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成年後見人は本人の死後に何ができる?後見終了後の実務を名古屋で解説

後見と相続の境目のこと|「後見人さんが全部やってくれる」は、誤解です

成年後見は、本人の死亡と同時に終了します。そこから先は、相続人の時間です。

成年後見人が付いていたお母様が亡くなった。葬儀も、遺品の整理も、遺産分けも、これまでどおり後見人さんが進めてくれるのだろう——。ご家族のこの期待は、残念ながら誤解です。成年後見は、ご本人を保護するための制度。だから、ご本人が亡くなった瞬間に後見は終了し、後見人の代理権も消滅します。原則として、葬儀の主催も、遺産分割も、後見人の仕事ではありません。

 

ところが実務では、「終了したから何もしません」では困る場面が必ず生じます。施設の未払い費用、腐りやすい財産の管理、そして火葬。そこで法律は、後見人が死後にできることを限定的に定めました。何ができて、何ができないのか。相続人は何を引き継ぎ、何を確認すべきなのか。この境目を知らないと、後見人とご家族の間に、すれ違いと不信が生まれます。このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、本人死亡による後見終了の仕組み、後見人が死後にできる3つのこと、相続人への引き継ぎの実務、そして「後見だけでは足りない」に備える生前の設計までを、実務の目線でご説明します。

1 後見は死亡で終了する|後見人が死後にできる3つのこと

本人を守る制度だから、本人がいなくなれば終わる。例外は、法律が数えられるほどしか認めていません。

まず、大原則です。成年後見は、ご本人(被後見人)の死亡によって当然に終了します。後見人が本人に代わって契約や手続きをする代理権も、その瞬間に消滅。以後、亡くなった方の財産は相続財産となり、それをどうするかを決める権限は相続人に移ります。後見人が良かれと思って死後も預金を動かしたり、遺品を処分したりすれば、かえって権限のない行為として問題になる。後見人が死後に慎重になるのは、不親切なのではなく、法律に忠実だからなのです。

とはいえ、死亡の瞬間にすべてを放り出せば、現実は回りません。そこで2016年の法改正で、成年後見人が本人の死後にもできることが明文化されました(この規定は成年後見人だけのもので、保佐人・補助人には適用されません)。条件は、相続人の意思に反しないこと、そして相続人が財産を管理できる状態になるまでの間に必要があること。そのうえで、できることは3つです。第一に、個々の相続財産の保存に必要な行為。雨漏りの応急修理や、腐敗しやすい物の処分といった、財産の価値を守る最低限の行為です。第二に、弁済期が到来した債務の弁済。入院費や施設利用料の精算が典型で、実務で最も出番の多い場面です。凍結前の預貯金から支払う場合も、金融機関との調整を経て慎重に行われます。第三に、火葬または埋葬に関する契約の締結など。これだけは家庭裁判所の許可が必要とされています。引き取り手のないご遺体をそのままにはできない、という現実に応えた規定です。

ここで、多くの方が驚くポイントをはっきりお伝えします。火葬はできても、葬儀(告別式)はできません。法律が認めたのは、ご遺体の火葬・埋葬という衛生上どうしても必要な範囲まで。お別れの式をどう行うかは、亡くなった方への弔いの形そのものであり、相続人・親族が決めるべきこととされているのです。同じように、遺品の整理・形見分け、遺産分割協議、不動産の売却、これらはすべて後見人の権限外。「後見人が付いているから、死後も安心」ではなく、「後見は生きている間の安心。死後の備えは別に必要」。この区別こそ、本記事で一番お伝えしたいことです。

 

なお、この3つの例外とは別に、後見人には昔からの一般ルールとして、急迫の事情があるときに必要な処分を行う応急処分義務も認められています。また、任意後見契約(元気なうちに自分で後見人を選んでおく契約)も、本人の死亡で終了する点は同じです。「任意後見まで契約したのだから死後も面倒を見てもらえる」という誤解も多いのですが、任意後見人にできるのも生きている間のサポートまで。だからこそ実務では、任意後見契約と死後事務委任契約を同じ公正証書のタイミングでセットにして結ぶ形が定番になっています。

2 相続人への引き継ぎの実務|管理計算・財産の引渡し・報告の確認

後見の幕引きには型があります。相続人は「受け取る側」として、この型を知っておきましょう。

本人の死亡後、後見人がすべき事務は決まっています。まず、家庭裁判所への死亡の報告と、後見終了の登記の申請。次に、管理の計算です。後見人は、終了から2か月以内に、それまでの財産管理の収支をまとめる管理計算を行います。そして、管理していた財産——預貯金通帳、現金、権利証や登記識別情報、実印、年金関係の書類など——を、相続人に引き渡します。最後に、家庭裁判所へ報酬付与の申立てをして、後見人としての最後の報酬を相続財産から受け取る。ここまでが、後見の幕引きの型です。

相続人の側から見ると、この引き継ぎは相続手続きのスタート地点になります。受け取るべきものの確認はもちろん、後見期間中の財産目録や収支の報告を見せてもらうことで、亡くなった方の財産の全体像を正確につかめます。財産調査を一からやる相続に比べれば、後見が付いていた相続は、実は財産の見える化という点で恵まれているのです。もし報告の内容に疑問があれば、家庭裁判所に記録の閲覧を求める道もあります。ここでひとつ、ご家族に知っておいてほしいのは、後見期間中の支出への見方です。専門職後見人への報酬(家庭裁判所が決めます)や、本人のための施設費・医療費の支出は、正当な後見事務の結果であって、「財産が減っている、使い込みでは」と短絡しないこと。数字の理由は管理計算と報告書に表れていますから、疑問は感情ではなく書面で確認する。これが、後見人とご家族の無用な対立を防ぐ作法です。逆に、相続人が複数いる場合、後見人は「誰に引き渡すか」で立ち止まることがあります。代表相続人を決めて受け取り、以後の遺産分割はご家族の協議へ。この切り替えを速やかに行うことが、後見から相続へのバトンを落とさないコツです。引き渡しを受けた後は、通常の相続と同じ時計が動き始めます。相続登記の3年の義務、相続税の10か月、放棄を考えるなら3か月。「後見人さんが動いてくれていた」時期の感覚のまま待ちの姿勢でいると、期限は静かに迫ってきます。

 

では、相続人がいない、あるいは誰も関わろうとしない場合はどうなるのか。後見人は財産を引き渡す相手がいないままでは終われませんから、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立て、清算人に財産を引き継ぐことになります(相続人不存在の仕組みは、専用の記事でご説明しています)。おひとりさまの後見では、この流れが標準コースになりつつあります。そして、ここから逆算すると、生前の備えの答えが見えてきます。後見と併せて、死後事務委任契約を結んでおけば、葬儀・納骨・遺品整理・各種解約といった「後見人にはできないこと」を、信頼できる人に契約で託せます。遺言と遺言執行者を用意しておけば、財産の行き先も実行役も決まります。後見・死後事務委任・遺言。この3点セットがそろって初めて、生きている間から亡くなった後までが切れ目なくつながるのです。実例をひとつ。当事務所が関わったおひとりさまのご相談で、任意後見契約と死後事務委任契約、公正証書遺言をセットで整えたケースがありました。数年後にご本人が亡くなった際、火葬・納骨・施設の精算は死後事務委任で、財産の承継は遺言執行で、それぞれ滞りなく完了。「後見だけだったら、亡くなった後が宙に浮いていた」と、関係者全員が実感した事例です。後見人が付いている方のご家族も、これから備える方も、「死後の設計は別建て」を合言葉にしてください。

3 名古屋のごとう司法書士事務所の特徴|後見から相続への橋渡し

後見の終了報告を受け取ったら、次は相続登記。その接続をスムーズに。

相続手続きの実績が豊富です|個別ケースに柔軟に対応

後見が付いていた相続も、おひとりさまの相続も、型に当てはめず設計します。

当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。後見人からの引き継ぎ後の相続登記や預貯金の解約、遺産分割協議のサポートまで、個別のご事情に合わせて柔軟に対応します。

不動産に強い司法書士です|売却の仲介まで対応

後見中に売れなかった自宅の、相続後の売却もお任せください。

司法書士が宅地建物取引士として活動し、不動産の売却仲介まで対応しています。後見中は家庭裁判所の許可が要った居住用不動産も、相続後は相続人の判断で動かせます。登記から売却、税理士との連携まで一貫してお手伝いします。

ご相談・お見積りが無料です|生前の3点セット設計も

任意後見・死後事務委任・遺言。組み合わせのご相談を歓迎します。

 

ご相談は無料です。後見終了後の相続手続きのご相談はもちろん、これからに備える任意後見契約・死後事務委任契約・遺言のセット設計まで、内容とお見積りを最初にご説明します。納得してからのご依頼で大丈夫です。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

後見は生前の安心、死後の備えは別建て。境目を知れば、すれ違いは防げます。

成年後見は本人の死亡で終了し、後見人の代理権は消滅します。死後にできるのは、相続人の意思に反しない範囲での財産の保存行為、施設費などの弁済、そして家庭裁判所の許可を得た火葬・埋葬の契約まで。葬儀・遺品整理・遺産分割は相続人の領分です。後見人は2か月以内の管理計算を経て財産を相続人へ引き渡し、相続人はその報告から財産の全体像を受け取って、相続登記や解約へ進む。相続人がいなければ相続財産清算人へ。そして、この境目があるからこそ、死後事務委任契約と遺言を後見に重ねる生前の3点セットが生きてきます。後見から相続への橋渡しも、これからの備えの設計も、私たちにご相談ください。

ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、ストレスなく法律手続きをご利用いただけるよう、家族や相続人の方によってすべて異なる相続の形に個別に対応しています。後見終了後の相続登記から、任意後見・死後事務委任・遺言の生前対策、不動産の売却・活用まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。

 

▶「後見人さんから引き継ぎの連絡が来たけれど、何をすればいいの?」。その次の一歩から、ご一緒します。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。後見終了後の事務の範囲は個別の事情により異なりますので、実際のお手続きにあたっては専門家にご相談ください。

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