有無は登記簿を見れば分かりますので、古いマンシ ョンの場合は必ず登記簿を確認してください。土地の持分を見落とすと、建物だけ名義が変わ り敷地は故人のまま、という登記漏れにつながります。

費用面では、登録免許税(固定資産税評価額の 0.4%)がかかりますが、相続による土地の移転 登記には、課税価格が 100 万円以下であれば非課税となる特例があります。マンションの敷地 は、土地全体の評価額に小さな持分割合を掛けて計算するため、この特例に当てはまるケース が少なくありません。複数の土地が敷地になっている場合は持分ごとに個別に判定するという 取扱いも明確化されており、正確な判断は専門家にご相談いただくのが確実です。 

3 マンションを相続登記した後の注意点

~相続税の申告・納税は 10 か月以内、マンションは評価ルールの変更にも注意~

相続登記を終えた後にも、確認すべきことが残っています。

その代表が相続税です。

相続税には「3,000 万円+600 万円×法定相続人の数」の基礎控除があり、遺産の総額がこの 範囲に収まれば相続税はかかりません。また、配偶者が取得した分については、1 億 6,000 万 円(または法定相続分相当額)まで税額が軽減される制度があります。ただし、この軽減は申 告をして初めて適用されるものですので、「税額がゼロになるから申告不要」と思い込まない よう注意が必要です。 申告と納税の期限は、亡くなられたことを知った日の翌日から 10 か月以内です。期限を過ぎる と延滞税などが課されます。

10 か月以内に行うのは申告だけでなく納税もである点を、くれぐ れも間違えないようにしましょう。 マンション特有の注意点として、令和 6 年 1 月 1 日以後の相続からは、市場価格と相続税評価 額の開きが大きい分譲マンションについて評価額を補正する新しいルール(いわゆる区分所有 補正率)が導入されています。都心部や高層階の物件では、従来の感覚よりも評価額が高く算 定されることがあり、「うちは基礎控除内のはず」という見込みが外れる場合もあります。 また、管理費・修繕積立金の支払義務は相続人に引き継がれ、故人に滞納があればその分も承 継します。名義変更とあわせて管理組合(管理会社)への所有者変更の届出を済ませ、支払方 法を整えておきましょう。

なお、法改正の動きにも触れておくと、令和 8 年 4 月に施行された区分所有法の改正により、 所有者が分からないまま放置された専有部分について、裁判所が管理人を選任して管理・処分 に関与できる制度が始まっています。名義変更をせずに放置されたマンションは、いずれ第三 者の管理下に置かれ得る時代になったということです。 

まとめ

~マンションの名義変更は早めに、専門家と二人三脚で~

名古屋の司法書士が、マンションの相続名義変更の注意点を、相続登記の前・期限・後に分け て解説しました。

遺言の確認、遺産分割協議、敷地権のチェック、3 年という登記期限、そして 10 か月の相続税 の期限――マンションの相続には、押さえるべきポイントと期限がいくつもあります。今回ご 紹介した内容が、これからマンションを相続される方の道しるべになれば幸いです。

どの手続きも無理にお一人で抱え込まず、困ったことや不安なことがあれば、司法書士などの 専門家の力を借りながら慎重に進めることをおすすめします。そうすれば、期限に追われるこ となく、スムーズに相続の手続きを終えられるはずです。

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