
名古屋で相続相談・相続登記なら
ごとう相続手続き相談センター
運営:ごとう司法書士事務所・ごとう不動産事務所
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号
TCF丸の内ビル6階
相続人の中に認知症の方がいると、遺産分割は止まります。でも、進める道は用意されています。
お父様が亡くなり、相続人はお母様とお子さんたち。ところがお母様は認知症で、話し合いの内容を理解することが難しい——。高齢化が進んだ今、これは特別な事例ではなく、相続の現場で最もよく出会う光景のひとつです。そして、ここに9割の方が知らない落とし穴があります。遺産分割協議は相続人全員の有効な合意で成立するため、判断能力を欠く方が加わった協議は無効。ご家族が「代わりにはんこを押す」ことも、法律上は許されません。
では、諦めて放置するしかないのか。いいえ、道は複数あります。法定相続分どおりに登記する道、成年後見人を立てて協議する道、そして何より、こうなる前に打てる予防の手。どれを選ぶかで、ご家族の負担は大きく変わります。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、認知症の相続人がいる遺産分割の選択肢と使い分け、成年後見を使う場合の注意点、そして「次の相続」への備えまでを、実務の目線でご説明します。
本人のためのルールが、家族の前に壁として立つ。まず仕組みを知りましょう。
遺産分割協議は、相続人全員の合意によって成立する法律行為です。合意には、内容を理解して判断する力(意思能力)が必要で、認知症などでこれを欠く方の合意は無効。一人でも無効なら、協議全体が無効です。お子さんが「母の意向はわかっているから」と代筆・代印しても、法律上の効力はなく、後から協議そのものがひっくり返るリスクを抱え込むだけです。これは、判断能力の落ちた方が不利な合意をさせられないための、本人保護のルール。だからこそ、迂回ではなく、制度に沿った進め方を選ぶ必要があります。
選択肢は3つです。第一に、遺産分割をせず、法定相続分どおりに相続登記をする道。法定相続分での登記は、相続人の一人からでも申請でき、協議が要りません。相続登記の義務(3年以内)を果たすだけなら、この方法で足ります。ただし、不動産はお母様とお子さんたちの共有になり、売却や活用には結局全員の関与が必要。預貯金の解約も、金融機関は原則として相続人全員の実印を求めるため、認知症の方がいる限り進みません。「とりあえずの登記はできるが、財産は動かせないまま」という、暫定的な道だと理解してください。
第二に、成年後見人を立てて、後見人が本人に代わって協議に参加する道。財産を動かす必要があるなら、これが正攻法です。ただし、次章でご説明するとおり、後見には「協議が終わっても続く」という大きな特徴があり、選ぶ前に知っておくべきことがいくつもあります。第三に、事実上の放置。これは選択肢と呼びたくありませんが、現実には多く見られます。放置の間に他の相続人が亡くなって数次相続が起き、関係者が増え、問題は確実に複雑化していきます。放置された年月は、認知症の進行とともに「本人参加」の可能性も奪っていきます。「時間が解決してくれる」ことだけは、絶対にありません。むしろ時間は、選択肢を一つずつ消していく側にいます。
ちなみに、遺言が残されていた場合は、事情が一変します。遺言があれば遺産分割協議は不要で、認知症の相続人がいても、遺言執行者が遺言の内容どおりに登記や解約を進められます。「協議ができないなら、協議のいらない形を作っておく」。これが後でご説明する予防策の核心であり、遺言という備えの真価が最も発揮される場面なのです。
なお、「認知症」と一口に言っても、程度は様々です。診断があっても、ごく初期で、協議の内容を理解し自分の意思を示せる状態なら、本人が協議に参加できる場合もあります。その際は、医師の診断書や面談記録などで判断能力を確認し、後日の紛争に備えて慎重に進めることが大切です。迷ったら、自己判断せず専門家に相談を。ここの見極めを誤ると、協議全体が崩れます。
後見は「遺産分割のためだけ」には使えません。始まったら、一生続きます。
成年後見を使う場合の流れは、①家庭裁判所への後見開始の申立て(診断書・財産目録などを添付)、②裁判所の審理を経て後見人が選任される(申立てから1〜2か月程度が目安)、③後見人が本人の代理人として遺産分割協議に参加、という順です。誰が後見人に選ばれるかは裁判所が決め、親族が選ばれることもあれば、司法書士などの専門職が選ばれることもあります。遺産分割のように利害の絡む事案では、中立の専門職が選ばれやすい傾向があります。
費用の目安もお伝えしておくと、申立ての実費は収入印紙や郵券などで数千円程度、判断能力の鑑定が必要とされた場合は5〜10万円程度の鑑定費用が加わります(詳しくは成年後見の記事をご覧ください)。また、協議がまとまるまでの当面の資金繰りには、預貯金の仮払い制度も使えます。各相続人が単独で、自分の法定相続分の3分の1(1金融機関あたり150万円まで)を払い戻せる仕組みで、認知症の方の関与なしに、葬儀費用や当面の生活費を確保できます。
ここで、知っておくべき注意点が3つあります。第一に、利益相反。たとえば、お子さんが母の後見人になった場合、そのお子さん自身も相続人ですから、母の代理人として協議に参加すると利益がぶつかります。この場合は、協議のために特別代理人の選任を裁判所に求めるか、後見監督人が母を代理することになります。第二に、分け方の制約。後見人の仕事は本人の財産を守ることなので、遺産分割では原則として本人の法定相続分を確保する内容でなければなりません。「母は施設にいるから、自宅は同居の長男に多めに」といった柔軟な分け方は、基本的にできなくなります。第三に、後見は協議が終わっても終わりません。いったん開始した後見は、原則として本人が亡くなるまで続き、専門職が後見人なら月2万円前後からの報酬も続きます。年間の収支報告など、ご家族の事務負担も含めて、「遺産分割のためだけに始めたつもりが、想像以上に長い付き合いになった」という声は少なくありません。それでも、本人の財産管理に現実の必要があるご家庭には、後見は本人を守る大切な制度です。要は、目的と負担を天秤にかけて選ぶこと。後見でしか動かせない財産があるのか、待てるのか。この見極めこそ、専門家と一緒に行うべき判断です。
そして、この記事で一番お伝えしたいのは、予防です。今回の相続を乗り切った後、次に来るのは「お母様自身の相続」。お母様が遺言を作れる状態でないなら、お子さんたちの側で、ご自身の相続に向けた備えを始めてください。元気なうちの遺言があれば、遺産分割協議そのものが不要になり、認知症の相続人がいても遺言どおりに手続きできます。将来の判断能力低下に備えるなら、家族信託や任意後見という選択肢もあります。実例をひとつ。お父様を亡くし、認知症のお母様と子2人というご相談。預金の解約が必要だったため後見を申し立て、専門職後見人のもとで法定相続分を確保する協議を成立させました。手続き後、お子さんたちはご自身の遺言と家族信託を整えられました。「母のときの大変さを、子どもたちに味わわせたくない」。この連鎖を断つことが、経験を活かす一番の方法です。高齢者のおよそ7人に1人が認知症の時代、相続と認知症の重なりは、もはや例外ではなく前提です。「親が元気なうちに」という言葉の重みを、この記事から受け取っていただければ幸いです。
後見か、法定相続分の登記か、それとも待つか。判断材料をそろえてご提案します。
わかりにくい法律用語や不動産用語を、しっかりご説明します。
当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。認知症の相続人がいる相続は、制度の説明から始まります。後見・登記・不動産の選択肢を、ご家族の言葉でご理解いただけるまで丁寧にご案内します。
司法書士が宅地建物取引士でもあるため、相続不動産に関しては何でもご質問いただけます。
ご相談は無料です。後見申立てのサポート、法定相続分での相続登記、将来の売却を見据えた進め方の設計まで、ご家族の状況に応じた道筋を比較してご提案します。「今すぐ動かすべき財産があるのか」の整理から始めると、選ぶべき道は自然に見えてきます。
後見のランニングコストまで含めた「総費用の見通し」を提示します。
費用のお見積りは無料です。登記費用だけでなく、後見を選んだ場合に続く報酬の見通しまで率直にお伝えします。その場で即決していただく必要はありません。ご家族で持ち帰って、納得してからお決めください。
お気軽にご相談下さい。
壁の正体は「本人を守るルール」。だから、正面から制度で越えるのが一番の近道です。
認知症などで判断能力を欠く相続人がいると、遺産分割協議は無効になり、家族による代筆・代印も許されません。進める道は、法定相続分どおりの相続登記(暫定的・財産は動かせない)、成年後見人を立てた協議(正攻法・ただし利益相反、法定相続分の確保、一生続く負担に注意)、そして軽度なら慎重な見極めのうえ本人参加。放置だけは、数次相続で問題を膨らませる最悪手です。そして何より、この経験を次に活かすこと。元気なうちの遺言・家族信託・任意後見が、ご家族を同じ苦労から解放します。どの道がわが家に合うか。財産の中身、動かす必要の有無、ご本人の状態。その3点の見極めから、私たちにご相談ください。
ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、デジタル化にも積極的に取り組みながら、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。後見申立てのサポートから相続登記、遺言・家族信託などの生前対策、不動産の売却・活用まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。
▶「母が認知症で、相続の話が進まない」。その行き詰まり、道は必ずあります。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。判断能力の評価や後見の要否は個別の事情により異なりますので、実際のお手続きにあたっては専門家にご相談ください。
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内三丁目15番3号 TCF丸の内ビル6階
名古屋市地下鉄桜通線又は名城線「久屋大通駅」:桜通線側の1番出口から徒歩5分
名古屋市地下鉄桜通線又は鶴舞線「丸の内駅」 :桜通線側の4番出口から徒歩6分
9:00~19:00
土・日・祝(ただし、事前予約により相談可能)
※フォームからのお問合せは24時間受付しております。