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個人事業主が亡くなったら?事業と許認可の相続手続きを名古屋で解説

家業の名義変更のポイント|お店と仕事は、自動では引き継がれません

不動産や預金と違って、「事業」という財産はひとかたまりでは相続できない。ここが家業の相続の出発点です。

飲食店、建設業、小売店、士業やフリーランス。個人事業主のお父さまやご主人が亡くなったとき、ご家族が直面するのは、「お店はどうなるのか」「従業員さんは」「仕掛かりの仕事は」という、暮らしと生業が一体になった問いです。そして、ここに大きな誤解があります。事業は、相続しても自動では続けられません。事業用の資産(店舗・設備・在庫・売掛金)は遺産としてバラバラに相続の対象になる一方、営業のための許認可は原則として引き継がれず、税務署への届出には短い期限が並びます。「息子が継ぐと決めているから大丈夫」では、乗り越えられない段差がいくつもあるのです。

 

このページでは、名古屋市中区丸の内の司法書士が、個人事業主が亡くなったときの全体像——継ぐか畳むかの判断、許認可の扱い、税務の届出と期限、事業用資産と借金の相続、小規模企業共済の共済金——を整理し、家業を止めずに次の代へ渡すための段取りをご説明します。

他とは違う名古屋市のごとう司法書士事務所の大きな特色

1 事業は自動では続かない|継ぐ・畳むの判断と許認可の扱い

最初の1〜2週間で「当面の営業をどうするか」を決める。それが家業の相続の初動です。

まず、全体像から。個人事業は、法人と違って「会社」という入れ物がありません。事業主が亡くなると、法律の目から見える景色はこうなります。店舗や設備、在庫、売掛金といった事業用の資産は、自宅や預金と同じ遺産として相続人全員の共有に。買掛金や事業の借入れは、法定相続分で各相続人に分割承継されます(借金の相続のルールは、債務引受の記事もご覧ください)。そして、事業主本人に与えられていた営業の許認可は、原則としてその人限りで消滅します。つまり、「事業」というひとかたまりの財産があるのではなく、資産・負債・許認可・取引関係がバラバラに散らばる。これを後継者のもとへ集め直す作業が、個人事業の承継です。

だからこそ、最初に決めるべきは「継ぐのか、畳むのか」。継ぐ方がいるなら、誰が継ぐのかを早く固め、当面の営業(仕掛かりの仕事、予約、仕入れ)をどうつなぐかを決めます。畳むなら、取引先への連絡、在庫や設備の処分、従業員さんへの説明と、閉じるための段取りに入ります。どちらの道でも、事業用の預金口座が凍結されると支払いが止まる点は要注意。屋号付き口座も個人口座と同じく凍結されますから、買掛金や給料の支払いをどう回すか、初動の1〜2週間で目処をつける必要があります(凍結と仮払い制度は預金凍結の記事をご覧ください)。

次に、許認可の扱いです。原則は「引き継げない」ですが、業種によって道が分かれます。たとえば建設業の許可は、法改正により、死亡後30日以内に認可申請をすることで相続人が地位を引き継げる制度が整いました。飲食店の営業許可も、食品衛生法にもとづく届出により相続人が承継できる仕組みがあります。一方、宅建業の免許のように承継が認められず、後継者が新規に取得し直すほかない業種も少なくありません。共通するのは、期限が短く、放置すると無許可営業の状態に陥りかねないこと。ご家業の業種の許認可が「承継できる型」か「取り直す型」かを、亡くなった直後に確認することが、営業を止めない鍵になります。当事務所では、許認可分野を扱う行政書士とも連携して、この確認からお手伝いしています。

 

実例のイメージを挙げましょう。工務店を営んでいたお父さまが急逝し、現場で働いてきた長男が継ぐと決めたケース。建設業許可について死亡から30日以内という認可申請の期限が迫っていたため、まず行政書士と連携して許可の承継手続きを最優先で進め、並行して、事務所兼自宅の土地建物と工具・車両を長男が取得する遺産分割協議をまとめ、相続登記と屋号付き口座の承継まで、約3か月で事業の土台を移し替えました。もし30日の期限を知らずに過ごしていたら、許可を取り直すまで数か月の空白が生まれ、受注済みの現場に穴が開くところでした。「事業の相続は期限の把握から」を象徴する事例です。

2税務の期限と資産・借金の相続|青色申告・共済金・遺産分割の設計

税務署への紙一枚の出し忘れが、翌年の税額を大きく変えます。

税務の届出は、期限との勝負です。亡くなった事業主については、廃業届と、4か月以内の準確定申告(1月1日から死亡日までの事業所得の申告。詳しくは準確定申告の記事をご覧ください)。継ぐ方は、ご自身の開業届を1か月以内に出し、青色申告を引き継ぎたいなら、青色申告承認申請書を忘れずに。この申請の期限は死亡の時期によって変わる細かいルールがあり(おおむね死亡から4か月以内、年末近くの死亡では翌年の期限)、出し忘れると初年度が白色申告になって、青色の特典(最大65万円の控除や赤字の繰越し)を丸ごと失います。消費税についても、亡くなった方の売上実績を引き継いで課税事業者かどうかを判定する特有のルールやインボイス登録の引き継ぎの問題があり、ここは提携税理士と連携して漏れなく進めます。

事業用資産の遺産分割は、「事業に必要なものを、後継者に集める」のが大原則です。店舗の土地建物、設備、在庫、売掛金、事業用車両。これらが相続人の間で分散すると、事業は続けられません。実務では、後継者が事業用資産を取得し、他の相続人には預金や代償金でバランスを取る設計が定石です。店舗が借店舗なら、賃借権の承継と大家さんへの連絡も必要です。従業員さんがいる場合は、雇用関係を後継者との間で結び直す扱いが一般的で、給与や社会保険の切り替えも発生します。そして、見落としがちな大切なお金が、小規模企業共済です。個人事業主の多くが加入しているこの共済は、死亡時に共済金が支払われ、受け取れる遺族の順位は共済の法律で決まっています(配偶者は事実婚を含み、生計維持の家族が優先)。共済金は死亡退職金と同じ扱いで、500万円×法定相続人の非課税枠の対象。遺産分割の対象にはならない固有の財産です(死亡退職金の記事と同じ構図です)。加入の有無は、掛金の引き落とし履歴や共済手帳で確認できます。

なお、事業の借金がプラスの財産を明らかに上回る場合には、3か月以内の相続放棄という根本の選択肢に立ち返ります。ここで大切なのは、放棄は全部か・ゼロかの制度だということ。「店の借金は放棄して、自宅だけ相続する」という選り分けはできません。事業の帳簿と財産の全体像を早くつかみ、継ぐ価値のある事業かどうかを数字で見極める。この見立てこそ、初動の専門家相談がいちばん役に立つ場面です。

 

最後に、生前対策を。個人事業の承継こそ、遺言の出番です。「事業用の土地建物と設備一式は長男に相続させる」という遺言があれば、協議を待たずに事業の土台を後継者へ渡せます。あわせて、遺留分への配慮、生命保険や共済金で他の相続人への手当てを準備する、事業規模によっては法人化(法人成り)して株式の承継に切り替える、事業用不動産を家族信託して認知症による凍結にも備える、といった設計も選択肢です。とくに法人化は、許認可・契約・口座が会社名義になるため、代替わりのたびに散らばる個人事業の弱点を根本から解消します。家業の承継は、亡くなってからでは選択肢が半分に減ります。事業主がお元気なうちの一枚の遺言が、家業と家族の両方を守るのです。

3 名古屋のごとう司法書士事務所の大きな特色|家業の不動産と登記に強い

店舗の土地建物から自宅まで。家業を支える不動産を、次の代の名義へ。

相続不動産に強い|事業用不動産の承継設計が得意です

司法書士が宅地建物取引士としても活動しているから、店舗の活用や住み替えまで見通せます。

当事務所は、相続と不動産を中心業務とする司法書士事務所であり、代表は宅地建物取引士として不動産事務所も経営しています。家業の相続では、店舗や作業場の土地建物の登記が土台になります。後継者への相続登記から、畳む場合の売却・活用まで、事業の行方に合わせた不動産の出口を、法律と不動産の両面からご提案します。

相続登記や名義変更相談が無料です|「継ぐか畳むか」の整理から

事業・財産・家族。三つの事情を一枚の紙に並べて考えます。

ご相談は無料です。継ぐ方がいるのか、許認可はどの型か、期限は何が迫っているか。ご家業の状況を伺いながら、やるべきことの一覧と順番を整理してお渡しします。税理士・行政書士との連携もこちらでハブになりますので、窓口を探し回る必要はありません。

相続登記や名義変更費用をお見積りしています|家業の承継全体で明朗に

登記・書類・連携先。全体の費用感を最初にお示しします。

 

ご依頼の前に、司法書士報酬と実費を分けたお見積りを提示します。事業用不動産の相続登記、遺産承継のサポート、生前の遺言設計まで、ご希望の範囲に応じた総額を明示し、納得いただいてから進めます。

最後に ~相続の形は人それぞれ~

お気軽にご相談下さい。

家業は、財産であると同時に、誰かの毎日の仕事です。止めずに渡す段取りを。

個人事業主が亡くなると、事業用の資産と借金はバラバラに相続され、許認可は原則引き継がれず、税務署への届出には短い期限が並びます。継ぐなら、許認可の承継確認(建設業は30日の期限も)と初動の資金繰り、開業届と青色申告承認申請、事業用資産を後継者に集める遺産分割。畳むなら、取引先・従業員・在庫設備の整理と廃業の届出。借金が重ければ、3か月以内の相続放棄という全部かゼロかの決断。どちらの道でも、小規模企業共済の共済金という固有のお金を忘れずに。そして何より、事業主がお元気なうちの遺言と設計が、家業の承継をいちばん確実にします。事業主ご本人にも、跡を継ぐかもしれないご家族にも、この記事が「いま確認しておくことリスト」になれば幸いです。お店の灯りと家族の暮らし、その両方を守る段取りを、私たちと一緒に描きませんか。

ごとう司法書士事務所は、名古屋市中区丸の内を拠点に、「難しいことを簡単に」という理念のもと、司法書士業務のデジタル化にも積極的に取り組みながら、ご家族ごとの相続の形に合わせたお手伝いをしています。事業用不動産の相続登記から遺産承継業務、遺言・家族信託などの生前対策、不動産の売却・活用まで、司法書士と宅地建物取引士の両輪で、税理士・行政書士とも連携し、女性やご高齢の方、外国籍の方のご相談も丁寧にお受けしています。

 

▶「親父の店、どうしたらいいのか」。その問いから、ご一緒します。無料相談を承っている名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)まで、お気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。許認可の承継の可否は業種・個別の状況により、税務の取扱いは個別の事情により異なりますので、許認可は所管行政庁・行政書士に、税務は税理士にご確認ください。

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