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相続した家の売却でかかる税金と3,000万円控除|名古屋の司法書士が解説

相続に関する気になるトピックや情報を配信しています。ご興味のある記事がございましたら、ご参考にしてみて下さい。

ここがポイント!相続した不動産を売るときの税の話|控除を知っているかどうかで手取りは数百万円変わります

売却前に押さえたい2つの注意点と、3,000万円特別控除の使い方をやさしく解説します。

相続した実家に住む予定がない。貸すのも管理するのも大変そうだ。あるいは、相続人同士で公平に分けるために現金に換えたい。相続した不動産の売却を考える理由は、ご家庭によってさまざまです。実際、住み手のいない実家は持っているだけで固定資産税と維持費がかかるため、早めに売却して現金化することは、とても合理的な選択肢のひとつです。

ただし、相続した不動産の売却には、一般の売却とは違う「相続ならでは」の注意点があります。ひとつは、売却の前提として相続登記(名義変更)を済ませなければならないこと。もうひとつは、売却して利益が出ると譲渡所得税がかかること、そしてその税金を大きく減らせる3,000万円特別控除には適用要件と期限があることです。

 

特に控除の存在を知らずに売却の段取りを組んでしまうと、本来ゼロにできたはずの税金を数百万円単位で納めることになりかねません。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、相続した不動産を売るときの2つの注意点と、知らないと損をする特別控除のポイントを、はじめての方にもわかりやすく解説します。

注意点1まずは相続登記を済ませる|名義変更をしないと売却はできません

売却スケジュールは「登記にかかる時間」を織り込んで組みましょう。

相続した不動産を売却するには、その前提として、亡くなった方の名義を相続人の名義に変更する相続登記を済ませておく必要があります。登記簿上の所有者でなければ、買主への所有権移転登記ができないため、名義が故人のままでは売買を完了できないのです。実務上は、売買契約までに相続登記を終えておくのが原則です。

この相続登記、意外と時間がかかります。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍をすべて集めて相続人を確定し、相続人全員で遺産分割協議を行い、協議書に実印を押してもらってはじめて申請できます。2024年3月から始まった戸籍の広域交付制度で収集は楽になりましたが、本籍地を何度も移している方や相続人が多いご家庭では、準備に1〜2か月、場合によってはそれ以上かかることも珍しくありません。

費用の面もあらかじめ押さえておきましょう。相続登記には登録免許税(固定資産評価額の1000分の4)がかかり、評価額2,000万円の実家なら8万円です。これに戸籍などの取得実費と、司法書士に依頼する場合の報酬が加わります。売却代金から見れば小さな先行投資ですが、これを済ませておかないと売却活動そのものが始められません。

 

また、相続登記は2024年4月から義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になります。後ほどご説明する税金の特例にも「相続開始から3年」という期限が関わってきますから、「売ると決めたらまず登記」が鉄則です。なお、売却代金を相続人で分ける換価分割を行う場合は、遺産分割協議書にその旨を明記しておかないと、代金の分配が贈与とみなされるリスクがあるため、書き方には専門的な注意が必要です。

注意点2不動産を売却すると譲渡所得税が発生する|計算のしくみと税率を知っておこう

「売った値段」ではなく「もうけ」に課税されます。まずは計算式から。

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出ると、所得税・住民税、いわゆる譲渡所得税がかかります。計算式は次のとおりです。

譲渡所得=売却代金-取得費(買ったときの代金など)-譲渡費用(仲介手数料など)

税率は不動産の所有期間で変わり、5年超の長期譲渡なら20.315%、5年以下の短期譲渡なら39.63%です。相続の場合、所有期間は亡くなった方が買った時期から通算されるため、親が長年住んだ実家ならほとんどが長期譲渡に当たります。

ここで問題になりやすいのが取得費です。親や祖父母が何十年も前に取得した不動産は、当時の売買契約書が見つからず取得費が不明なことが多く、その場合は売却代金の5%を取得費とみなす概算取得費で計算せざるを得ません。相続不動産の売却で税金が思いのほか高くなる原因の多くは、この取得費問題です。実家を売る予定が少しでもあるなら、まずは購入当時の契約書や領収書が残っていないか、書類の捜索から始めましょう。たとえば2,000万円で売れた実家の契約書が見つからなければ、取得費はわずか100万円とされ、譲渡費用を70万円としても譲渡所得は1,830万円。長期譲渡でも約372万円もの税金がかかる計算になります。

なお、譲渡所得が出た場合は、売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告が必要です。忘れやすいのは、これからご紹介する特別控除を使って税額がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるためには確定申告そのものは必須だという点です。「税金がかからないなら申告も不要」と思い込んで無申告のままにすると、特例が使えず本来の税額を求められる恐れがありますので、くれぐれもご注意ください。

 

この負担を大きく減らしてくれるのが、次にご紹介する2つの「3,000万円特別控除」です。どちらも譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける強力な制度で、先ほどの例なら税金はゼロになります。ご自身がどちらを使えるのか、順に確認していきましょう。

ポイント1同居していた自宅を売却する場合|居住用財産の3,000万円特別控除が使えます

親と同居していた家を相続して売るなら、マイホーム特例の出番です。

亡くなった方と同居していたご自宅を相続し、その家を売却する場合は、ご自身のマイホームを売ったことになるため、居住用財産の3,000万円特別控除、いわゆるマイホーム特例を使えます。所有期間の長短を問わず、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

たとえば譲渡所得が2,000万円なら、控除後の課税対象はゼロ。本来なら約406万円(2,000万円×20.315%)かかるはずだった税金が、まるまる手元に残る計算です。

さらに、所有期間が10年を超えるマイホームの売却では、3,000万円を控除してもなお残った譲渡所得のうち6,000万円以下の部分に、通常より低い14.21%の軽減税率を適用できる特例もあります。相続した自宅の場合、親御さまの所有期間を引き継いで10年超と判定されることが多いため、高く売れたケースでも税負担を抑えられる可能性があります。

 

注意点は期限と相手方です。この特例は、その家に住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却しなければ使えません。相続を機に転居を考えている方は、引っ越しから売却までの期間にご注意ください。また、配偶者や親子など特別な関係にある人への売却には適用されないほか、売却した年の前年・前々年にこの特例を使っていないことなどの要件もあります。新居で住宅ローン控除を使いたい場合、この特例とは併用できないため、どちらが有利かの比較も必要です。

ポイント2空き家になった実家は相続開始から3年以内の売却が有利|相続空き家の3,000万円特別控除

一人暮らしだった親の実家を売るなら、「空き家特例」の期限から逆算しましょう。

一人暮らしをしていた親御さまが亡くなり、空き家になった実家を売却する場合には、相続空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)を検討します。主な適用要件は次のとおりです。

第一に、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準の建物が対象で、マンションなどの区分所有建物は対象外です)。第二に、相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと(要介護認定を受けて老人ホームに入所していた場合の例外もあります)。第三に、相続してから売却まで、賃貸に出したり事業に使ったりしていないこと。第四に、売却代金が1億円以下であること。第五に、家屋を耐震基準に適合させて売るか、取り壊して敷地だけを売ることです。この耐震要件は2024年の改正で使いやすくなり、売却後に買主側が翌年2月15日までに耐震改修や取壊しを行う場合でも適用できるようになりました。

土地建物のまま売るか、解体してから売るかを選ぶ際は、建物を解体する「時期」にも注意が必要です。まず特例の要件面では、売主側で解体する場合は譲渡(引渡し)までに取壊しを終えている必要があり、かつ取壊しから譲渡までの間に敷地を駐車場などとして貸してしまうと適用できなくなります。解体後の土地は売却まで未利用のまま維持するのが原則です。次に固定資産税の面では、毎年1月1日時点に建物があるかどうかで課税が決まるため、年末に解体して売却が翌年にずれ込むと、住宅用地特例が外れて翌年の土地の固定資産税が跳ね上がる恐れがあります。このため実務では、先に買主を見つけて売買契約を結び、引渡しまでの間に解体して更地でお渡しする「更地渡し」とするか、2024年改正を活かして建物付きのまま売却し買主側に取壊してもらう方法が定番です。解体のタイミングひとつで特例の可否と税負担が変わりますので、売却の段取りと必ずセットで計画しましょう。

効果をシミュレーションしてみましょう。名古屋市内の実家(昭和55年建築)を相続し、更地にして2,500万円で売却したケース。古い物件で契約書がなく、概算取得費は125万円、解体費と仲介手数料などの譲渡費用が250万円とすると、譲渡所得は2,125万円となり、本来なら約432万円の税金がかかります。ここで空き家特例が使えれば課税対象はゼロ。数百万円の差は、実家の売却代金の使い道を大きく変えるはずです。

 

期限は二重に意識してください。まず、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却が条件です。たとえば2026年8月に相続が発生したなら、2029年12月31日が期限になります。加えて、制度自体の適用期限が2027年12月31日までの売却とされています(過去にも延長されてきた制度ですが、延長されるかは未定です)。なお、2024年からは相続人が3人以上の場合の控除額は1人2,000万円に減額されています。適用には市区町村が発行する被相続人居住用家屋等確認書が必要で、取得には現況写真や電気・ガスの閉栓証明などの資料をそろえる手間がかかります。また、相続税を納めた方が使える取得費加算の特例とはどちらか一方の選択適用となるため、どちらが有利かはケースごとの試算が欠かせません。

まとめ|期限から逆算して、登記と売却の段取りを

「登記→売却→確定申告」。3年のカウントダウンは相続の日から始まっています。

相続した不動産の売却では、まず相続登記を済ませることが出発点です。そのうえで、売却益にかかる譲渡所得税は、同居していた自宅なら居住用財産の3,000万円特別控除、一人暮らしだった親御さまの実家なら相続空き家の3,000万円特別控除によって、大きく減らせる可能性があります。どちらの特例も「相続開始から(住まなくなってから)3年」前後の期限があるため、戸籍収集や遺産分割協議にかかる時間も見込んで、相続の発生からなるべく早く動き出すことが節税への一番の近道です。逆にいえば、期限を1日でも過ぎれば数百万円の控除が丸ごと使えなくなる、それが相続不動産の売却の怖さでもあります。

もっとも、特例の適用要件は細かく、取得費加算との選択や住宅ローン控除との関係など、判断に迷うポイントも少なくありません。ごとう司法書士事務所は、司法書士と宅地建物取引士を兼ねる専門家として、名古屋市中区丸の内を拠点に、相続登記から不動産売却のサポートまでワンストップでお手伝いし、税務の詳細は提携税理士と連携して対応しています。女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も、お一人おひとりの事情に合わせて丁寧に承ります。

 

▶「うちは控除を使える?」という確認だけでもお気軽に。

相続不動産の売却のご相談は、名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)までお問い合わせください。

 

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。税制や特例の適用要件・期限は改正される場合がありますので、実際のお手続きにあたっては司法書士・税理士などの専門家に最新の取扱いをご確認ください。

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