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不動産相続で後悔しない3つの注意点|遺産分割・登記義務化・相続税【名古屋】

相続に関する気になるトピックや情報を配信しています。ご興味のある記事がございましたら、ご参考にしてみて下さい。

はじめに|実家や土地を相続したら、まず立ち止まって考えたいこと

不動産の相続は「分け方」「登記」「税金」の3つを最初に押さえるだけで、その後の手続きが驚くほどスムーズになります。

不動産の相続は、人生のなかで何度も経験するものではありません。親御さまが急に亡くなられた場合には、心の整理がつかないまま、実家や土地といった大切な財産の手続きに向き合うことになります。「何から手をつければよいのか分からない」「兄弟姉妹の間で話しにくい」というお声を、名古屋のご相談者さまから毎日のようにお聞きします。

不動産は預貯金と違って1円単位で分けることができず、評価の仕方によって金額も変わるため、相続財産のなかでも特にトラブルになりやすい資産です。さらに、2024年4月からは相続登記が法律上の義務となり、2026年4月からは住所変更登記の義務化もスタートしました。「そのうちやればいい」が通用しない時代に変わっています。

 

本記事では、相続手続きを専門とする名古屋のごとう司法書士事務所が、不動産相続で後悔しないために最初に考えていただきたい3つの注意点を、①遺産分割の方法、②相続登記の期限とリスク、③相続税の控除・特例という順番で、できるだけやさしい言葉で解説します。ご自身のご家庭に当てはめながら、チェックリストのようにお読みいただければ幸いです。

1 不動産相続の注意点|「分け方・登記・税金」の3つの視点で整理する

3つの視点は手続きの順番でもあります。ひとつずつ確認していきましょう。

 

不動産相続のご相談をお受けするとき、私たちは必ず「分け方は決まっていますか」「登記の期限はご存じですか」「税金の特例は確認しましたか」という3つの質問から始めます。この3つはそれぞれ独立した論点のようでいて、実は密接につながっています。たとえば分け方(遺産分割)が決まらなければ相続登記は進められませんし、どの特例が使えるかによって、売却して分けるべきか、誰かが住み続けるべきかという分け方の答えも変わってくるからです。順番に見ていきましょう。

1-1 不動産の遺産分割方法が不公平にならないようにする|4つの分け方と選び方の目安

「現物・代償・換価・共有」の4つの方法には、それぞれ向き不向きがあります。

不動産の遺産分割には、大きく分けて次の4つの方法があります。

  • 現物分割:不動産をそのままの形で、相続人のうち1人が単独で取得する方法です。実家に長男が住み続けるようなケースが典型で、手続きはもっともシンプルです。ただし、他の相続人が受け取る財産との間に差が生じやすく、不公平感が残ると後々の親族関係に影を落とすことがあります。
  • 代償分割:1人が不動産を取得する代わりに、他の相続人へ代償金(金銭)を支払う方法です。たとえば評価額3,000万円の実家を長女が取得し、二男へ1,500万円の代償金を支払えば、計算上は公平になります。取得する方に代償金を支払えるだけの資力が必要になる点と、不動産の評価額をいくらとみるかで意見が分かれやすい点に注意が必要です。
  • 換価分割:不動産を売却し、売却代金から諸費用を差し引いた残りを相続人で分ける方法です。金銭で分けるため公平性を保ちやすく、相続人が多い場合や、主な遺産が不動産だけという場合によく選ばれます。当事務所でも、名古屋市内の実家を換価分割し、売却代金を3人のお子さまで等分に分けたことで円満に解決した事例が数多くあります。一方で、思い出のある実家を手放すことへの心理的な抵抗や、売却時期による価格の変動リスクは考慮しておきましょう。
  • 共有分割:不動産を複数の相続人の共有名義にする方法です。一見公平に見えますが、将来の売却や賃貸、リフォームに共有者全員の同意が必要になり、共有者に相続が発生するとネズミ算式に権利関係が複雑化します。私たち専門家の立場からは、共有分割は「問題の先送り」になりやすく、できる限り避けていただきたい方法です。

どの方法を選ぶにしても、出発点は相続人全員による遺産分割協議、つまり話し合いです。話し合いがまとまらず家庭裁判所の調停・審判に進むと、解決までに1年以上かかることも珍しくなく、費用面でも精神面でも大きな負担となります。「法定相続分どおりに」と杓子定規に考えるより、誰がその不動産を必要としているか、代償金や納税の資金は用意できるかといった現実的な事情を持ち寄って、感情がこじれる前に方向性を決めることが何よりの紛争予防になります。

 

なお、相続人のなかに海外にお住まいの方や外国籍の方がいらっしゃる場合、遺産分割協議書への押印に代えてサイン証明(署名証明)や在留証明の取得が必要になるなど、通常より手続きに時間がかかります。国際的な相続手続きに対応できる専門家へ、早めにご相談ください。

2-2 相続登記をせずに放置しておくと発生するデメリットを知っておく|2024年4月から義務化・過料の対象に

相続登記は「3年以内」が法律上のルールになりました。放置のリスクは年々大きくなっています。

亡くなられた方の名義のままになっている不動産は、そのままでは売却も、賃貸も、担保に入れることもできません。買主や金融機関から見れば「本当の所有者が誰か分からない」不動産だからです。かつては相続登記に期限がなく、「費用がかかるから」「誰も住まないから」と放置されるケースが後を絶ちませんでしたが、所有者不明土地の増加が社会問題となったことを受け、法律が大きく変わりました。

**2024年(令和6年)4月1日から、相続登記の申請は法律上の義務になりました。**不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なく怠った場合には10万円以下の過料の対象となります。しかも、この義務は法改正前に発生した過去の相続にも適用され、こちらは2027年(令和9年)3月31日までが申請の期限とされています。「祖父名義のままの土地がある」というご家庭は、まさに今が対応のタイミングです。

遺産分割の話し合いがすぐにまとまらない場合の応急措置として、「相続人申告登記」という制度も新設されました。自分が相続人であることを法務局に申し出ることで、ひとまず義務を果たしたことになる簡易な手続きで、他の相続人の関与なく単独で申し出ることができます。ただし、これはあくまで相続人の氏名・住所が登記に付記されるだけで、不動産の権利関係を公示するものではありません(令和6年3月15日付け法務省民二第535号通達)。売却や担保設定のためには、結局のところ遺産分割を成立させて正式な相続登記を行う必要がある、いわば「仮のカード」であることを理解しておきましょう。

さらに、**2026年(令和8年)4月1日からは、引っ越しなどで所有者の住所・氏名が変わった場合の変更登記も義務化されました。**変更日から2年以内に登記をしないと5万円以下の過料の対象となります。相続登記とあわせて、ご自身の登記上の住所が現住所と一致しているかも確認しておくと安心です。

 

登記以外の面でも、放置のデメリットは深刻です。時間の経過とともに相続人が亡くなって数次相続が発生すると、相続人が10人、20人と増え、会ったこともない親族全員の協力がなければ登記ができない状態に陥ります。当初は仲の良かった相続人同士でも、年月とともに事情や気持ちが変わり、認知症などで話し合い自体ができなくなることもあります。その間も固定資産税は毎年課税され、空き家となった建物の管理責任も相続人が負い続けます。管理が不十分な空き家は「管理不全空家」や「特定空家」に指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が最大6倍程度に跳ね上がるおそれもあります。不動産の所有者を早期に確定させることは、ご家族の負担を減らす最大の防御策なのです。

1-3 相続税控除を受けられるか確認する|申告期限は10か月・特例の適用で税額が大きく変わる

相続税には強力な控除・特例があります。ただし「申告しなければ使えない」ものが多い点にご注意ください。

不動産を相続すると、相続税がかかる可能性があります。まず確認したいのが基礎控除です。相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があり、たとえば相続人が配偶者とお子さま2人の合計3人なら4,800万円までの遺産には相続税がかかりません。名古屋市中区周辺のように地価の高いエリアでは、ご自宅と預貯金だけで基礎控除を超えるケースが少なくありませんので、まずは財産の概算評価から始めましょう。

基礎控除を超える場合でも、代表的な控除・特例で税額を大きく抑えられる可能性があります。

  • 配偶者の税額軽減:配偶者が取得した財産は、1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。
  • 小規模宅地等の特例:亡くなられた方のご自宅の土地を配偶者や同居の親族などが相続した場合、330㎡までの部分について評価額を80%減額できる制度です。評価額5,000万円の土地なら1,000万円として計算できる、非常に効果の大きい特例です。
  • 相続空き家の3,000万円特別控除:相続した空き家(昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震の家屋等の要件があります)を耐震改修または取壊しのうえ売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は各2,000万円)を控除できる特例で、現行制度は2027年(令和9年)12月31日までの売却が対象です。
  • 取得費加算の特例:相続税を納めた方が、相続開始から3年10か月以内に相続財産を売却した場合、納めた相続税の一部を売却時の経費(取得費)に加算できる制度です。

 

ここで大切なのは、相続税の申告期限が「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」と定められていること、そして配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、税額がゼロになる場合でも申告をしなければ適用されないことです。また、換価分割を予定している場合には、これらの特例が使える売却タイミングを逃さないよう、遺産分割・登記・売却のスケジュールを逆算して組む必要があります。誰がどの不動産を相続するかによって使える特例が変わるため、遺産分割の方針を決める段階から税金を意識しておくことが、結果として手取り額の大きな差につながります。税額の具体的な計算や申告については、当事務所から提携の税理士をご紹介するなど、ワンストップでサポートいたします。

まとめ|迷ったら、手続きが複雑になる前に専門家へご相談を

「分け方・登記・税金」を早めに整えることが、ご家族の安心への一番の近道です。

不動産相続で後悔しないための3つの注意点として、①遺産分割は4つの方法の特徴を踏まえて不公平にならない形を選ぶこと、②相続登記は義務化されており放置のリスクが年々大きくなっていること、③相続税の控除・特例は申告期限から逆算して確認することをお伝えしました。

 

不動産の相続は、法律・登記・税金の知識が同時に求められるうえ、ご家族の感情も絡む繊細な手続きです。おひとりで抱え込む必要はありません。名古屋のごとう司法書士事務所は、相続を専門とする司法書士と宅地建物取引士が在籍し、遺産分割協議書の作成から相続登記、不動産の売却まで、お客さまごとのオーダーメイドでワンストップの相続手続きをご提供しています。女性スタッフによる対応や、海外在住・外国籍の相続人がいらっしゃる国際相続のご相談も承っております。初回相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は2026年7月時点の法令・制度をもとに作成しています。相続登記や税制に関する制度は改正されることがありますので、実際のお手続きにあたっては最新の情報を司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。

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